4月23日投開票の山口2区補欠選挙の応援の中で、
原発に言及したことばのなから、お二人の書き込みと発言を、「考える素材」100号に
掲載しました。
考える素材100号 20230420 選挙の中での言葉から。谷村・河合
選挙と原発の関連や日常的な脱原発の活動において、
指針となる言葉と考えます。
本日、開催されたZOOMを使った選挙情報交換会で、私が紹介したのは、この文章です。
今後、さらに深めて私たちの共通確認にしたいと考えます。
参照ください。(安藤)
4月23日投開票の山口2区補欠選挙の応援の中で、
原発に言及したことばのなから、お二人の書き込みと発言を、「考える素材」100号に
掲載しました。
考える素材100号 20230420 選挙の中での言葉から。谷村・河合
選挙と原発の関連や日常的な脱原発の活動において、
指針となる言葉と考えます。
本日、開催されたZOOMを使った選挙情報交換会で、私が紹介したのは、この文章です。
今後、さらに深めて私たちの共通確認にしたいと考えます。
参照ください。(安藤)
7月20日、チラシを山口大学吉田キャンパスでチラシを配布しました。
なぜ原発は大都会につくられないのか?
という問いを投げかけました。
加えて、小出裕章さんの銃撃事件への見解と
上関町田ノ浦海岸でのごみ清掃・泳ぎの案内です。
配布したチラシです。
8月5日追記
熊本一規さん講演会の動画は、下記へアップしました。
参照・活用ください。
https://www.youtube.com/watch?v=PZN52Cq31uM
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7月3日にいのち・未来うべ主催の第3回オンライン学習会が開かれ、熊本一規さんに講演していただきました。
その要旨を自らまとめて「たんぽぽ舎メールマガジン」に掲載しています。
以下、転載します。
なお、当日のレジュメは、熊本さんのホームページにアップされています。
活用ください。また、当日の録画は、近日配信します。
なお、金曜ウォーク@宇部でも、資料として配布しました。
民の権利に徹する
熊本 一規
◎ 中国電力は、6月29日から田ノ浦海域に来てボーリング調査のため の準備測量を始めようとしましたが、一昨年、昨年と同様、祝島漁民に 協力依頼を断られて、スゴスゴと帰るだけを繰り返しています(7月2 日以降は田ノ浦海域に来ることも休んでいます)。 これでは、7月7日から始めるとしているボーリング調査もできる はずがありません。
◎ 一般海域占用許可が出ているのに、なぜ測量もボーリング調査も できないのか。
理由は簡単です、「事業者と公の関係(公民の関係)」で占用許可を 得ていても、「事業者と民の関係(民民の関係)」で民の同意を得ない 限り、事業は実施できないからです。 「公民の関係」では、山口県はゴマカシをして占用許可を出していま す。自由漁業の権利者には補償が必要とされている(「公共用地の取得 に伴う損失補償基準要綱」*1に規定されています)のですが、占用 許可に必要な「利害関係人の同意」の「利害関係人」に「自由漁業の 権利者」を含めずに占用許可を出しているのです。
補償が必要な者を 「利害関係人」に含めないとは、常識で考えてもおかしなことです。
◎ 山口県は、「利害関係人」は「排他独占的権利の権利者に限る」 として、共同漁業権の権利者(免許を受けている山口県漁協)の同意 だけでよいとのゴマカシをしているのです(山口県だけでなく、 おそらく全国で同じゴマカシをしていると思われます)。 私がそのゴマカシを指摘し、水産庁も私見に同意しているのですが、 山口県は「条例をそのように運用してきた」と言い張って、ゴマカシを 続けています。 しかし、「公民の関係」ではゴマカシを押し通しても、 「民民の関係」で、祝島漁民に補償し、その同意を得なければ事業は できません。
◎ 「民の権利」はなぜそれほど強いのか。
それは、民が生活の糧 として営みを続けてきたからです。権利とは、公から与えられるもの だけでなく、民によって創り出される権利もあるのです。民の営みが 続くことは、それほど重たいことなのです。 公共事業が計画されると、住民は「公民の関係」を重視し、免許や 許可や認可を出させまいとしたり、出されれば訴訟等で取り消そうと したり、といった努力を重ねます。 しかし、日本での「公民の関係」は、仲間内のズブズブの関係なの で、ほとんど成果をあ
げられず、住民が疲れ切って敗北する事例が跡を 絶ちません。
住民が公共事業に抗するには、「公民の関係」でなく「民民の関係」 を重視することが大事です。何も特別なことをする必要はなく、ただ 日々の営みを続けていればよいのです。
