山口市を主な舞台に活動する「明日を紡ぐ大地の会」福島久嘉さんから
中村敦夫朗読劇公演に向かって、シナリオを読まれた感想とアピールが寄せられ、昨日8月11日の金曜ウォークで配布・紹介されました。(原文は縦書き)
あらためて、中村敦夫朗読劇「線量計が鳴る」の取り組みの大切さを示しています。
会員・読者のみなさんの取り組みの一助となれば幸いです。
以下は、同文のテキストです。
~~~~~~~~~~
国民必見の熱情ドラマ
――朗読劇『線量計が鳴る』に寄せて
中村敦夫さんが、福島原子力発電所の事故の本質を暴き、国民総決起を訴える朗読劇『線量計が鳴る』を創作し、全国で公演している。中村さんは国民から愛されている著名な俳優であり、環境問題を中心に日本の社会の変革を訴える政治活動家であり、日本ペンクラブの環境委員を務める作家でもある。
その中村さんが、愛する祖国日本の為に、敢然と、命をかけてこの劇を書き、演じ続けている。被災した県民になり代わって、その辛酸な体験をあますところなく語り伝え、「原発は百害あって一利なし、どころか、諸悪の根源である」ことを、事実に基づいて徹底的に暴きだしている。
中村さんは先の戦争のとき、戦火を避けていわき市に疎開し、小中学校時代を福島県で過ごした。福島県は第二のふるさとである。美しいふるさと。稔り豊かな、人情溢れるふるさと。そのふるさとが、いま、あの戦争の時と同じように、(東京空襲や沖縄戦や広島・長崎で被爆した人々と同じように)、いや、ある意味ではそれ以上深刻な悲惨な状況に落しこまれている実際を、中村さんは、もうこれ以上座視することが出来ないと、決起されたのだろう。
劇は、主人公のこんなセリフから始まる。
「オレ? ンだなあ、罪深い亡霊みでえなもんか。悪気はねがったけんど、結果的には大勢の人の不幸に加担しちまったわけだ。なんせ三五年間も、福島原発で配管技師として働いで来たんだから。『原発は安全だ、安全だァ』って自分も他人も騙くらがして飯食ってきたんだがらな。」……
主人公のこの痛恨の心情は、かつて戦地に駆り出され、兵士として侵略戦争にかり立てられたわれわれの父親世代の、屈折した心情を想起させる。
劇は主人公が、人々を不幸のどん底に突き落とした原発事故の根源と背景を一歩一歩突き止めていく過程で このたたかいが原発問題だけにとどまらず、日本社会を根元から変えていく大きなたたかいであると確信するまでのプロセスを骨太に描いている。
「口をつぐんではいけない! 」
この劇は、誠実な一人の日本人の歴史的な覚醒のドラマとして大きな意義を持っている。国民必見の熱情ドラマである。
(「明日を紡ぐ大地の会」福島久嘉)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます