いのち・未来 うべ

わたしたちは、原発のない安全な未来を
子どもたちに残すことを願って活動しています

【動画紹介】チェルノブイリで今も残る健康被害

2017年07月31日 | 情報

報道特集の番組から。

チェルノブイリで今も残る健康被害20170729
報道特集


ここにアップされていたので見ました。26分。
http://www.dailymotion.com/video/x5v8s53

石棺を覆うシエルターが写っていました。
核廃棄物デブリをどう処理したらいいか、全く予測も計画もたっていないことが語られていて、シェルターが100年もつとことだけは確かだと投げやりな感じでインタビューに答えていました。

現地と日本の共同研究が行われていること、
阿武隈山地のヤマメなどの調査も行われていると言っていました。
問題は、甲状腺がんが30年たって増えていることです。
手術が立て込んでいることが報道されています。
また、血管循環器系の病気も増えていて、放射能との因果関係を特定できず悩んでいることも伝えています。

こんな発言もありました。
「もういい加減チェルノブイリのことは飽いたからやめてほしいと言われたことがあった。そこへ福島の原発事故が起こった。これで問題を放り出すことはできない、もっと調査を続けなければ・・・」(要旨)

見ていない人はぜひどうぞ。 (あ)

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【寄稿】新松浦漁協の海上デモで思うこと

2017年07月25日 | 情報

【寄稿】

新松浦漁協の海上デモで思うこと

   ~生活の海を守るのか、みんなの海を金で売り渡すのか~

 

 

 715日午前、長崎県の新松浦漁協のみなさんは、漁船など66隻に220人が乗って、玄海原発前で抗議の海上デモを行い、陸でも抗議の申し入れを行いました。以下報道記事です。


  鷹島地区活性化協議会代表の渡辺勝美さん(62)はテーブルを囲む若手漁師約15人を見やり「島の子供たちのためにやること。じっと眺めて再稼働させるのではなく、生活がかかっていることを伝えなければ」と決意を語りました。 (毎日新聞713日)

 志水正司組合長は海上デモに合わせて陸路で玄海原発に向かい、九電に抗議文を提出。隣接する展示施設「玄海エネルギーパーク」で「玄海原発に万が一、事故が起き、高濃度の放射性物質の飛散、高濃度の放射能汚染水の流出があれば、風評被害を受けての不買等で新松浦漁協は壊滅的な被害を受けることは必定」と抗議文を読み上げ、九電の担当者に手渡した。(朝日新聞715日)

 

 いのち・未来うべの会員の岡本正彰さんと私は、413日佐賀県議会へ玄海原発の再稼働反対を訴えに行ったときに、足を延ばして長崎県鷹島にある新松浦漁協を訪ねました。鷹島は、玄海町側から橋一本でつながっているだけで避難計画は立てようもないところでした。

 また漁協の本店は、鷹島の漁場の現場に近い加工場と一緒にありました。

 本店の壁には、「再稼働絶対反対」と書いてありました。(写真参照)

 

 私たちは、漁協が海と漁民のみなさんの生活に密着していること、だからこそ生活の海を守ることに真剣であることを深く感じました。

 ひるがえって、山口県ではどうでしょうか。

 山口県漁協の本店は、下関市にあり、大きなビルを構えています。

 本店のホームページには、上関原発についての見解も、福島の原発事故でどれほど海が汚染されたのかについての情報もありません。

 何も書いていないことは、原発に中立的な立場ということなのでしょうか?

 とんでもありません。

 上関原発推進のために県下の漁協に原発受入を指導し、瀬戸内海を金で売り渡す漁業補償金を受取り、あまつさえ、目の前38キロが計画地で35年に渡って原発反対を貫いている祝島漁協(現、祝島支店)に対してさまざまな分断策を弄して無理やり補償金を受け取らせようとしています。

 本店役員は、まるで中国電力の代理人、原発推進の旗振り役です。

 日本海側で田万川町(現、萩市)萩市三見、豊北町(現、下関市)の計画を中止させた漁民の声、漁協の心はどこへ消えたのでしょうか。

 福島の原発事故の収束はいまだ何も進んでいません。

 新しく就任した川村隆・東電会長が「トリチュームを福島沖に放流する」と言って、福島県漁協、原子力規制委員会からさえ、強い抗議を受けているのが現状です。一度、事故を起こせば解決策はなく海は放射能で殺されてしまうのです。

  海は、みんなのものです。長崎県の新松浦漁協のみなさんに続きましょう。

 瀬戸内海を死の海にする上関原発計画を止めましょう。

               (2017/07/20 安藤 公門) 

 

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【スラップ裁判】8/30報告集会があります!

