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本と雑貨と手作りのブログ。

「パレード」

2007-11-11 | 小説
こちらは、先月読んだ本。「センセイの鞄」という作品の続編です。「センセイの鞄」は、ツキコさんが高校の恩師である<センセイ>と居酒屋で十数年ぶりに再会するのが始まり。それ以来、憎まれ口をたたき合いながらも、ゆっくりと惹かれ合っていく素敵な作品です。

この二人は年齢差があって、ツキコさんは40歳間近、センセイは80に近い歳。十分、大人な二人の恋愛はアツアツというより、夫婦のような温かさと落ち着きがあって、とてもゆったりした気持ちになれました(ツキコさんはちょっと子どもっぽいところがあるけど、そこが可愛い)。二人が居酒屋でお酒を楽しむ場面は、本当に素敵。こういう設定はめずらしい気がして、とても新鮮でした~。

で、本題の「パレード」は、そんな二人のその後。家でくつろいでいたときに、「昔の話を聞かせてください」と言われたツキコさんが、子どもの頃の話を始めていきます。同じような体験がない人でもなんとなくわかるような話で、不思議な気持ちにさせられました。

90ページ未満の短い作品で、昔の話が中心なので、二人の会話はちょっと少なめ。でも、そうめんを仲良く作っている冒頭だけでも、「センセイの鞄」を読んだ人ならすごく楽しめます。吉冨貴子さんの抽象画のような挿絵(カラー)も、優しい雰囲気で作品にぴったりです。


川上 弘美 / 文藝春秋(2004/09/03)
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