wonderwall

本と雑貨と手作りのブログ。

それからはスープのことばかり。

2009-10-24 | 小説


最近、こんな本を読みました!

「それからはスープのことばかり考えて暮らした」
という、ちょっと変わったタイトルの本です。笑



舞台は、路面電車が走る町にある
サンドイッチ店「トロワ」。

この町に越してきた青年が
「トロワ」のサンドイッチに恋して、
いつの間にかお店で働くことに・・・。


そこから、
だんだんスープの話になるのですが、
これがすごく美味しそうで!

まさに、「スープのことばかり」
考えてしまう作品です。笑


また、小さな映画館や教会なども出てきて、
何ともいえない懐かしい雰囲気があったり。

ゆったりとした時間が流れていて、
一篇の映画を見たような気分になりました☆


そういえば、
同じ作者の「つむじ風食堂の夜」は
映画化されるそうで♪♪

なかなか味のある役者さんがそろってて、
小説のイメージにもぴったり~!

ぜひ観てみたいなぁと思いました。笑


「つむじ風食堂の夜」予告

 

にほんブログ村 本ブログへ


「すきまのおともだち」

2009-06-07 | 小説


こちらは、江國香織さんの小説☆
カワイイ表紙に惹かれて、読みました!




主人公は、新聞記者の「私」なんですが
仕事で訪れた街で迷い、↓の「おんなのこ」と出会います。

その「おんなのこ」が暮らす世界は少し変わっていて、
現実の「すきま」のような場所。

うさぎ穴に落っこちたアリスのように、
こちらもナンセンスな世界が広がっていましたw


ちなみに、 挿絵を描いているのは
絵本作家のこみねゆらさん♪

淡い色合いがとっても綺麗で、お話にもぴったりでしたv

また、こちらも最近読んだ
江國さんの作品



こちらは10人の女子高生が登場する連作短編で、
6編全てが違う主人公なんです。


いつかは忘れてしまいそうなお話なんだけれど、
いろんな感情に揺れ動く少女たちがとてもリアル!

あらすじに「残酷で、せつない」とあったのですが、
何となくわかるなぁと思いました~。


にほんブログ村 本ブログへ
 


「配達あかずきん」

2009-05-10 | 小説


最近、久しぶりに小説をいくつか読みました!

その中でもかなり面白かったのが、こちらの本☆
いつの間にか文庫が出たので、手に取ったのでした・・・w

物語は、書店を舞台にした「本格ミステリ」。

しっかり者の書店員・杏子さんと勘の鋭いアルバイト・多絵が
さまざまな謎に取り組んでいくお話なんです♪


連作短編が5つ収録されているので、
ちょっとした空き時間に読めるのも良かったv

特に、「六作目のメッセージ」という作品がオススメです!
↓は、その作品に登場する本の一部。

写真家の林完次さんもダヤンの作者・池田あきこさんも
大好きなので、とっても嬉しかったです☆


   


書店員のお仕事も垣間見れて、
本好きはいろいろくすぐられる本。

続編もぜひ文庫化してほしいな~と思いました♪

 にほんブログ村 本ブログへ


「六の宮の姫君」

2008-05-12 | 小説
最近、北村薫さんの<円紫師匠と私>シリーズを2冊読みました!1つは、シリーズ第4弾の「六の宮の姫君」。第1弾では大学1年生だった「私」も、シリーズとともに成長し、大学4年生になっています。

北村 薫
Amazonランキング:82665位Amazonおすすめ度:


そんな訳で、「私」も卒論に取り組んでいて、テーマに選んだのが「芥川龍之介」。いろいろ掘り下げていく中で、芥川の謎の言葉を聞き、「私」の推理が始まっていきます。

複雑な長編で一度、読むのを挫折しかけたのですが、だんだん面白くなってきて一気に読めました。いろんな文献を調べる様子は、自分が卒論を書いていた頃を思い出し、懐かしくもありました~。芥川など有名な作家たちの作品や手紙などから、こんなストーリーが出来ることに驚きです。