2016年08月28日 | 情報

6年8ヶ月つづいた上関原発埋め立て工事のスラップ裁判の締めくくり、
和解期日が明日になりました!

8月30日(火)14時から、山口地方裁判所であります。

http://kaminoseki-genpatsu-slapp.jimdo.com/slapp裁判の日程/

しかし、非公開ですので、関係者以外は協議会場に入ることはできません。

協議の結果報告集会が、山口地裁向かいの林業会館であります。


もう和解は決定するようで、下記の新聞記事が出ています。

中国新聞2016年8月27日


広島から被告を支援している仲間も大勢やってきます!!

 広島のみなさんの取り組み。

 【明日の予定】

 12:30 山口県庁前

 13:00 要望書手渡し予定

13:45 山口地方裁判所前 送り出し

14:30 裁判所向かいの林業会館にて

      裁判報告集会

17:00 までに終了

  https://www.facebook.com/kaminosekigenpatsu.slapp/?pnref=story

 

山口県知事が埋め立て許可を中国電力に交付したばかりですので、和解といってもホッとはできない気持ちですが・・・。

山口県民の上関原発反対派も、広島の皆さんと一緒に、県庁前に集まりましょう!!


 

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【アピールの紹介】 最大級の負の遺産を増やすアベ政治は退場を!大久保芙美子さんさんのスピーチ。

2015年07月20日 | 情報

すでにお知らせしまた澤地久枝さんが呼びかけた7月18日の全国一斉アピール

山口県では、萩市、下関市、山口市、周南市、柳井市などで行われたとのことです。

宇部市では、宇部井筒屋前に、

緊急の呼びかけにもかかわらず、40人もの人々が駆けつけました。

 

 

呼びかけ人の堀田雅子さんが、「アベ政治を許さない」と書いたポスターを掲げ、三度の掛け声でスタート。

そのあと、次々とハンドマイクを使ってリレートークが行われました。

10人近い人が、それぞれの意見を述べました。

今回は、いのち・未来うべで、脱原発の活動を行っている大久保芙美子さんのアピールを掲載します。

福島の事故の責任を曖昧にしない立場、原発も戦争もない社会を望むアピールです。

                    (転載歓迎)

==============

 

       最大級の負の遺産を増やすアベ政治は退場を!

 

 皆さんこんにちわ~!!

 私は「いのち・未来 うべ」で脱原発活動をしている大久保と申します。

 今日は、ここで何を話そうかとあれこれ考えてきましたが、まとまらないままここに立っています。

  安倍政権が発足して以来、独裁者の暴走ブリに怒りがこみ上げて脳天に到達しています。

 

 さて、福島第一原発事故は4年たっても未だ収束の見通しもたたない有様です。

原発事故現場では放射能で汚染された地下水や雨水の遮断がうまくいかず、漏れて海へ流れ、溶けた核燃料棒を回収しようにも線量が高くて近づくことが出来ず、実態すら伺うことができない状態です。この地獄のような作業現場での被曝と先の見えない廃炉への道のりが続いています。こんな過酷事故は発電所では原発でしか起こりません。

 また被災者の家族が分断されたり、補償金打切りを盾に放射能がまだ残る地域への帰還を促したり、汚染土がうず高く積まれた地域での暮らしなど、生活の目途もたっていない十数万人もの方々が難民生活を強いられています。

 そして、トイレなきマンションの例えでいわれる、使用済み核燃料棒の最終処分方法も決まっていません。

  そのような中で、負の遺産を増やそうとし続ける安倍政権です。

 現在でも、ギリシャに次ぐ負債を背負っている我が国の状況を無視した政策を進める安倍政権に「退場」と叫びたい。

 アベノミクスという大企業優先政策、特定機密保護法という言論弾圧政策、貧困率を引き上げる雇用制度、懲りない年金組織による年金破綻への道筋をつけ、

 そして憲法をないがしろにした安保関連法案という最大級の負の遺産!!です。

 3.11の経験すら反古にする、原発回帰政策が未来志向のエネルギー政策へ転換できる機会を捨て去るこれもまた最大級の負の遺産!!です。

  安倍さんは心地良い言葉をやたらと使います。いつの時代もどこの国も戦争を始める時、「戦争しよう!! そして侵略しよう!!」なんてことは決して言いません。「世界の安全と平和」「国民の安全と平和」「世界秩序を守るため」なんて耳触りの言葉です。