そうしていれば、事業者は、今の田ノ浦海域のように、頭を下げて 協力依頼をせざるを得なくなります。 そのときに「ノー」と言いさえすればよいのです。
◎ 7月3日、山口県宇部市のNGO「いのち・未来・うべ主催の オンライン学習会が開かれ、「上関原発と漁業権」と題して上記の 主旨の報告をしました。
学習会に参加された家中茂氏(鳥取大学, 1990年代に石垣島の石垣新 空港問題に共に取り組みました)が、その後送って下さったメールに、 報告を聞きながら鶴見俊輔氏が「民」に徹底することが重要で、その 徹底ができれば戦前のような国の横暴が通らない、といったことを 書いていたことを思い浮かべた、と書かれていましたが、おそらく 通底するものがあると思います。
権利者が自らの権利を自覚するとともに「民」に徹し日々の営みを 続けること、支援者は権利者の営みを支えること。これが権力に抗する うえでの秘訣だと思います。
注 1.「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」は、憲法29条の「正当 な補償」の基準になるものとして昭和37年に閣議決定された要綱で、 公共事業の事業者(電力会社も含む)は、それぞれ同要綱に基づき 「損失補償基準」を作っています。
2.報告の際に使用したパワーポイントは私のホームページ ( http://kumamoto84.net )に掲載しています。
【報告】6月29日 田ノ浦の海岸まで行ってきました。
「上関原発はいらない、つくってはいけない」。
6月29日、中電が勝手にボーリング調査の準備を始めるというこの日、せめて「原発に反対」の気持ちを伝えようと、宇部から5人で行きました。
「草が多いのでは」と鎌を持って行きましたが、小中さんと地元のみなさんが草刈りと道の整備をしてくれていました。お蔭で重度障がい者の岡本正彰さんも汗びっしょりになりながらも下り、上りできました。途中のベンチもありがたかったです。
ロープの道が少しあります
小中進さんが岡本さんが着いたことを知って大歓迎してくれました
田ノ浦の海岸からは、中電の「お願い船」の姿が見えました。「ボーリング調査の準備工事をさせてください。」と舳先に身を乗り出し懇願するのです。それで「お願い船」と呼ばれるようになりました。中電の幹部は、社員にこんな恥ずかしいことを(しかも危険の伴う)させてどうも思わないのでしょうか。人は理屈の伴わないことをさせられると身も心もボロボロになってしまいます。
中電の社長は「不断に原発の安全性を追及する」と言います。それって、原発は福島の事故が全世界に示したように、事故を起こす危険なものだと自分から言ってることですよ。しかも、祝島の漁民には、海の埋立も、ボーリング調査も、相談も了解もとっていない理不尽さです。29日の「準備作業」も許可をとっていない日の違法な行為です。
田ノ浦海岸には、祝島の漁船から橋本典子さんと岡本直也さんがカヤックできて海上の様子を報告してくれました。そして私たちに感謝の言葉を言ってくれましたが、感謝すべきは私たちです。海を守り、いのちを守るために原発を跳ね返している祝島のみなさんには、どんな感謝の言葉もありません。そして私たちは、漁民のみなさんが自分たちの権利をどのようにして主張し守っているのかを目の当たりにみて教えられています。いろいろな市民運動に、労働者は労働者として、農民は農民として、コロナ拡散オリンピックという理不尽さに怒っている人も、それぞれ、祝島から学んでいます。黙っていてはいけないのだ。現場で声を出すのだ、と。権利は、使い活かすものだ、と。
私たちは、オンライン学習会に力を入れつつ、同時に、なによりも現場が大切だと考えます。みなさん、一人で
も多く田ノ浦に行って、県民世論の大きさを示しましょう。(安藤 公門)
この報告は、金曜ウォーク@宇部 №006(2021年7月2日)に掲載したものです。
10月11日の健文会平和フェスタ2020は、オンライン中継と動画のアップの予定でしたが、通信の不調により、後日再現記録のアップとなりました。午前10時から11時45分までの濃縮された内容の報告は、今しばらくお待ちください。
いのち・未来うべは、実行委員会に参加し、福島現地からの報告に対して、山口からの連帯と現状報告の役割を担いました。
その中から、事務局長・岡本さんの発言原稿を掲載しておきます。
上関原発を建てさせない運動の視点に新しく加えてほしいと岡本さんは語っています。
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一番安全な避難計画は、原発が無いこと!
