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本と雑貨と手作りのブログ。

「きょうはなんのひ?」

2006-03-30 | 絵本
またまた古本屋で購入瀬田貞二さん・作、林明子さん・絵の絵本です

瀬田 貞二, 林 明子 / 福音館書店(1995/06)
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このお話の主人公は、まみこという女の子。まみこは朝、玄関を出るときに、こんな歌を歌って出かけます。「おかあさん、きょうは なんのひだか、しってるの? しーらないの、しらないの、しらなきゃ かいだん 三だんめ」。おかあさんが階段へ行ってみると、今度は「ケーキのはこを ごらんなさい」という手紙が。こうして、謎の手紙探しが始まります♪

謎解きのようなストーリーが、とても愉快な絵本。読んだ子どもたちは、きっとこの遊びをやりたくなるでしょう!こんなプレゼントをもらった両親は、幸せ者ですね。お話は表紙から裏表紙まで続いていて、憎い演出☆また、絵をよく見ると、面白い発見があり、遊び心が感じられます。

林明子さんの絵はひさしぶりに見たのですが、とても温かい色合いで優しい気持ちになりました。また、林さんが描く子どもの表情って、何て生き生きしていているのでしょうか。喜びも不安も絵から溢れていて、いつも見入ってしまいます。他の絵本では、「こんとあき」や「おふろだいすき」が好きです。

「きょうはなんのひ?」が紹介されている絵本ナビのサイトはこちら。あまり目立っていない絵本だと思うのですが、絵本ナビの評価ランキングでは上位に入っています。まあ、大人に支持されるのもわかりますね。

ちなみに、今月の20日が林明子さんのお誕生日でした~。おめでとうございま~す

「ころころにゃーん」

2006-03-27 | 絵本
長新太さんの遺作、「ころころにゃーん」を買いました!近くの本屋さんにはなかったのですが、やっと見つかって良かったっ。この本は、月刊誌(「こどものとも0.1.2」の2006年4月号)なので、今のうちしか買えませんよ~。定価も410円と手頃で、オススメです。

ストーリーは、ネコの家族のお話。ショッキングピンクの絵がとても印象的です「ころころ」と子猫が転がってきて、おかあさんの背中の上で「にゃーん」。1匹、2匹、3匹、4匹とやってきて、最後には・・・。

「ころころ」と「にゃーん」という言葉だけで描かれた、0~2歳児向けの赤ちゃん絵本。でも、長さんらしいユーモアがあって、大人もすごく笑えます。最後の展開は、迫力がありますよっ。また、家族の温もりが伝わってきて、ほのぼのします。

折り込みふろくの「絵本のたのしみ」には、長さんの奥さんの貴重なインタビューが載っています。生前のままに残されている長さんの仕事机の写真もあり、胸にじーんときました。原画を完成された10日後にお亡くなりになったそうで、最期までこの仕事を愛していた長さんの姿が目に浮かびました。素敵な絵本をありがとう。

長さんの「ごろごろにゃーん」(リンク先「絵本ナビ」)という絵本も面白くて大好きです!!

「長めのいい部屋」

2006-03-24 | その他の本
pata-ponさんのブログ<pata-ponの日記>で興味を持ち、読んでみました!漫画家で、イラストレーターのフジモトマサルさんの作品です。偶然にも先日、紹介した吉田篤弘さん・浩美さん夫妻がカバーデザインを手がけていました~。

フジモト マサル / 中央公論新社(2005/05/26)
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この本は中公文庫から出ているのですが、中身はマンガ。タイトルや表紙からもわかるように、ユーモアのある内容です。絵は白と黒と赤の三色を使っていて、絵本のような雰囲気です。この3色を使った本は他に、ブタのオリビアが主人公の絵本『OLIVIA』などがありますね~。