 これって嘗て原発の安全神話でも「安全・安心」クリーンなエネルギーというキャッチコピーが頭の中を占領しましたよね。

 心地よい言葉の本音を一市民のビビッくる直観力でウソを見抜いて、「退場」と声を上げていきましょう。

 反則だらけで、負の遺産づくりを進める安倍晋三に未来は託せません!!

 安倍さんを政権の座から引きずり下ろしましょう。「安倍さん 退場!!」 

   ありがとうございました。

===================

 

 

 

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【3.21】の報告、第2弾(武藤類子さんスピーチ文字起こし)

2015年04月06日 | 情報

たいへん遅ればせながら、

3月21日に行われた『上関原発を建てさせない山口県民大集会』の、動画が次々とアップされていたので、お知らせします。

共同代表の那須正幹さんのスピーチです。

 

続いて、弁護士の田川章次さんスピーチです。

 

引き続き、祝島の上関原発を建てさせない祝島島民の会代表の清水敏保さん、スラップ裁判で訴えられているカヤック隊の岡田和樹さん、長島の自然を守る会の高島美登里さん、祝島市場の山戸孝さんのご挨拶と続きます。

 

また、3月21日の『上関原発を建てさせない山口県民大集会』での、武藤類子さんのお話は、福島から遠く離れた私たちには、とても勉強になるものでした。

前回に動画を紹介しましたが、動画では聞き逃したことがあるとお考えのみなさんに、動画を文字起こししました。

動画はこちらです。

 

《武藤類子さんスピーチ 文字起こし》

皆さん、おはようございます。「上関原発を建てさせない山口県民大集会」にお集まりくださいまして、本当にありがとうございます。

私は、福島県の三春町というところから参りました、武藤類子と申します。

祝島の皆さんを初めとして、上関原発建設に反対し、本当に長い間、厳しい戦いをしてこられた皆さんを心から尊敬いたします。そして感謝したいと思います。祝島の皆さん、ありがとうございます。(拍手)そして山口県民の皆さん、県外から支援されている皆さん、本当にありがとうございます。(拍手)

私は1986年のチェルノブイリ原発事故が起きたときから、原発の反対運動を細々としてまいりましたけれども、福島原発が事故を起こしたことにより、日本中の原発がとまると思いました。しかし、たった4年、たった4年の間に、また原発の再稼働、原発新設、そして原発の輸出までもがもくろまれようとしています。このありさまを呆然とした思いでながめています。

福島原発事故は、いまだに何一つ解決されていません。きょうは、原発事故から4年たった福島の現状を皆さんにお聞きいただきたいと思います。

事故を起こした福島原発からは、今も1時間に1,000万ベクレルの放射性物質が空気中に放出されています。そして、海にも「京」という天文学的な数値の放射性物質が流されてきました。

原発のサイト内では、1日約7,000人の作業員の方々が過酷な被曝労働をしています。もともと、原発労働は多重な下請け構造の中にありましたが、事故後にさらに多重化し、賃金搾取や劣悪な環境の中での労働が強いられています。原発作業員は被曝限度を超えると働けなくなるため、ベテランの作業員がいなくなり、原発労働の未経験者がたくさんサイト内で働いています。そのために、先月、相次いで2件の死亡事故が起きてしまいました。また、労働力の確保のために、被曝線量限度の引き上げも今もくろまれようとしています。

そして、汚染水の問題が深刻さを増しています。

 汚染水対策のおくれから、高濃度の汚染水が海に漏れ出し、海を汚し続けています。

安倍首相がオリンピック誘致のときに、「福島の汚染水は完全にコントロールされている。港湾内でブロックされている。」と言いましたけれども、それは真っ赤なうそです。毎日、冷却するために原子炉に注がれる水や建屋に流れ込む地下水は、タンクに収納し切れず、海に流れ出ています。また、そのタンクからも地面への汚染水の漏洩事故がありました。