いのち・未来うべ 事務局長
岡本 正彰
祝島へ行くには、上関町室津の港から船に乗ります。
船の中から山の方をみると、中腹より上、山頂に近いところに大きなビルがあります。
「なんですか?」と聞くと病院だと教えてくれました。
あとで調べると原発の計画地から10キロ前後のところ、平生町で、病床920を越える大きな病院でした。入院されている人、看護師さんなど従事されている人はどのくらいいるのでしょうか。また、さらに柳井市側には、病床280の国立柳井医療センターもあります。原発の計画地からは20キロ以内です。柳井医療センターには、医療ケア児を対象とした田布施総合支援学校の院内学級があります。
これは、大変だなあ、と思いました。
というのは、福島の原発事故で放射能が降り落ちる中、障がい者や高齢者が、病院や施設に置き去りにされた事実があるからです。高齢者や障がい者の命に関わる問題です。実際亡くなったかたもいます。さらに深刻なことは、サポートしている若い従事者が、高齢者や障がい者を置き去りにしてしまって自分だけ逃げたことを、ずっと気にして未だに立ち直れず、心の病を抱えていると報道されていたからです。
原発は事故を起こします。
原発を進める人は、原発の事故に備えて避難計画を立てると、一応は言います。訓練もされるようです。
でも、一番よい避難計画は、私のような重度障がいがあるもの、さらに高齢者も、そしてなによりも、サポートする人たちも、放射能から逃げることを心配しないでよいこと、つまり、一番よい避難計画は、そもそも事故の元になる原発が無いことだと思います。
上関原発計画を止めましょう。全国から原発をなくしましょう。一緒に声をあげましょう。
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君子豹変す、とはこの事か。
村岡県知事が、イージス・アショア配備に意見を述べた。反対であり、防衛省は反省していただきたい、と。(毎日新聞山口版、6月18日)
河野防衛大臣の「システム停止」発表を受けてのことである。
初めての見解表明と記者は書いているが、実はそうではない。
2019年7月11日の定例記者会見で読売新聞の記者の質問に答えて、「人口減少対策に自衛隊は有効」という田中文夫県議とほぼ同趣旨の歓迎論を述べている。
また、2019年12月の県議会で篠崎圭二県議の質問に答えて「ハワイ視察でイメージが固まった。安全である」との答弁を行っている。別に、深読みしなくても配備推進を前提にしていることはわかる。
私も参加している、イージス・アショアふあんクラブ・山口が何度も求めてきた全県説明会も防衛省に求める考えはないとの回答だった。判断ができない・態度未定というのなら、県民の疑問の声に耳を傾ける姿勢があったはずだ。
とくに、ミサイルのブースター落下地点の問題は、当初の阿武町沖海上からむつみ演習場内へと防衛省の説明は移行し、私が参加した説明会では、「一発目は演習場内に落とすようにするが、一発40億円近くもするのですぐには撃てず2発目は発射角度が南側(山口市阿東地域)になることもありうるが、基地内に落ちるようにする」と防衛省の担当者は答えていたのだ。「そのようにする」「安全にする」というのみ。これらのやり取りを県知事が知らぬはずがないし、少なくとも、このような疑問がある以上、山口市と一緒になって全県説明会を開いて当然であった。
君子豹変は、昔から、悪いことばかりではないとされている。
人間、失敗はつきものだし失敗を恐れて何もしないのは政治の場ではとくに困るだろうから、態度や見解、政策を変えることはもちろん、一概に責められるべきことではないだろう。ましてや住民の安心安全、命と暮らしにダイレクトに影響することである。
そして、今、強く求めたいのは、イージス・アショア、ミサイル基地配備と並ぶ、山口県の3つの危険因子のうちのあと2つ、岩国基地増強を止めること、上関原発計画の白紙撤回だ。とくに、上関原発の計画の無茶さは、中電の責任だけでなく、公有水面の埋め立てを認めてきた山口県の責任が大きい。福島の原発事故があり、何一つ解決していないのに、山口県は実質、新規原発を認め進めているのだ。祝島のみなさんをはじめ、地元の声をどうとらえているのか。原発で瀬戸内工業地帯を壊滅させる気か。県知事として明確にすべきだ。
