ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

東証ショック

2006-01-19 | 経済・政治・社会
ネットのニュースを読んでいて我が目を疑いました。
粉飾決算の疑いで家宅捜索を受けたライブドアに端を発した「ライブドアショック」で売り注文が殺到した東京証券取引所は、昨日午後2時40分に株式全銘柄の取引を停止したというのです。通常は3時まで取引ができるというのに!

これはもう「ライブドアショック」どころか「東証ショック」!
口あんぐりでした。理由は「株式の約定件数がシステムの処理能力の限界に迫り、株式の清算業務に支障をきたす恐れがある」(日経ネットより)ということですが、こんなことがあっていいなんて!

いくら暴騰・暴落が起きてもそれは投資家の問題であって、取引所の問題ではないはず。どんな状況にあっても、彼らは公平で公正な取引が行われる場を提供するのが役目のはずなのに、「取引ができる」という当たり前のことが、こんなに簡単に覆されるなんて・・・・
本当にビックリ(((@@)))

これって、スポーツの国際試合で試合が荒れてきたために、主催者側が勝手に試合を中断してしまったようなものではないでしょうか?「これ以上荒れると危険だから」という言い訳の前に、選手も観客も言葉を失いそうです。

暴論に聞こえるかもしれませんが、元市場参加者として、システムが限界を越え、清算に支障が出る可能性があったとしても、
「そのまま突っ走るべきだったのでは?」
と思います。実際に投資家にとって甚大な不都合が生じても痛み分けであれば、より“公正・公平”だったと思います。

取引所が自ら売買を全面的に停止したのは開設以来初めてだそうですが、禁じ手中の禁じ手を使ってしまったツケは、今後長い間をかけて支払っていくことになる気がします。

システムエラーで一時的に取引ができなくなっても市場の信任は急落するものなのに、今回のように意識的に止めてしまった責任は重いでしょう。

香港でもアジア金融危機の時など、それこそ世界中から注文が殺到し、システムの処理能力が追いつかずに約定が異様に遅くなったりしたことがあったと記憶していますが、取引は続きました。

それは1987年の「ブラックマンデー」からの教訓でした。
世界中の金融市場が大混乱に陥った時、香港は先物市場を休場させてしまい、金融市場としての信任が地に落ちるという苦い経験をしていました。

「注文できない」のと「注文したけれど、できなかった(取引が成立しなかった)」というのとは根本的に違うもの。場中なのに注文が入らない恐ろしさは、まったく想定していないリスクなだけにパニックを煽ることでしょう。モラルハザードとして外国人投資家などから損害賠償請求が出そうな気さえします。

著名企業といえどもたかがマザーズの一上場企業の粉飾報道で、ここまでやってしまうなんて、本当に情けないTT なんとなく、ニッポン的な「臭い物にはふたをしろ」的な対応に思えて仕方なく、返す返すも残念です。

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