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本と雑貨と手作りのブログ。

富安陽子さんの講演会。

2006-05-29 | 日記
先週、児童文学作家・富安陽子さんの講演会へ行ってきました。富安さんは卒論で取り上げた作家なので、とても思い入れがあります!お会いするのは2回目なのですが、40代とは思えないような可愛らしい印象。お話もユニークで、面白い方だなと思いました。講演後にはサイン会があったのですが、本を買った人全員に名前や絵まで丁寧に書いておられました~。

講演の内容は、自分の子ども時代の話から息子さんやそのお友達の話などなど。<子どもの不思議を信じる力>について、とても興味深い講演をして下さいました。富安さんはホラ吹きの家系に育ち(笑)、子どもの頃から不思議な話をたくさん聞き、不思議を身近に感じていたそうです。

例えば、満月の夜にはお月様からウサギがお餅を降らせてくれるという話を、叔母さんに聞いたときのこと。実際にお餅が降ってきて、すごくびっくりした体験をしたそうです。それは叔母さんがこっそり窓から撒いていたからなのですが、叔母さんはすごく喜んだ陽子ちゃんのために撒いたお餅を拾っては何回も降らせてくれたんですね。こういう大人がいるのって幸せだな~と思いました

こういう不思議をずっと信じ、幸せな時間を過ごした富安さんは、自分の息子さんたちにもホラ話をよくするとのこと。このお餅撒きも毎年やっていたそうですが、息子さんが小6ぐらいのときにそろそろやめようかなと思ったときに、息子さんたちが満月を見ながら「そろそろ餅が降る頃やな」と楽しみにしている様子を見て、慌てて冷凍のお餅を撒いたそうですっ。

また、息子さんのお友達で、光の速さや太陽のコロナの温度を知っている子の話もおもしろかった。それは、富安さんがガレージに車を入れようとしているときのことで、車の中からリモコンでガレージを開けたのをその子が見ていました。で、リモコンとは知らず「どうやって開けたの」と聞く子に、富安さんは「ひらけゴマまと言えばいい」と答え、その子が言うのに合わせてリモコンでこっそりガレージを開け閉め。その子は痛く感動し、次の日もガレージの前で「ひらけゴマ」と唱えていたそうです!!

理科の授業で月のことを習っていても、物知りの子でも、不思議を信じる力を持っているのだと富安さんは言います。また、大きくなったらゾウになりたい子やサッカーボールになりたいという子の話では、どれだけ本気でなれると信じているかをおっしゃっていて、子どもの想像力ってすごいな、おもしろいなと思いました

この講演を聞いて、私もちょっとホラ吹きに惹かれました。いつか本当のことを知ってがっかりしてしまうこともあるかもしれませんが、楽しく過ごした時間はきっと良い思い出になるように思いました。ただホラを吹くときは「誰にも言っちゃだめだよ」というのをお忘れなく。あとで、恥をかくことになりますからね。

富安さんの作品については、また後日語りたいなと思います

ハリポタ6巻☆

2006-05-25 | 児童書
ハリー・ポッターと謎のプリンス
J.K.ローリング 作静山社 (2006.5)通常24時間以内に発送します。

先週、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」が発売されましたね!読みたいな~と思いつつ、高いのでいつ買おうか迷ってたのですが、結局買いましたっ。今ならまだ特典が付いていたので。またまたネットショッピングなのですが、今回は初めてbk1を利用しました。

bk1の特典は、ブックカバーとしおり。ブックカバーの画像は載ってなかったのですが、購入した人がブログで紹介していたのを見て買うことにしました。amazonや7&Yの予約特典もブックカバー(1枚)だったのですが、bk1は2枚もらえるところが良かった。また、透明のシンプルなカバーというところも気に入った点です。

それに、bk1はコンビニ支払いができるのも嬉しい!bk1のコンビニ支払いは、メール便の指定で送料・手数料もかからないので(1,500円以上の注文で)。ポストに投函されるため、あまり家にいないという人も気軽に注文できますよ。ただメール便は時間がかかるので、すぐに読みたいというときには向いていませんが。

なんだかbk1の宣伝みたいになってますが、本の内容はネタばれになるので控えておきます~。まだ読んでいる途中でもあるので。ただ最初の方はちょっと読みにくかったな。今読んでいるところもまだ物語の核心には届いてなくて、読むのにちょっと時間がかかってますっ。

「陽の照りながら雨の降る」

2006-05-23 | 音楽
Cocco, 根岸孝旨 / ビクターエンタテインメント(2006/05/24)
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今日、明日発売のCDを買ってきました~。こんなに早く新曲が出るとは思ってなかったので、とても嬉しいです☆初回限定盤には、ボーナス・ディスク付き。収録されている「blue bird」という曲(映画“ヴィタール”エンディングテーマ曲)は前から気になっていたので、楽しみにしていました。CDの収録曲は↓のとおり。