 つい先月には、2号機の屋根にたまった放射性物質が、雨に混じって排水路を通って外洋に流れ出ていたことが発覚しました。東京電力はそのことを知りながら、1年近くも公表してはいませんでした。規制委員会もその事実を知りながら、きちんと指導しませんでした。東電と国の隠蔽と無責任体質は、事故の前も事故の後も変わっていません。

昨年、その排水路からの汚染水が流れ出たころに、いわき市の海水浴場が解禁となり、何も知らない子供たちが海で泳いでいました。

2011年の終わりごろ、原発事故の収束宣言が出され、国は「除染・帰還・復興」という路線に入りました。福島県内のあちこちで除染が始まりましたが、除染廃棄物が人々の生活圏に山積みにされています。あるいは、校庭や庭や公園に埋められています。その上に土をかぶせ、人々は暮らしています。

除染労働もまた深刻な被曝労働です。15歳の少年が日当3,000円で労働させられていたという事件もありました。莫大な資金が投入される除染の利権は、原発でもうけた大手企業にあります。しかし、一度の除染では、十分に線量の下がらない場所がたくさんあります。一度下がった線量も雨が降ると、また放射性物質が流れ込み、落ち葉などがたまるところは再び線量が上がってしまいます。

帰還政策は、まだ十分に線量が下がらない地区に人々を帰していきます。国は、除染の目標を「年間1ミリシーベルト以下を目指す」と言いましたけれども、いつの間にか「20ミリシーベルト以下は安全だ」という論理にすりかえられてしまいました。

環境省は、「場の線量」から「人の線量へ」などと言い出し、必要ならば積算線量計を貸し出すので自分で管理をしなさい、ということを言っています。

避難区域が解除されると、小・中学校もまた元の場所に戻っていきます。学校は除染されていますが、通学路には線量の高いところもあります。まだ避難地に家のある子供たちは、バスに乗って40分もかけて元の学校に通っています。

 子供たちの学校給食は、事故直後、県内産の食材は使わないところも多かったのですけれども、今はほとんど地産地消に戻っています。学校には確かに食品測定器が置かれていますが、子供たちの食の安全を考えると、放射性物質の一切入っていないものを食べさせるべきだと思います。

学校では、今、外での体育や運動会、プールが当たり前のように行われています。マラソン大会や駅伝なども行われています。

2011年の4月6日、福島県内ではどの学校でも入学式が行われました。たくさんの子供たちが避難先から戻ってきました。この国の子供に対する人権感覚のなさを痛切に感じています。

昨年からことしにかけて、帰還困難区域を通る高速道路や国道6号線が開通しました。そこでは、車中でも毎時4~7マイクロシーベルトの地域をたくさんの車が行き交っています。子供たちが通ってはいけないという決まりはありません。

「つながる想い、つながる笑顔」という標語が、車の窓から顔を出す子供たちの笑顔の写真とともに、ポスターとなって県内に貼られています。

8,000ベクレル以上の農林関係の放射性廃棄物の減容化施設が建設されています。もともと焼却炉は、放射性物質が100ベクレル以下のものしか焼却できないことになっていました。しかし、原発事故後、急に8,000ベクレルまでは普通の焼却場で燃やしていいという決まりになりました。

 しかし、8,000ベクレル以上の農林関係の廃棄物には、特別の焼却炉が今つくられています。県内に20個つくられていますが、これらの焼却炉は、1基500億円や600億円もする巨大なものです。しかし、燃やすべきものを燃やし終えたら解体してしまうという仮設の焼却炉です。解体された後は巨大な放射性のごみとなるでしょう。

さらに、仮設であることから、環境影響評価という、環境にどんな影響があるかというアセスメントはしなくてもいい、ということになっています。 放射性ゴミの焼却は本当に安全なのか、灰に凝縮された高濃度の放射性物質をどのように管理していくのか、周辺住民への説明は尽くされているのかなど、とても問題の多い施設だと思っています。

当初は、燃やすべきごみを想定して焼却炉の数や規模を決めたはずなのに、後のアンケートにより、燃やすべきごみが最初の想定の7分の1だったことがわかりました。焼却炉の受注は三菱、日立、石川島播磨など、やはり原発でもうけた大手企業です。原発の前も後も利権構造は変わりません。避難区域が解除されて帰る場所にも焼却炉がつくられる例や、地権者の承諾もなしに建設されている例もあります。しかし、それに対し、小さいながらも各地で反対運動が起きています。