マンガは短編がいくつか入っていて、シロクマヤヒツジ、ペンギンなど、いろんなキャラクターが登場します。どのキャラクターもすごく可愛くて、和みます一つの話にだいたい二人(二匹)が出てくるのですが、その二人の関係がとても微笑ましいっ。二人は夫婦や友達なのですが、性格は正反対だったり。ケンカもしたりしますが、実は相手のことをよく理解しているように思えました。私はライオンとシャム猫のペアが気に入っています!!短編でちょっとあっさりしていたので、ぜひ続きを描いてほしいです。

他の作品も検索してみたら、どの表紙も可愛くて素敵でした。特に、『ウール100%』という本のヒツジのイラストがかわいかったですっ。吉田篤弘さんの『という、はなし』にも、絵を描いています。また来月にも『スコットくん』という作品が、同じ出版社から文庫化するので楽しみ!こちらはペンギンのお話だそうです


フジモトマサルさんの公式サイト→フジモトマサルの仕事

「つむじ風食堂の夜」

2006-03-22 | 小説
吉田篤弘さんと浩美さんという夫婦を中心とした制作ユニット<クラフト・エヴィング商會>の本。初めて手に取りましたが、噂に聞いていたとおり、独特の雰囲気がある作品でした~

吉田 篤弘 / 筑摩書房(2005/11)
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月舟町のつむじ風食堂を舞台に、そこへ集まるお客たちの何気ない日常を描いた作品。登場人物は、雨を降らせる研究をしている先生を中心に、帽子屋の桜田さん、果物屋や古本屋の主人、古道具屋の親父、舞台女優の奈々津さんといった人たちがいます。ちょっとめずらしい仕事をしている人たちばかりで、芝居の中の世界みたいに感じました

この月舟町は、とても懐かしい空気が感じられるのですが、何処にも存在しない特別な空気も感じられました~。例えば、この食堂は、もともとは「名無しの食堂」だったのですが、いつもつむじ風が廻っている十字路にあったので「つむじ風食堂」と呼ばれるように。普通の安食堂とは違ったこだわりのある食堂で、きちんとしたメニューブックがあったり、ナイフとフォークしか出さなかったり。メニューの名前も変わっていて、コロッケはクロケット、生姜焼きはポーク・ジンジャーと書かれています。普通の場所にちょっとしたエピソードがあることで、<特別>な場所になっているように思いました。

また、この作品は8編の話に分かれているのですが、それぞれに印象的な道具が登場します。例えば、食堂の食器だったり、喫茶店のエスプレッソマシーン、古道具屋の机や果物屋のオレンジといった身近なモノなのですが、とても丁寧に描かれていて惹かれます。作者のモノに対するこだわりも、<特別>な空気感につながっているようでした。言葉にするのがすごく難しいのですが、ストーリーよりも描かれた風景を味わう作品ではないかと思います

<クラフト・エヴィング商會>の本は、また是非読みたいです!。この作品のように、手頃な値段の文庫がまた出たらいいな。吉田篤弘・浩美さん夫婦の娘(らしい)吉田音さんの作品は、装丁がとても可愛くて気になっています☆

「だって だっての おばあさん」

2006-03-18 | 絵本
お気に入りの1冊前に本屋でこの絵本を見たら、読み聞かせで大人気という本の帯が付いていて、何だか嬉しくなりました。誕生日の話なので、バースデープレゼントとしても使ってます。

さの ようこ / フレーベル館(1975/01)
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「だって、わたしはおばあさんだもの」が口ぐせのおばあさんと、一緒に暮らすネコのお話。ネコは99歳を迎えたおばあさんのためにロウソクを買いに行くのですが、川にロウソクを落としてしまい、たった5本だけになってしまいます・・・。

しかし、おばあさんは5歳に生まれ変わった気分で、今まで行かなかった魚釣りに出かけ、川を飛びこえたり、魚をつかまえたり!生き生きとしたおばあさんの姿を見ていると、こちらも元気になれます。だんだんと歳を重ねていくことが嬉しくなくなったりしますが、前向きに新しい歳を楽しみたくなりますよ。「だってだって」と言う前に、どんどんチャレンジすることが大事ですね。