1. 陽の照りながら雨の降る
2. 手の鳴るほうへ
3. コンポジションA

来月には、アルバムも出るようです!タイトルの「ザンサイアン」は沖縄の言葉だと思うのですが、どんな意味なんだろう?初回盤には「Swinging night」と「陽の照りながら雨の降る」のビデオクリップ付きだそうです。最近、Live Tourのことも知り、心惹かれてます。Coccoのライブには一度行ったことがあるのですが、やっぱり生の迫力はすごかった!!行ってから、前よりも好きになりました~。


スピードスターレコーズによる公式ページ

「猫と写真の時間」

2006-05-20 | エッセイ
「空と写真の時間」に続いて、また藤田一咲さんの本を買いました!猫の写真156点とエッセイ26話が収録されています。

藤田 一咲 / 〓@53B2@出版社(2004/08)
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写真や空が好きな藤田さんは、ノラ猫も大好き。でも、猫を撮ろうと意識したことはなく、たまたま猫と出会ったときに写真を撮りたくなるそうです。生き物の自然な姿を撮るのって難しいと思うのですが、そういう謙虚な姿勢だからこそ猫たちも心を許すのかもしれません。

この本に載っている猫たちは、地面に寝そべっていたり、とてもリラックスしています。昼寝をしている写真が多く、見ているとこちらも癒されますよ!また、和の猫や洋の猫というように、日本・外国の風景と一緒に写っている写真も面白い☆

例えば、和の猫では神社にいる猫の写真があるのですが、風景と猫がとてもよく合っていていいな~と思ったり。そうかと思えば、猫の島といわれるギリシアのオシャレな街並みにも猫が溶け込んでいて、不思議に感じました。「空と写真の時間」同様、私たちの身近な場所にある<素敵な風景>に気づかせてくれる本です。


第1章 和の猫その1(猫のいる風景 猫を撮る ほか)
第2章 洋の猫(猫の島々 眠り猫の島で ほか)
第3章 和の猫その2(猫の島 Cat Story―ブラックの思い出 ほか)
特別ふろく・座談会「一咲流猫の撮影スタイル」

「小さな山神スズナ姫」

2006-05-18 | 児童書
今日は「ねぎぼうずのあさたろう」(絵本ナビ)シリーズなどの作者・飯野和好さんの誕生日でした。飯野さんの絵はとてもインパクトがあって、一度見たら忘れられないくらい。中でも好きなのは、富安陽子さんが文を書いた「小さなスズナ姫」シリーズ(全4巻)です。

富安 陽子, 飯野 和好 / 偕成社(1996/03)
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数々の山をおさめる山神、大厳尊(オオイワノミコト)の一人娘・スズナ姫は、もうすぐ300歳(人間で言うと6歳)。父のもとを離れ、独り立ちしようと考えるスズナ姫に、お父さんは「一日で山全体を紅葉させたら独立してもいい」という難しい条件を出しますが・・・。

オオイワノミコトはとても威厳があるのですが、娘には甘いお父さん。スズナ姫を子ども扱いし、いつも家で留守番をさせています。そんなスズナ姫が独り立ちしたいと思うのも、納得。今まで我慢していたパワーが一気にあふれたという感じで、元気いっぱいに活躍します!「この、わからずやのヒゲおやじ!」と言うなど、気の強いところにとても惹かれました~。スズナ姫に協力してくれる山の仲間たちもおもしろいですよ☆

富安さんは好きな作家の一人。強い女の子がよく登場するので、読んでいると爽快な気分になれます。来週は講演会(2回目)に行くので、楽しみですっ。

「本の話 絵の話」

2006-05-15 | エッセイ
2001年に出版された「本の話 絵の話」が文庫化されました。絵本「おこちゃん」や「犬のルーカス」の作者で、銅板画家の山本容子さんの本です。吉本ばななさんの小説「TSUGUMI」の鮮やかな表紙画は、皆さん見たことがあるのでは?江國香織さんの作品に山本さんが画をつけた絵本「デューク」などもよく知られています。

山本 容子 / 文藝春秋(2006/05)
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<文藝春秋の内容紹介より>
シェイクスピア、ジョイス、ランボーに森鴎外、太宰治、谷崎潤一郎……72人の文豪たちと「戯れる」。綺羅星のごとき作家の肖像画に、才気溢れるオマージュを添えて。自身の読書体験、装幀秘話、好きな画家、芸術の冒険もあわせて語り明かし、「文学とアートの幸福な結婚」、美術家・山本容子のすべてを本のかたちにしました。 解説・小林恭二

文庫になるまでこの本のことを知らなくて、本屋さんでちょっとだけ見てみました。山本さん自身のことがいろいろ語られていて、ファンの人にはとても興味深い内容。2色刷りの銅版画(文豪の肖像画)も素敵なので、山本さんを知らない方にもオススメです。文豪や画家のことなど、芸術にも詳しくなれそう☆

今回、山本さんのことを調べていたら、「ふしぎの国のアリス」(絵本ナビ)の絵本も出していてびっくりしました。表紙を見るだけでも、山本さんらしい色鮮やかで味のある画☆ぜひ一度見てみたい!「白雪姫」の絵本も出ているようです~。