  現在、大熊町や双葉町に建設中の除染廃棄物の中間貯蔵施設は、住民への十分な説明もないままに推し進められようとしています。30年後にこの廃棄物は県外移設されると言われていますけれども、福島県で出た放射性の廃棄物をほかの土地に持っていくということを私はとても耐えられない思いでいます。引き受けるところもないと思っています。

 

 最も心配されるのは子供たちの健康被害です。福島県県民健康調査による甲状腺検査では、原発事故当時18歳以下の約37万人のうち、30万人が検査を受けました。ことしの2月12日の発表では、甲状腺がんと確定診断された子供が86人、がんの疑いが24人でした。そのうち1人は良性でした。現在、本格検査と言われている二巡目の検査が行われています。これまでで約10万人が検査を受けました。新たに1人が甲状腺がん、7人が甲状腺がんの疑いとされています。3月24日にはまた新たな検査結果が発表されます。

福島県県民健康調査は、今回の原発事故と甲状腺がんとの因果関係は考えにくいと言っていますが、果たしてそうなのでしょうか。疫学の研究者の中には、これは多発であるという意見もあります。子供の健康に関しては予防原則に立ち、治療を伴う詳細な健康調査と被曝低減策が必要だと思います。

 今、全国の心ある皆さんが福島の子供たちの保養を受け入れてくださっています。けれども、それは全ての子供たちには行き渡らない現状です。2012年に「子ども・被災者支援法」が制定されましたが、予算もつかず、具体的な方策は立てられていません。結果的にはこの支援法は骨抜きにされてしまい、制度としての子供たちの保養は行われていないというのが現状です。

 しかも、福島県内では帰還政策のもとで放射能安全キャンペーンが行われているために、放射能に対する不安を声に出しにくい状況があります。例えば放射能教育という名のもとに、自然界にも放射能はある、飛行機に乗っても被曝をする、放射能は医学にも寄与しているなどという安全プロパガンダが、あちらこちらで子供たちを対象に行われています。

 私の住む三春町には、人々に対して放射能教育を行うという「環境創造センター」なるものが建設されています。そこには、JAEA、そして国立環境研究所が運営母体としてあります。そして、IAEAもそこに事務局を置くことになっています。

 

福島をじっと見ていると、日本という国家のあり方が見えてきます。原発事故前には自然豊かで美しかった私のふるさと福島は、現在、まるで戦場のように感じます。機関銃やミサイルはありませんが、人々の健康や命がじわじわと脅かされていきます。国の政策や方向に不安や疑問を持つ人の口は封じられていきます。地域の人々の関係性はバラバラにされていきます。今、福島で起きていることは、やがて日本のどこでも起こり得ることだと思います。

 

 福島原発事故が私たちから奪うものは生きる尊厳そのものです。私は、原発事故の責任がきちんと問われていないことがその一つの原因だと思います。

  私たちは2012年に福島原発告訴団を結成しました。国と東電の刑事責任を問うために、東京電力の幹部、それから国の経産省の役人、そして御用学者と言われる人たちを告訴しました。しかし、2013年9月、東京地検により、この告訴は被疑者全員が不起訴となりました。

  私たちは直ちに、東電の6人に被疑者を絞って検察審査会というところに申し立てをしました。翌2014年7月、検察審査会は、東電トップ3名を起訴相当と議決しました。検察審査会というのは、一般市民11人が選ばれて、検察が出した処分が本当に妥当かどうかということを審査する機関です。その検察審査会が3名を起訴相当としましたが、東京地検は再び再捜査のもとに、ことし1月22日に再び3名を不起訴としました。事件は現在、また検察審査会に戻って審議されています。検察審査会において再び起訴相当の議決が出れば、強制起訴となり、ようやく刑事裁判が開かれます。

  東京電力は、大津波が来ること、大きな地震が来ることを予見していました。しかし、その事実を隠し、対策を怠ってきたのです。その結果、このような甚大な被害を人々に及ぼしながら、誰一人今も責任は問われていません。私たちの告訴の目的は、二度と悲劇を繰り返さないために、なぜこんな事故が起きてしまったのかを明らかにすることにあります。ぜひ告訴の行方にご注目ください。