↓は、「六の宮の姫君」の次の作品。

北村 薫
Amazonランキング:26991位Amazonおすすめ度:


大学を卒業した私は、出版社に就職。仕事を通して、また不思議な謎に出会っていきます。作品は、3つの連作短編(「山眠る」「走り来るもの」「朝霧」)で構成。「走り来るもの」はせつないお話でしたが、謎解きがとてもユニークでした。


「幸福な食卓」

2008-04-04 | 小説
↓は、瀬尾まいこさんの小説。「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」という、インパクトのあるセリフから物語が始まります。けれど、主人公の佐和子やその兄・直ちゃんはあまり驚かず、そんな告白もそれなりに受け入れます。

瀬尾 まいこ
Amazonランキング:5877位Amazonおすすめ度:


ちょっと変わった家族だな~と思いながら読み進むと、過去にあった大きな出来事がだんだん明らかに。不器用ながらもそれを乗り越えようとする家族の姿が、とても印象的です。

「食卓」というからには、またまた美味しそうな料理も登場(直ちゃんは無農薬野菜を作る農業団体で働いているので、新鮮な野菜や卵をよく持って帰ってきます)。食べ物によって生かされたり、癒されたりしていることに、改めて気づかされます。

面白かったと簡単には言えませんが、心に残る作品でした。

「古道具 中野商店」

2008-03-04 | 小説
こちらは、今月の新潮文庫の新刊。「センセイの鞄」などの作者・川上弘美さんの作品です。


小さな古道具屋を舞台に、主人公の<ヒトミさん>、店主の<中野さん>、その姉の<マサヨさん>、バイト仲間の<タケオ>の恋愛模様を描いたお話。年の離れたこの4人はみんな恋に不器用で、どことなく親しみを感じます。骨董品ではなく、古道具を扱っているところも、庶民的です。

物語は、「角型2号」「文鎮」「バス」…といくつか分かれていますが、どれもとりとめのない話ばかり。だけど、ただ同じ時間を共有し、日々の出来事を語り合ったりするのって、幸せな光景だなとしみじみ思いました。300ページ以上の長編ですが、さらっと読むことができました~。

また、ときどきエロい部分があったのだけど、物語とは直接、関係なかったりするような?どういう意味があるのか、ちょっとだけ気にかかりました・・・。

「世界でいちばん幸せな屋上」

2008-02-25 | 小説
以前、紹介した「ミルトリン探偵局1」の続編。いつの間にか文庫版が出ていたので、それを買いました。


この小説の主人公は、作者でもある「吉田音」さん。音さんが身近に起こった出来事を、日記のように語っている小説です。といっても、普通の日常のなかに不思議な事件があって、どこまでホントでどこから作り物なのかが謎。でも、描かれている風景がリアルに浮かんできて、映画を見ているような感覚になりました。

また時々、別の視点からもお話が描かれるのですが、思わぬところで話がつながっていて、驚かされたり。クラフトエヴィング商會の本は、いつも夢があって好きです。中に挟まれているカラーやモノクロの写真も、お洒落ですよ~。


↓の本は、音ちゃんの父・吉田篤弘さんの作品。去年、読んだ本なんですが、こちらも作者が主人公になっています。ビートルズの「ホワイトアルバム」を題材にしたお話で、小説『つむじ風食堂の夜』とも少しつながりがあります。


吉田 篤弘 / 新潮社(2007/07)
Amazonランキング:60580位Amazonおすすめ度:



「天国はまだ遠く」

2008-01-17 | 小説
こちらは、瀬尾まいこさんの小説。以前、読んだ作品も良かったですが、この作品もすごく面白かった!めずらしく1日で読み終えてしまいました~。

瀬尾 まいこ / 新潮社(2006/10)
Amazonランキング:19548位Amazonおすすめ度:


主人公は、23歳の会社員・千鶴。千鶴は、仕事や人間関係に悩み、自殺を考えます。そして、鞄一つで山奥の民宿までたどり着くと、睡眠薬を飲むのですが死に切れず、その民宿で過ごすことになります・・・。