佐野さんの絵本は猫のお話が多いですが、どの猫も個性豊かでとても魅力的!あの力強い独特のタッチも素敵~☆猫の作品で一番有名なのは『100万回生きたねこ』ですが、個人的には『おれはねこだぜ』という作品もオススメです。サバ好きのネコがサバの大群に襲われるという、ブラックユーモアの効いたナンセンス絵本。何とも言えない可笑しさがあって好きです。ところで、このネコたちには名前がないのですね~。どこか客観的に見ているようで、興味深いです。

ちなみに、私が持っている『おれはねこだぜ』はサイン本講演会に行ったときに、サインしてもらいましたっ。佐野さんの講演などからはさばさばしたとした性格を感じたのですが、物語がべたべたしすぎていないのはそのせいかもしれません。

「ピーターラビットのおはなし」

2006-03-15 | 絵本
古本屋で見つけて、買いました!有名なキャラクターですが、お話は知らない人もいるのでは?薄くて小さいサイズの割には字が多くて、しっかりしたストーリーのある絵本です。私もだいぶ前に読んだので、こんな話だったな~、と思いながら読みました。

ビアトリクス・ポター, Beatrix Potter, いしい ももこ / 福音館書店(2002/09/21)
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ピーターラビットは、おかあさんと3匹の兄弟たちと、大きなもみの木の下の、穴の中に住んでいます。ある日、おかあさんは買い物に、子どもたちは森へ遊びに出かけます。が、いたずらっこのピーターはおかあさんの言うことを聞かず、おひゃくしょうのマクレガーさんの畑へ。そこでレタスやさやいんげん、はつかだいこんを食べているうちに、ピーターはマクレガーさんとばったり会ってしまい、必死に逃げ惑うことになります・・・。

可愛らしい雰囲気とは異なり、ストーリーはちょっとスリリングな感じ。おかあさんが「あなたたちのおとうさんは、マクレガーさんのおくさんに、にくのパイにされたのよ」と言うところなども、結構すごい。この作者は決して猫なで声で近づいてくるような大人とは違い、子どもに誠実であろうとする姿勢が感じられました。作家の江國香織さんも『絵本を抱えて 部屋のすみへ』の中で好きな一冊に挙げていて、とても興味深い感想を述べています。

私信ですが、今日は私の誕生日でした~。お祝いメールをくれたお友達、ホントにありがとうございました

「不思議の国のアリス」

2006-03-13 | 児童書
ルイス キャロル, Lewis Carroll, Tove Jansson, 村山 由佳, トーベ ヤンソン / メディアファクトリー(2006/03)
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絶版になっていた『Alice's Adventures in Wonderland』(洋書)が、村山由佳さんの新訳で復刊しました!復刊ドットコム(絶版本などを復刊させよう、というサイト)で投票して発売を待っていたので、嬉しいですっ。

この本は、ルイス・キャロルの名作『不思議の国のアリス』にトーベ・ヤンソンが挿絵をつけたもの。キャロルのお話もヤンソンさんの絵(ムーミンなど)も大好きなので、とても気になっていました☆ほとんどが日本初公開の絵(カラー11点とモノクロ40点)だそうです。

ヤンソンさんが描いたアリスの絵は、大丸ミュージアムで開催されていた「ムーミン展」で数点見たことがありました。アリスの挿絵と言えばジョン・テニエルの絵が有名ですが、ヤンソンさんの絵もまた違った魅力があって素敵です。先日、本屋でも見たのですが、家でじっくり観賞したくなりましたっ。

ただ、小説家の村山由佳さんが訳したというのが、気になります・・・。物書きの人だと文章に個性が出るので。amazonのレビューでは帽子屋が関西弁との情報もあって、ちょっとショック。立ち読みしたところ、「~した、~だった、~たのさ」というような文がとても目に付いて、あまり良い印象を受けませんでした。

出版社の人は今までとは違う「アリス」を目指したのかもしれませんが、この本はヤンソンさんのファンが復刊を望んでいたので、絵をメインに売ってほしかったです。それだったら、洋書で出版してくれた方が良かったかも。なので、買おうかどうか迷います~。