  また、吉田調書を初めとした政府事故調の調書の開示によって、津波が来ることを予見していながら、その事実を隠し、対策を怠ってきた具体的な人物が特定されてきました。私たちは、ことし1月から新たに東電と旧保安院の国の官僚を新告訴しています。そして、現在、全国の皆様にも、告訴人となり、ともに責任追及をしてくださることを呼びかけています。きょうも、マルシェのP5、6のブースに新しい告訴の委任状セットというものを置いてあります。今、下で掲げている茶色い封筒です。どうかこの告訴セットをお持ちになって、皆さんも告訴人の一人になって、ともに国や東電の責任を追及してください。よろしくお願いいたします。(拍手)

 

それから、署名のお願いをいたします。

  一つは、「原発事故被害者の住宅・健康・保養支援の立法化と完全賠償の実現を求める請願署名」です。先ほど申し上げた、「子ども・被災者支援法」が骨抜きにされ、形骸化されてしまっている中で、非常に困っている被害者たちの住宅問題、それから子供たちの健康問題、保養支援の立法化が急がれます。それについての署名をどうぞよろしくお願いいたします。

  それからもう一つ、原発のある双葉町に掲げられている「原子力 明るい未来のエネルギー」という原発のPR看板をご存じでしょうか。これは、現在、双葉町から埼玉県に避難されている大沼勇治さんという方が、小学生のときに応募して採用された標語です。この看板が老朽化を理由に撤去されようとしています。しかし、大沼さんは、原発を推進してきた負の遺産として現場に残すべきだと考え、双葉町長や町議会に向けての請願署名を集めています。これもマルシェのブースに置いてあります。ぜひともご協力をお願いいたします。

 

それから、映画の宣伝を2つさせてください。私たち原発告訴団の弁護士・河合弘之がつくりました『日本と原発』という映画があります。これは、原発がどのようにつくられてきたか、どんな問題があるか、そして、どうしてなくしていかなければならないかということが大変わかりやすく描かれている映画です。ぜひこの映画を上映してください。そして、ごらんになってください。

  それからもう一つ、鎌仲ひとみ監督の『小さき声のカノン』という映画があります。この映画も、子供たちの健康被害や保養の必要性について非常に重要な提言をしています。ぜひこちらもごらんください。

  実は、この中でスモルニコワさんというベラルーシのお医者さんが出てくるんですけれども、その方の声の吹きかえを私がやっています。初めての経験で、とても上ずったり、一人なまっているのが私の声なんです。聞いていただけるとわかると思うんですけれども。ぜひともこの映画もごらんになってください。

  さて、今回の原発事故は、若い人や子供たち、そして未来世代の人々に膨大な放射性のごみと負の遺産を残しました。さらに、人類だけでなく、たくさんのほかの生き物たちの命も巻き込みました。私たちは地球に生きる生き物として、この事故について深く考えていかなければならないと思います。川内原発を初めとする原発の再稼働への動きや上関原発計画を推進していく動きは、福島原発事故の悲劇をあざ笑う行為です。

私たちは、どうしたら原発をなくし、あらゆる命が尊重され、一人一人が大切にされる世界をつくっていけるのかを考えていかなければならないと思います。

それには、「自分の頭で考え、自分にできる行動を一人一人がしていく」ことだと思います。福島原発事故を経験した私たちと上関原発建設計画に反対する皆さんとが手をつなぎ、力を合わせ、原発のない新しい世界をつくっていきましょう。

 きょうの集会が新しいつながりの一歩となりますように。皆さん、長い間聞いてくださいまして、どうもありがとうございました。(拍手)

 

《4月「いのち・未来 うべ」市民学習会のお知らせ》

●4月17日(金)

 テーマ:上関原発用地埋立禁止住民訴訟について

 講師:小畑太作さん(訴訟団代表、緑橋教会牧師)


いずれも、時間は19時~20時半、参加費は100円、場所は宇部市役所裏の緑橋教会2階です。

ご興味のある方は、どなたでも参加できますので、どうぞご参加ください。

その前にある脱原発を訴える『金曜ウォーク』(宇部市役所前18時集合。サイレントアピール。)にも、

ご都合がよろしければ、ご参加ください。

問合せ:080-6331-0960(安藤)

 


※お詫び

弁護士の田川さんの動画が抜けていたので、追加しました。

たいへん失礼しました。

(み)



