観察 Observation

研究室メンバーによる自然についてのエッセー

水上の忍者の下に

2012-06-30 06:08:18 | 12.6
修士2年 嶋本祐子

 みなさんはこれ、何だかご存知ですか?晴れた日、アファンの森で調査前に湧水を飲みに行くと、この影が透明な水の底を泳いでいました。



 影の上にいたのはおなじみのアメンボ。アメンボが水上をすいすい滑ると、下の影もすいすい泳ぎます。
 小さい頃はよくアメンボを追って遊んでいましたが、影をまじまじと見たのはおそらく初めて。このまるはなんだ?体も足も細いのに、この影はなに?私はしばらく不思議に思って見ていました。



 アメンボが密生した足の毛によって水をはじき、水面に立つことができるのは知っていましたが、この影は、それによってできた水面のくぼみが原因のようです。くぼみが凹レンズのようになり、太陽光が水面を通る際に光を屈折させるため、水底には光が当たらない影の部分ができるのですね。アメンボの足先を見ると、水面のくぼみには光が集まっていました。




 濁りのない湧水だから、こんなに水底の影をはっきり見ることができたのかもしれません。自然の中には常に発見があっておもしろい!と改めて。
 色々なことに対して、当たり前と思うのではなく、そうなのかと驚いたり楽しんだりする感性を持っていたいと思います。

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