山本容子オフィシャルサイト はなうた工房
Love yo site~山本容子さんラバーズサイト~(ファンサイト)

「スコットくん」

2006-05-12 | その他の本
 

スコットくん [中公文庫 てのひら絵本]
中央公論新社/2006年/781円(税別)
並製/装丁・吉田篤弘+吉田浩美

2000年に出版された本の文庫版。

イラストレーターで漫画家の、フジモトマサルさんの新刊。南極が舞台で、悠々自適なペンギン・スコットくんが主人公のマンガです。24の短編(プロローグ000~023)を収録。白と黒ともう一色(ちょっと暗めの紫や水色など)のカラーマンガで、オシャレな雰囲気です。

スコットくんの趣味は読書とインターネット。ちょっとインテリを気取っていて、とがった性格の持ち主。でも、好きな女の子(マゼランちゃん)の前では優しくて、憎めないヤツです。スコットくんのおばあちゃんやおとうさんも個性的で、面白かったです☆

獰猛なトウゾクカモメや人のがいこつなども出てきて、以前、紹介した「長めのいい部屋」よりもちょっとブラックでした~。

「スキップ」

2006-05-09 | 小説
皆さんはGWをどう過ごしたのでしょうか?私は仕事ばかりだったのですが、こういうときこそ本が読みたくなり、長編小説に手をのばしました!分厚い本でしたが、面白くてあっという間に読めましたよ~。

北村 薫 / 新潮社(1999/06)
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17歳の一ノ瀬真理子は目が覚めると、42歳の桜木真理子になっていた。25年後の真理子は夫と娘がいる、高校の国語教師。有り得ない現実にショックを受けながらも、前を向いて歩き始める・・・。

真理子のモットーは<嫌だからやろう>。嫌なことが前に来たときに掛け声をかければ、大概のことはできるという彼女の言葉に強さを感じました!そうして17歳の彼女が高校3年生の担任も務めてしまうのだから、本当にすごいです☆

ただ彼女は<一ノ瀬真理子ではなく、桜木真理子だ>ということを認めたわけではありません。役割を果たさなければ、自分の居場所なんてどこにもないように思う、と真理子は言います。好きな言葉は自尊心というように、自分らしさを大切にしながら生きていて、教師としての姿にも好感が持てました。後半は学園もののような面白い展開で、学生時代が懐かしくなります。

そんな真理子の支えになってくれるのは、娘の美也子さんと旦那さん。美也子さんは真理子が25年後の世界で最初に出会った人で、真理子の話を疑いながらも冷静に聞いてくれます。美也子さんも17歳ということなのですが、とてもしっかりしていて魅力的です。旦那さんも同じ国語教師ということで、真理子に良いアドバイスをしてくれます。ちょっと変わった関係ですが、家族愛が感じられてほのぼのします。10代や40代の人にぜひ読んでもらいたいです。

この作品は「時と人」シリーズの第1弾で、「スキップ」「ターン」「リセット」で3部作になっています。それぞれ別のお話ですが、どれも時間に翻弄されながら強く生きようとする姿が描かれているようです。「ターン」は以前読んだのですが、こちらもオススメ。同じく心の強い女性が描かれてて、憧れます。「スキップ」の方が読みやすいですが、「ターン」の方がドラマチックな結末で好きです。

「まどのそとのそのまたむこう」

2006-05-03 | 絵本
先月、限定復刊した福音館書店の絵本(と言っても、何回か復刊されているようですが)。少し値が張りますが、ぜひ手元に置いておきたい作品です。

モーリス センダック, Maurice Sendak, わき あきこ / 福音館書店(2006/03)
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パパが航海に出て、元気がないママ。アイダはママに代わって妹のお守りをしますが、魔法のホルンを吹いている間にゴブリンが妹をさらってしまいます。妹を追って、アイダはまどのむこうのそのまたむこうへと旅立ちます・・・。

同じ作者の「かいじゅうたちのいるところ」とは少し異なり、写実的に描かれた絵。宗教画のようなイラストが、とても神秘的で美しいです!ただ綺麗というのではなく、ダークな雰囲気も漂っていて、何とも不思議な世界。ゴブリンは妹の代わりに氷の人形を置いていくのですが、ただ誘拐するだけでなく、騙すというところに本当の怖さがあるような気がしました。

物語の発端は「リンドバーグ赤ちゃん誘拐事件」(絵本ナビより)だといわれているそう。なので、もっと複雑なメッセージが込められていますが、読む人によっていろんな感じ方ができる作品だと思います。

他にも、ロバート・マックロスキーの「すばらしいとき」やシャーロット・ゾロトウの「ねえさんといもうと」などが復刊されました!マックロスキーの作品は、「サリーのこけももつみ」や「かもさんおとおり」がよく読まれていますね。この2冊はシンプルな色合いだったのに、「すばらしいとき」は同じ作者とは思えないくらいカラフルで描き方も違います。以前、本で紹介されているのを見て、気になっていた作品なので嬉しいです☆