みかん日記

省農薬ミカン園の様子や農薬ゼミの活動内容を伝えます。

バランゴンバナナ

2007-04-14 22:09:53 | ゼミ活動
4月13日(金)
4月最初のゼミです。4月は新歓の時期という事もあり、毎回単発物のゼミをすることになりました。その第一弾として私がテーマに選んだのは「バランゴンバナナ」でした

私の家には毎月、手わたしバナナくらぶを通して、バランゴンバナナという種類のバナナが届きます。幼い頃からそのバナナを食べる事が当たり前になっていて、どの様な背景があってバランゴンバナナが届けられる様になったのかを意識した事がなかったのですが、この機会に調べてみることにしました

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1980年代に国際的な砂糖価格の暴落が起こり、フィリピン産砂糖の60%を生産していたネグロス島では、仕事を失った農園労働者が深刻な飢餓に見舞われました。そうした人々を救うために日本ネグロス・キャンペーン委員会(JCNC)というNGOが設立されました。

当初は食料や医薬品の緊急救援を中心としていましたが、ネグロスの人々の自立したいという思いを受けて、JCNCはサトウキビのプランテーション経済からの解放と自力更正をめざす復興プロジェクト活動に発展しました。そして、オルター・トレード社(ATC)を設立し、生産物を市場に民衆が自ら流通させるもう一つの経済を作り、ネグロスと日本を結ぶ国際産直を始めました。その輸入業務のために設立されたのが、オルター・トレード・ジャパン(ATJ)です。

最初は「マスコバド糖」という伝統的な手作りのキビ砂糖を扱っていましたが、もともと砂糖キビは植民地農産物です。ネグロスの人々にとって自立とは砂糖キビからの解放も含まれています。そこで、新たな交易品として考えられたのがバナナでした。

バナナは育てやすく、フィリピンでは最も手と金のかからない作物です。その中でも「地元の人々の食生活や地域経済に影響を与えないもの」という観点から、フィリピンではほとんど消費されない「バランゴンバナナ」が選ばれました

日本が発展途上の国に嫌われる理由の一つに、そこの食生活の事を考慮に入れないという事がありました。例えば日本の漁船がフィリピン沿岸の魚を根こそぎに取っていけば、現地の人々は何を食べれば良いのでしょうか?そういった意味で「地元の人々の食生活や地域経済に影響を与えない」という点を重視したのはとても意味がある事ですね

また、バランゴンバナナは日本人が美味しいと感じる味でした。当初、消費者がバランゴンバナナを購入した理由には、支援の意味があったのでしょうが、今でもずっと購入されている理由として、美味しいと感じられるバナナだったからという事が大きいのではないのでしょうか

実際に私の家庭以外にもバランゴンバナナを購入しているメンバーがいましたが、やはりその背景を知らずに生協で扱っているという理由だけで買ってみたら美味しかったから、それ以来購入し続けているというメンバーもいました

今回はJCNC、ATC、ATJの関係が良く分からないままゼミを始めてしまったのですが、先生のアドバイスもあり、JCNCは農薬ゼミ、ATCは仲田さん、ATJは農薬ゼミのみかん販売部門と置き換えて考えてみれば関係が分かってきた様な気がします

発表には、ATJの本「台所からアジアを見よう バナナ」と、JCNC 日本ネグロス・キャンペーン委員会のHPやATJ 株式会社オルター・トレード・ジャパンのHPを参考にしました。バランゴンバナナやネグロス島について詳しい事を知りたい方はこれらのHPをぜひご覧になって下さい


オガワ