県知事には原発を止める権限が法律上、ありませんという見解をよく聞く。それが万が一正しいとしても、県民に選ばれた知事の見解を踏みにじるようなことが許されるのか、当然、一番に尊重されなければならないはずだ。阿武町長の花田氏になにか特別の権限があったか。むしろ安保防衛問題は国の専管(専権)事項といって多くの自治体の長が判断を回避してきたことだ。それを住民の声をバックに、住民の安心安全とまちづくりにそぐわないとして、「町長としての大義」を掲げ、意見を述べ続け、信念をブレずに貫いた。政治家の力とは、これが本来の姿ではないのか。
まして、山口県知事には、とっておきの如意棒がある。中国電力の大株主としての権限だ。2020年度の株主総会通知書では、山口県は、9.4%で筆頭株主だ。「危険な原発はやめる」その意思表示をするだけで、中電も計画を進めることはできない。
普通に安心安全に暮らしたい。地方の地域の豊かさを糧とし誇りにもして暮らしたい。阿武町民と阿武町長花田氏の訴えは、国を動かし、実質白紙撤回を実現した。その流れの中で村岡県知事の見解が出された。よいことだ。阿武町宇生賀の原セツ子さんが、白紙撤回の一報を聞いて「阿武町の風景が変わってみえた」と語っている。上関原発の白紙撤回を知事が述べれば、山口県全体の風景が、一変するだろう。村岡知事には、上関原発計画についても、どんどん君子豹変をやってもらいたい。だれも責めはしないだろう。
安藤 公門 (いのち・未来うべ代表)
上関原発を建てさせない県民集会2018 に参加された皆さん、
感想やご意見をお寄せ下さい。
このブログに掲載させていただきます。
また、いのち・未来 うべ通信に掲載させていただくこともあります。
送り先:ando-maipenrai☆nifty.com
☆ を@(半角)に変換してお送りください。
参考 上関原発を建てさせない県民集会2018
https://stopkaminoseki.wixsite.com/kenmin-daisyukai2018
毎日新聞、山口東部版に中村敦夫柳井公演の報告が書かれています。
◎上関原発のない未来へ!柳井地域の会が結成されたこと。
原発に反対する精神的な支えになりたいと中川代表が訴えたこと、
柳井地域の柳井市、平生町、それに田布施町は、上関町となんら変わらない原発計画の立地自治体であり、「地元」そのものであること、その中に、新しい広がりをもつ「上関原発のない未来を!柳井地域の会」が生まれたこと。
◎この中で中村敦夫さんの公演が行われて、出発を激励し祝い、スタートを切った。
記事をコピーさせていただきます。
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朗読劇
中村敦夫さんが福島弁で切々と 380人聴き入る 「上関原発のない未来を!柳井地域の会」発足 /山口
毎日新聞2017年10月3日 山口東部
https://mainichi.jp/articles/20171003/ddl/k35/040/555000c
中国電力が上関町で進める上関原発建設計画に反対する活動を、周辺地域から支援する「上関原発のない未来を!柳井地域の会」の設立総会が1日、アクティブやないであった。総会後には、設立を記念して、俳優で作家の中村敦夫さんが東京電力福島第1原発事故を題材にした朗読劇「線量計が鳴る」を上演し、中村さんが福島弁で切々と語りかける事故の実情に約380人が聴き入った。
総会では、代表に就任した中川隆志柳井市議が「上関、祝島で活動している人たちの精神的な支えになりたい。後ろには、これだけたくさんの人がいるんだということを発信するためにも会員を増やしていこう」とあいさつ。設立時の会員は柳井市、田布施、平生町などの約120人で今後、定期的な街宣活動や講演会を通じて建設計画撤回を訴える。
一方、朗読劇は中村さんが準備に3年を費やし、脚本も手掛けた。原発事故の詳細なデータや経過が盛り込まれ、事故で田畑を奪われ自殺した農家の悲劇に触れる場面では、目頭を押さえる観客もいた。公演後、中村さんは「ここには上関という現場があるから思いが伝わる」と話し、2日には上関町の祝島を訪問して、原発建設に反対する島民らを激励した。
「線量計が鳴る」は12月16日に宇部市の多世代ふれあいセンターでも上演される。宇部公演実行委員会080・6331・0960【松本昌樹】
〔山口東版〕
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今朝8月4日の朝日新聞は、新規原発について経産省がエネルギー基本計画に明記しない意向であると伝えた。世耕大臣の話としてである。
今日の金曜ウォークでも話題として取り上げられ、みんなの論議になった。
記事にはこうある。
