あれだけ騒がれた過激派組織の人質殺人事件は、新聞のどこを見ても載っていません。
すでに忘れ去られた過去の出来事です。
今に始まったことではありませんが、つい、のど元過ぎれば・・・・と思ってしまいます。
あの事件で一番気になったのは、ネットなどで「自己責任」が目立ったこと。
政府が行くな、と言っていることに逆らって行ったのだから、救出する必要はない。
ということなのですが、そこには幾つもおかしなことがあるような気がします。
国の制止をきかずに行って危険に出会った人を、ほんとに助けなくていいのか?
わたしはそれでも国はその人を助けるべきだと思います。
危険な冬山へ行って遭難した、自己責任だから、放っておけばいい。
たぶん、自己責任を云う人は、そう言うのでしょうね。
でも、行動の動機にかかわらず、国は個人の自由や安全を保障しないといけない。
とわたしは思うのですが、ま、いろいろ意見はあるでしょう。
逆に国がやれといったことをやらなかったらどうなのでしょうか。
国に逆らって行ったのだから、という理由づけには、自立した自己が感じられません。
それこそ、自己責任を負うための前提条件が欠けているのでは?
リスクをとって行動した結果について自ら結果責任をとることが、自己責任です。
それがいとも単純に、自業自得、という言葉と結びつくことも問題です。
自己責任という言葉が、人を非難する言葉にすり替わっているからなのでしょう。
それはまた、自己責任という言葉が身についていないことを示していると思います。