 

 

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【短信】岩波「科学」WEB 川内原発パブリックコメントを公開。

2014年09月17日 | 情報

川内原発再稼働をめぐるパブリックコメント

岩波「科学」編集部に広瀬隆さんなど、寄稿されたものが、公開されています。

他に、9月号は、再稼働を特集しています。

 

川内原発審査書案/原発再稼働への市民からの意見書

http://www.iwanami.co.jp/kagaku/20140810.html

 

ご参考に。

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怒りのブルドーザー・デモ 渋谷&沖縄の高校生たち

2014年08月03日 | 情報

8月2日、東京・渋谷で、安倍政権に反対するデモが、行われました。

い人たちが、声をあげ始めました!!

「家を出て、パソコン閉じて、身振り手振りで伝えよう~!!」

 
2分45秒あたりからの若者の発言が心に残ります。

ブルドーザーとは、考えましたね!
歩くスピードに合わせやすい。
トラクターとか軽トラでもいいかもしれませんね。

このデモには、若い人だけでなく老若男女、あらゆる世代が参加しています!!

みんな、安倍内閣(アブナイカク)に不安を通り越して、怒りを感じているようですね。


しかし、若い人たちは、出来るだけ早く、放射能汚染の心配な首都圏を離れて欲しい、とも思います。

反安倍政権デモは、名古屋、京都、大阪でも、ちょこちょこやっているようですね。

東京だけでなく、関西以西の若者たちもいっしょに声を上げましょう~!

さぁ、私たち山口県民も、そろそろ声を上げましょう~!!

渋谷を席巻した「怒りのブルドーザーデモ」~「安倍やめろ」のコールやまず
http://bit.ly/1nXXHus


沖縄の高校生たちは、「集団的自衛権」に対してとても敏感です。

「集団的自衛権」が閣議決定された頃、生徒の方から、

「授業どころじゃないよ。戦争に行きたくない。この話をしよう。」と提案してきたそうです。

第二次世界大戦で、地獄さながらの体験をさせられた沖縄ですから、きっと、おじぃやおばぁから悲惨な体験を聞いている子供もいることでしょう。

若い人たちの命を、まるで機械の部品のようにしか考えていない安倍政権に対し、私たち大人はどうすればいいのか、みんなで考え、行動しましょう!!


(み)

 

 

 

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今、『報道ステーション』が凄い!!&パブコメ情報

2014年08月02日 | 情報

毎日、見ている訳ではないですが、最近のテレビ朝日の『報道ステーション』は、私たちが知りたいことを報道してくれています。

安倍総理がやたらと言っている「世界最高の安全基準」というのが、実は、大嘘だったということを暴露しました!!
『原発の”世界最高基準”。驚きの現実・・・日本は遅れていた』

http://bit.ly/1tG0coD

しかし、「報道ステーション」のメインキャスターの古館伊知郎さんが、降ろされるかもという噂が、流れています。
『腹をくくって「再稼働」に反対を唱えているテレ朝・報道ステの古舘伊知郎氏を守ろう』小坂正則氏のブログ
http://nonukes.exblog.jp/20951341/


私たちも報道ステーションの古館さんを応援しましょう~!!
応援の方法は、まずは「報道ステーション」を、よく見る。
そしてテレビ朝日に、「報道ステーションは、古館さんで続けて欲しい」とお願いをしてはいかがでしょうか?
http://www.tv-asahi.co.jp/contact/


実は、今、日本の『知る権利』について、国連からも勧告されています。

『知る権利の保障を 国連の委員会が日本に勧告』

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140725/k10013275761000.html


ちなみに、世界の放送の自由度ランキングですが、なんと、先進国である日本は、59位!!しかも安倍政権になるたびに酷くなっています!
放送の自由度ランキング.JPG
その中で、古館さんは、一生懸命、真実を伝えようと、孤軍奮闘されているのです!!

