みかん日記

省農薬ミカン園の様子や農薬ゼミの活動内容を伝えます。

7月のゼミ

2016-08-03 23:42:21 | 告知

お久しぶりです。ブログの更新がひと月ばかり遅れてしまいました。試験が一段落したので、書けていなかった7月のゼミについて触れましょう。



7/8 映画『遺伝子組換えルーレット』を見て沸いた疑問について調べたことを共有しようの会

前回の7/1は菅野さんが書いてくださったように、映画『遺伝子組換えルーレット』を観ました。今回はその上で疑問に思ったこと、気になったことを調べてミニプレゼンをしました。今年から参加している一回生2人と中学生諸君にも発表してもらいました。

・遺伝子組換え作物の取り扱いについて定めたカルタヘナ議定書の解説
・実際に遺伝子組換えにより開発され実用化された青いバラの紹介
・生産者の視点から見た、遺伝子組換え作物の有用性についての見解
NPO 国際生命科学研究機構『遺伝子組換え食品を理解する II 』による『遺伝子組換えルーレット』の主張、データ利用に対する反駁の紹介
・『遺伝子組換えルーレット』著者 Jeffrey M. Smith 氏の経歴と研究データを利用するにあたってのリテラシーがあるかどうかの考察
・遺伝子組換え技術をどう捉えているか、京大医学部教授へのインタビュー
・モンサント社の経歴、モンサント社の株主たちの実態
厚労省『遺伝子組換え食品Q&A』の紹介
滋賀県『遺伝子組換え作物栽培指針検討委員会 論点整理』の紹介

と内容は多岐にわたり、それぞれの興味がわかり面白いです。なかでも、京大教授へインタビューを行った一回生の行動力には感服。見習わなくてはと思いました。
ひとつひとつの内容については、ここでは触れられませんが、自分の考えでは得られなかった視点を取り込むことができ、有意義な時間ではあったと思います。今後、農薬ゼミとしてどう上映会と関わっていくか、話し合っていこうと思います。

また、今回、議論中の声が小さいと指摘を受けました。改善、対策を次回以降実行していくことにしました。



7/15 農薬の科学&夏調査打ち合わせ

最初に議論中の発言は大きな声でしよう、ということを確認しました。

今回のゼミ担当は私ふじいでした。前回の担当回で JA の防除暦を解説した際、どのように農薬が作用するのか皆興味があるということだったので、『農薬の科学 ―生物制御と植物保護―』(桑野栄一、首藤義博、田村廣人ほか)を参考に、農薬の具体的な作用機構の解説を試みました。大きく分けて殺虫剤、殺菌剤、除草剤について解説したいと思っていましたが、話したい内容はてんこ盛りなうえ、受験生物を勉強したことのない人には基本的な内容から説明する必要があると感じたため、今回は内容を殺虫剤に絞りました。

まず初めはネオニコチノイドなどの神経系作用性薬剤について。高校の生物の教科書を用いて神経の仕組みの勉強してから、それぞれの薬剤が神経のどのシステムに作用するのか、違いを学びました。さらに、なぜ哺乳類には害が少ないのに昆虫には強く作用するのかという「選択性」の理由にも触れました。
エネルギー代謝阻害については難しすぎるうえ時間もなかったので概要だけ説明し、最後に脱皮ホルモン活性物質などの昆虫生育制御剤について説明して終わりました。

受験生物を履修していない一回生にはうまく伝えられたか自信がありませんでしたが、面白いと言ってもらえたのでひとまず成功だったかと思います。殺菌剤、除草剤についても夏季休暇でも利用してまとめておこうかな。また、「大きな声で」をクリアできたことも良かったことのひとつです。

後半は夏調査の打ち合わせについて、菅野さん主導で説明がありました。今年から病害虫調査ノートが新しいものに代わり、2016-2020版となります。それに伴い、新たに調査木の抽出を行う必要もありますし、ほかに何か変えるべきことはないかと議論をしました。

終わってみれば9時で、時間がかかりすぎたと反省しました。一回生には自宅生もいるのでこれは考えものです。時間をうまく操ってプレゼン進行ができるように、無駄時間が発生しないように、気をつけなければと思います。


7/22は試験期間中なので休みでした。次のブログで7/29-31の夏調査について書きます。

ふじい