登場人物は主に千鶴と民宿の主人・田村さんだけで、大きな出来事は起こりませんが、ゆっくりと進む時間にほっとさせられます。千鶴のような疲れた方に是非オススメ!私も去年、退職を考えていたので、千鶴の気持ちに共感しました。

そして、瀬尾さんの作品に必ず出てくるのが、印象的な食事の風景。豪華な食事ではないけれど、あったかくて優しい味がするんだろうな~としみじみします。生きることと食べることのつながりを教えてくれる作品です。

映画化も決定していて、そちらも見てみたい☆千鶴役は加藤ローサさん、田村役はチュートリアルの徳井さんだそうですよ~。

「パレード」

2007-11-11 | 小説
こちらは、先月読んだ本。「センセイの鞄」という作品の続編です。「センセイの鞄」は、ツキコさんが高校の恩師である<センセイ>と居酒屋で十数年ぶりに再会するのが始まり。それ以来、憎まれ口をたたき合いながらも、ゆっくりと惹かれ合っていく素敵な作品です。

この二人は年齢差があって、ツキコさんは40歳間近、センセイは80に近い歳。十分、大人な二人の恋愛はアツアツというより、夫婦のような温かさと落ち着きがあって、とてもゆったりした気持ちになれました(ツキコさんはちょっと子どもっぽいところがあるけど、そこが可愛い)。二人が居酒屋でお酒を楽しむ場面は、本当に素敵。こういう設定はめずらしい気がして、とても新鮮でした~。

で、本題の「パレード」は、そんな二人のその後。家でくつろいでいたときに、「昔の話を聞かせてください」と言われたツキコさんが、子どもの頃の話を始めていきます。同じような体験がない人でもなんとなくわかるような話で、不思議な気持ちにさせられました。

90ページ未満の短い作品で、昔の話が中心なので、二人の会話はちょっと少なめ。でも、そうめんを仲良く作っている冒頭だけでも、「センセイの鞄」を読んだ人ならすごく楽しめます。吉冨貴子さんの抽象画のような挿絵(カラー)も、優しい雰囲気で作品にぴったりです。


川上 弘美 / 文藝春秋(2004/09/03)
Amazonランキング:23567位Amazonおすすめ度:


「卵の緒」

2007-11-07 | 小説
夏に応募した新潮文庫のブックカバーが先日、届きました☆赤が欲しかったのですが、届いたのは青と黒でちょっと残念。イラストや形は気に入っています。これを応募するために買った本の1つは、↓の本。最近、ようやく読み終えました~。

瀬尾 まいこ / 新潮社(2007/06)
Amazonランキング:38093位Amazonおすすめ度:


<僕は捨て子だ。子どもはみんなそういうことを言いたがるものらしいけど、僕の場合は本当にそうだから深刻なのだ。>というセリフは、「卵の緒」の冒頭。主人公の育生とその母・君子さんは血のつながりがないのですが、仲の良い親子でとても素敵。また、母の同僚・朝ちゃんや育生の同級生である池内君も温かくて、好きです!

あさのあつこさんが解説で書いているのですが、この本によく出てくるのは食事風景(「幸福な食卓」という作品もありましたね)。何気ない日常なんだけど、心地いい空気に満ちていて、見ているこちらも幸せになります。料理の描写も上手くて、すごく美味しそうですよっ。

表題作の他は、「7's blood」という作品も収録。「卵の緒」は70ページの短編で、「7's blood」の方が長めです。こちらも血のつながらない二人(姉と弟)のお話で、高校生の七子が突然、父親の愛人の子ども(小学生の七生)と一緒に暮らすことになります。「卵の緒」よりも少し重い雰囲気ですが、またまた「絆」を感じる作品でした。

瀬尾さんの「図書館の神様」も良かったのですが、この作品もすごく気に入りました☆映画化が決まった「天国はまだ遠く」も是非、読みたいです。