その上に、日本は人権についても勧告されているのですよ。
NGO「国連の人権改善勧告 速やかに実行を」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140725/k10013301181000.html
日本って、本当に先進国なのかどうか、疑わしい気が私はします。


今、川内原発(鹿児島県)について、パブリックコメントを募集しています。(締切8月15日)

今、川内原発再稼働について、パブリックコメントを募集しています。
原子力規制委員会委員長の田中俊一氏が安全とは言えないと言っていること、避難計画があやふやなことにもかかわらず、再稼働しようとしていることをよ~く考えて、パブコメを送りましょう~!!
九州電力株式会社川内原子力発電所1号炉及び2号炉の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案に対する科学的・技術的意見の募集について(締切8月15日)
http://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu140716.html

 

●また更に、特定秘密保護法についても、今、パブリックコメントを募集しています。(締切8月24日

http://fujisawa.boy.jp/PUB-COMME/


皆さん、パブコメは難しく考えることはありません。ご自分の意見を書いて送ればいいのです!!

ドンドン送りましょう~!!


(み)

 



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米ヤンキー原発、廃炉決定までの道のり

2014年06月07日 | 情報

先日、某公共放送BSで、アメリカで唯一、原発の廃炉が決まったヤンキー原発のことを追ったドキュメンタリーを放送しました。

ヤンキー原発 閉鎖 ~米・バーモント州 5年の記録」(50分)

http://www.dailymotion.com/video/x1xwzvy_%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%BC%E5%8E%9F%E7%99%BA-%E9%96%89%E9%8E%96-%E7%B1%B3-%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E5%B7%9E-%EF%BC%95%E5%B9%B4%E3%81%AE%E8%A8%98%E9%8C%B2_news

去年夏、米国で福島第1原発と同じ型の原子炉を持つ原発の閉鎖が決まった。バーモント州にあるバーモントヤンキー原発。老朽化による汚染水漏れなどにより、運転延長への反対運動が起きていたが、福島の事故後、論争が過熱した。40年間の運転免許が切れる2012年に閉鎖すべきだとする住民と州政府。反発する電力会社は州を告訴した。原発閉鎖はどのような経緯をたどったのか…その過程を米国人監督が追った。


アメリカでも、唯一、バーモント州だけが、原発の再稼働もしくは廃炉の決定を下す条例を持っているのだそうです。

あの自由民主主義といわれるアメリカでも、バーモント州しか、その条例がないそうです。

そして、やはり原発立地圏において、原発推進派がかなり居ることも、日本と同じです。

しかし、そこでの市民活動には目を見張るものがあります!!

市民も積極的に勉強し、粘り強く反対し続けること、そのことの重要さが理解できると思います。

「本当の民主主義とは」と、改めて考える材料になると思います。

どうぞ、ご覧ください。

 

 

 

 

 

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「原発再稼動でも事故が起きたら即避難できるの?」 前編 2014.03.13

2014年03月23日 | 情報

テレビ番組「そもそも総研」からアップします。

原発問題とマスコミ不信は、切っても切れない関係にありますが、

こんな優れた番組も数は少ないですがあります。

原発の再稼働の是非を判断する材料として活用したいです。

 

避難計画を立案するのは、自治体に任せられています。

責任は、誰にあるのか?

政府なのか、規制委員会なのか、電力会社なのか。

そもそも、原発事故は地震と連動しています。

そのとき、水道は、下水道は、電気は?

肝心の道路は、普通に走れるのか。

 

 

「すべての道路が使えるとして」という条件は、想定していいのか!


もう一つの大きな問題は、そもそも、30キロ圏内だけを問題にしていて、いいのか、ということがあります。


 

原発再稼動でも事故が起きたら即避難できるの? 前編 2014.03.13

 

後編では、原子力規制委員会とは、そもそもなにか、どんな役割をするのか、に踏み込んでいます。

 

このテーマは、私たちも、4月4日(金)の金曜学習会でも、取り上げる予定です。

 

金曜行動の当面の予定

3月28日(金) 金曜ウォーク 宇部市役所前午後6時 

                   山口県庁午後5時集合

                   市民研究会はお休みです。

4月 4日(金) 金曜ウォーク 宇部市役所前6時集合

          市民研究会  再稼働と原子力規制委員会の役割(副代表・浜野勝さん)

4月11日(金) 金曜ウォーク 宇部市役所前6時集合

          市民研究会 「地震・防災と原発事故」 (専門家の講演) 

4月18日(金) 金曜ウォーク 宇部市役所前6時集合

          市民研究会 脆性破壊と玄海原発 (専門家の講演予定)

市民研究会は、午後7時から 市役所裏緑橋教会2階です。

参加費(会場代)は、100円です。

お気軽にご参加ください。お待ちしています。

 

 

 

 

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