「これはもう時間の問題ですね」
行きつけの歯医者から引導を渡されてからほぼ半年。
ぐらついていた下の前歯にとうとう限界が来ました。
それが金曜日の夜のこと。
翌日、飛び込みで歯医者に行って抜いてもらいました。
火曜日まで前歯の1本が欠けたまま、名もなく歯もなくみっともないハナシ・・・・。
帰りにそばの本屋を覗いたら書棚が入れ替わっていました。
新書の棚に、前都知事の「新・堕落論」なる本が置いてありました。
「堕落論」の名に値する内容とはとても思えませんが、売れてるのでしょうか。
日曜の読書欄に「風と光と二十の私と」が出ていました。
スランプに陥ったあるデザイナーがこれを読んで勇気づけられたと書いていました。
2日続きの坂口安吾、ユングの共時性ということでしょうか。
風と光と二十の私と。
タイトルも気にいっていてわたしも何度か読み返したことがあります。
文庫本の全集から引っ張りだして再々・・・・々読してみました。
安吾が世田谷で小学校の代用教員をしていた頃のことを書いた作品です。
改めて読むと、こどもたちを見る眼が優しく、接し方が温かい。
早熟な女の子たちの行く末を思うところにも、作家ならではの眼があります。
学校教師の道徳観から、農村の人たち、宗教家の道徳観に及ぶ記述も面白い。
同僚の教師、村の大人たちの描写などにも、安吾独特のユーモアがあります。
というようにわたしがぐだぐだ書いてもつまりません。
ぜひ、ご自分の眼で読んで欲しいと思います。
文庫で20ページほどの小品、青空文庫でも読めます。
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