「クローディアの秘密」

2006-03-10 | 児童書
久しぶりに小説の記事。読むのにちょっと時間がかかりました~

E.L.カニグズバーグ, 松永 ふみ子, E.L. Konigsburg / 岩波書店(2000/06)
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主人公のクローディアは、4人兄弟の一番上で、一人きりの女の子。そのため、自分だけが不公平な目に遭っていました。彼女はそんな待遇やただ繰り返しの毎日が嫌になって、家出を計画!クローディアは弟の中から、口が堅く、お金持ちのジェイミーを家出のパートナーとして選び、ニューヨークのメトロポリタン美術館へ家出します。そして、隠れて生活するうちに、ミケランジェロ作とされる天使の像に出合い、そこに隠された謎を解こうとします・・・。

美術館を家出の場所に選ぶというのが、大人びていてとても格好良い☆クローディアのすごいところは、お金を貯めるなど、しっかり時間をかけて計画したところ。二人が隠れて暮らす様子も見事で、感心させられます。

最後にクローディアは大きな<秘密>を手に入れるのですが、そこで<秘密>が人に与える力について語られます。クローディアが本当に求めていたものがわかり、深く心に残りました。

外国のリアリティー小説をあまり読まない私にはちょっと難しかったのですが、改めて振り返ってみると良い作品だと思いましたっ。ニューベリー賞受賞作だし、一読の価値あり。特に、家出したいと感じている思春期の子どもたちに読んでほしいです。この作者の『魔女ジェニファとわたし』も良くできています。

美術館と言えば、ルーブル美術館を舞台にした『ダヴィンチ・コード』の文庫が10日に発売されますね。もう読んだ人も多いと思いますが、私もこの機会に挑戦してみたいです。

ナルニア国物語☆

2006-03-07 | 映画・DVD
ナルニア国物語の映画・『ライオンと魔女』を観てきました!一番前の席だったのでちょっと見にくかったですが、時間があっという間に感じるくらい楽しい作品でした

この物語の魅力は、兄弟愛が描かれているところ☆兄弟は、しっかり者のピーター(長男)に母のように優しいスーザン(長女)、いたずらっこのエドマンド(次男)、真っ直ぐな心を持ったルーシー(次女)の4人。
次男のエドマンドは魔女にだまされ、兄弟を裏切ったりしてしまうのですが、そんな彼をみんなが心配します。彼が戻ってきたときには優しく迎え、家族の絆を感じられます。戦いの場面では、エドマンドも活躍しており、見直すこと間違いなしっ。

スーザン役の少女以外は演技の経験はあるが、映画初出演とのこと。でも、どの子も自然な演技で役にぴったりという感じ。特に、末っ子ルーシーを演じたジョージー・ヘンリーは、あんなに小さいのに表情が豊かで、見入ってしまいました。

映画も良かったですが、原作もぜひ読むことをオススメします。エドマンドが魔女の味方になってしまう気持ちなど、本を読んだ方が深く感じられます。私の好きなキャラ、ビーバー夫婦も原作の方が生き生きしています

「はなをくんくん」

2006-03-04 | 絵本
今日は良いお天気でしたが、まだ寒い日が続きますね。春が待ち遠しいこの時期、オススメの絵本はこちら。

ルース・クラウス, マーク・シーモント, きじま はじめ / 福音館書店(1967/03)
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雪が降る中、地面や木の中でねむっている動物たち。やがて目を覚まし、はなをくんくんさせると、みんなかけだします。そして、ぴたりと止まった場所には・・・?

野ネズミ・クマ・かたつむり・リス・山ネズミといった動物たちがねむる姿、はなをくんくんさせる姿、かけていく姿を白と黒だけで丁寧に描いています(最後のページだけは黄色が印象的に使われていますっ)。目を覚ました動物たちはなんとも言えない表情で、とても可愛らしい☆最後のページは、生き生きした顔の動物たちが大きく描かれていて、迫力があります。

動物たちが見つけたのは<ちっちゃな春>なのですが、私たちの周りにもこんな春の知らせが届いているのかもしれませんね