経済産業省は、原発に対する世論の反発が根強いことなどから、新増設の表現を盛り込むことは時期尚早との判断に傾いている。当面は既存原発の再稼働や運転期間の延長に注力する。
6月9日に日経新聞がエネルギー基本計画に「新設を明記」とリークして、世耕大臣が翌日打ち消して、それ以降、内閣支持率の低下とあいまって、「強硬策」を取り難いという判断も加味されての今回の発表だろうか。
私たちは、以下の3点を確認した。
まず第1に、「新規を明記せず」とは、新規や増設をあきらめたり、今後行わないということではなくて、文章に書かないだけのことで時期をみたり、水面下で潜行して 新設増設の準備と環境整備を行うということである。「時期尚早」、その時期ではないと言っているだけのことである。上関原発についていえば、地元の岸信夫、江島潔ら政治家がそれこそ「新規増設の環境整備」に走り回っている。「もうしばらく待ってください」というサインでしかない。
第2に、にもかかわらず、はっきりと明らかになったのは、原発をめぐっての決定要因は世論であるということだ。福島の過酷事故の記憶は消しされない。原子力安全神話の崩壊はもとに戻せない。ほとんどの国民は、「今度日本列島のどこかで原発事故が起これば列島に住めなくなる」ことを感じている。「まさか、上関原発はもうできないだろう」という声もそんな危機感に支えられている。逆にいえば、原発反対の世論がさらに強く積極的になり、原発推進に賛成する政治家を議席からすべて引きずり下ろし、首長を解任する程になれば、経産省は明記不能どころか、脱原発に舵をきる以外にないということだ。
第3に、経産省の傲慢な独善さである。まだ答申のための諮問委員会もメンバーさえ公表されず、会議さえ開かれていない段階で、「新増設を明記する」とか「明記しない」とかいう方向を出せるものなのか。なんという傲慢さか。
経産省はあくまでも事務局として必要なデータの提供と論議の記録と答申の検討、そして国民からのパブリックコメントの手続きを経て結果が出るのではないか。
はいはい、それは建前であって本当は経産省の官僚が全部仕切っているんですよ、それも知らないのですか?という声が聴こえてくる。そんなことは多くの国民は学習済みだ。むしろ、こりもせず経産官僚の独善的統制で日本列島に住むすべての人、生き物の運命が決められることに震え戦くべきだ。もう責任逃れは許されない。
世界の流れは脱原発だ。
地震と火山の国、福島のレベル7の過酷事故を経験した国、日本こそ、そうならなければ生きていけない。
山口県の私たちは、祝島をはじめ上関原発=新設を止めてきた人たちに本当に感謝したい。
だからこそ、35年間の苦闘に、新設増設、再稼働も含めて、すべての原発は止めると宣言すべきなのだ。中半端な「生殺し状態」のまま、姑息な原発推進をすすめるというのであれば、私たちは、空前の世論の力、県民のほとんどが立ち上がるような運動を準備する以外にはない。決めるのは、人々の声、世論の力なのだ。
参考
朝日新聞 2017/08/04
http://www.asahi.com/articles/ASK815FX0K81ULFA016.html
原発の新増設、明記見送りへ 政府のエネルギー基本計画
政府が3年ぶりに見直すエネルギー基本計画をめぐり、焦点となっている原発の新設や建て替えについて明記を見送る方向になった。安倍政権下で2014年に決めたいまの計画は、原発を「重要なベースロード電源」と位置づける一方、新増設については触れておらず、原発関連業界などから見直しで盛り込むよう求める声が出ていた。
経済産業省は、原発に対する世論の反発が根強いことなどから、新増設の表現を盛り込むことは時期尚早との判断に傾いている。当面は既存原発の再稼働や運転期間の延長に注力する。
世耕弘成経産相は1日の閣議後会見で、エネルギー基本計画の見直しを議論する審議会を9日に開くと発表した。年度内にとりまとめるとしたうえで「骨格を変えるような状況の変化は起こっていない」と話し、計画の主要部分は変えない方針を示した。
政府は2015年、電源に占める原発の割合を30年度時点で20~22%になるよう政策を講じると決めたが、世耕氏は「(既存原発の)再稼働をすれば、新増設を想定しなくても達成可能だ」と強調した。
経産省はまた、50年を見据えたエネルギー政策を話し合う有識者会議の初会合を今月末に開く。地球温暖化対策などの観点から中長期的な原発の必要性についても議論するという。原発推進派にも配慮したとみられ、会議で出た意見をエネルギー基本計画に反映させる可能性がある。(斎藤徳彦、笹井継夫)