みかん日記

省農薬ミカン園の様子や農薬ゼミの活動内容を伝えます。

ポジティブリストの輸入品への影響は?

2007-08-24 21:13:30 | 不定期コラム
ポジティブリスト制度とは、一定限度以上の残留を禁止する農薬を明示するのとは逆の発想で、「使用してよい(ポジティブ)農薬」だけを一覧にし、それ以外の使用を原則認めない方式のことで、去年の5月に導入されました。


(以下日経新聞7月9日日刊から引用)
「ポジティブリスト制度」を日本が導入した去年5月末以降の1年間で、検査で違反とされた輸入食品が前年同期比で8.4倍に急増したことが分った。新制度では主要国で残留基準が決まっていない農薬も0.01ppmを上回れば違反とされ、これに抵触したケースが約3割を占めた。これまでチェックされなかった農薬や添加物が海外で広く使われている実態が浮き彫りになった。


同記事に載っている安藤満富山国際大教授の意見の通り、輸入食品の安全確保にポジティブリストが有効に働いていると言ってよいでしょう。実際、日本では使われていない化学物質が農薬として使われていたりしても以前までの制度ではチェックされていなかったのです。逆にそれほどまで多岐にわたる農薬や化学物質を口に入れていたという事実は怖いですが、これからしっかりとチェックされ、今回違反件数トップであった中国の農業事情も変わればよいと思います。


ただし、ポジティブリストが通用するようになったからと言って完全に安心できるわけではないでしょう。消費者としての意見を言えば、これからも制度をすり抜けた何かしらの危険物質を使用してくる可能性も危惧されますし、なんというか信頼の置ける日本産の農産物や食品を買ったほうがいいのかもしれません。


安くより安全になった外国産を買うか、安心できるけど高い国産を買うかは消費者の選択に任されているということでしょうか。