いのち・未来 うべ

わたしたちは、原発のない安全な未来を
子どもたちに残すことを願って活動しています

【アピール】阿武町から風力発電を考える

2021年06月27日 | お知らせ

  阿武町から風力発電を考える

 

                                浅野 容子 (あさの ようこ)


 
 阿武町の尾根筋に計画されている大規模風力発電事業が私たちの暮らしや阿武町の豊かな自然を脅かすのではないかと憂い、昨年夏以来「阿武風力発電所建設を考える会」の活動をしています。

 各地の住民運動とつながるなかで見えてきたのは、陸上では山の尾根筋や「洋上」といいながら離岸距離1~4kmの沿岸に、100基単位で巨大風車が並ぶという度を越えた大規模な計画の数々でした。森林破壊や土砂災害、超低周波音による健康被害など住民の暮らしを脅かす問題は山積みのまま計画が進行しています。

 政府が昨年10月に脱炭素社会実現のためには原発も必要という「2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指すカーボンニュートラル」方針を打ち出して以来、電気事業連合会や中国電力は「脱炭素社会へギアチェンジー再生可能エネルギーや原子力、水素発電などCO2を出さない発電方法に取り組む」と原発容認をテレビCMであからさまに流すようになりました。

 風力発電は風が吹かなければまったく発電しない不安定な電源にもかかわらず、大企業が続々と参入し大規模開発がすすめられている背景には「再生可能エネルギー推進」という国策があります。高い固定買取り価格と再エネ賦課金が「風力発電ムラ」を支え、事業者が事業を進めやすいように建築基準法や森林法などが次々と改定されています。環境アセスにも要件緩和の動きが出ており、地方自治体に再エネ導入の目標設定を義務付ける動きさえ出ています。
 

 電力会社が再エネ事業者から電気を買い取る財源は私たちが毎月支払う電気料金のうちの「再エネ発電賦課金」であり、しかも大企業はこの「再エネ賦課金」は免除されているという事実がほとんど知られていないため、地元からは「町の電気代を安くするなど住民への還元があるとありがたい」いうのんきな声が聞こえてきます。わが身に降りかかるかもしれない風力発電の危険性には耳を傾けません。
 

 あれ?どこかで聞いたような話です。国が旗を振る「再エネGO」を疑うことなく「再エネはよかろう」と思考停止した人たちは、「この夏の電力需給が数年で最も厳しい」という一斉報道にも疑うことはなく、福島の原発事故のことはすでに記憶の片隅にもなく、そのうち「やはり原発もいるだろう」と言い出すでしょう。

 本当に困ったことです。どうしたらよいのでしょうか、皆さまのお知恵をお貸しください。

  参考:阿武風力発電所建設を考える会
   https://www.facebook.com/groups/1754684604694700

 

  

 

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オンライン学習会 第3回 7月3日 熊本一規さん「上関原発と漁業権」

2021年06月25日 | お知らせ

2021年7月11日 追記

7月3日に行われた「オンライン学習会、基本から知る上関原発 第3回 熊本一規さん『上関原発と漁業権』は、27名の参加で無事終了しました。


質問・要望で出された当日のパワーポイントは、熊本一規さんのホームページにアップされています。

また、たんぽぽ舎メーリングリストに講演要旨がわかりやすく解説されています。

ともに、熊本一規さんのホームページ 2021年7月5日、7月6日を参照下さい。

強大に見える国家権力、その権力と結びつく事業者
官と民との関係は、ずぶずぶ。庶民は黙って引き下がるしかないのか。
ここで、民と民との関係に注目したのが熊本さんの権利論。
中国電力が、なぜ「お願い」しかできないのかが、わかります。
庶民は、正当な権利を知ること、そして活かすこと。
詳しくは、下記ホームページをぜひご覧ください

http://www.kumamoto84.sakura.ne.jp/Kaminoseki/Kaminoseki.html


 討議資料6月25日 金曜ウォークで配布

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

金曜ウォーク@宇部
   上関原発はいらない!原発ゼロへ!
   2021/06/25(金)465回 since 2012.08.12
            資料と意見  №006 発行:いのち・未来うべ

6月29日(火)午前10時 田ノ浦の清掃、除草の集まりが
呼びかけられています。
いのち・未来うべは、海岸の自然観察の準備のため現地に行きます。
参加希望のかたは、連絡ください。
 小中進さんオフシャルサイト 
  ⇒ http://blog.konaka.sunnyday.jp/

~~~~~~
基本から知る上関原発、連続オンライン学習会
「上関原発の法律問題は、なにか大変そうですね」
「そうですね、一見難しいように見えます。でも、実は漁民の漁業権を柱に考えるとわかりやすいです。漁業を行う権利を誰も損なってはいけないということです」。
「生活がかかっていますからね、それは当然でしょう」
「憲法で保障されている財産権に関わる大切なことですから。それで今回は、漁業権の専門家、熊本一規さんに初歩からお話を聞きすることにしました。ぜひ、参加してください。」
  ◎第3回 7月3日(土)午後6時~8時
   お話し:熊本一規さん(明治学院大学名誉教授) 詳細は裏面に。
    講演  「上関原発と漁業権」 
※ZOOMで行います。申し込みは、フェースブックのメッセージで岡本正彰さんにお願いします。または、メール mottomottookamotto※themis.ocn.ne.jp へ。※を@に変換してください。参加無料。
  
いのち・未来うべ  会員を募集中です

 連絡先:〒755-0029 山口県宇部市新天町1丁目2?36 宇部市民活動センター「青空」
 いのち・未来うべ  電話 080-6331-0960(安藤公門) 
  


 
【サイト紹介】
熊本一規さんのホームページ
トップ
http://www.kumamoto84.sakura.ne.jp/

上関原発の関連サイト
http://www.kumamoto84.sakura.ne.jp/Kaminoseki/Kaminoseki.html

 ホームページの冒頭に次のように書かれています。

「・・・民衆が主人公になる社会を民衆の手で創ることにあります。
 漁業権(財産権)、脱原発、及び循環型社会の三つを主要テーマとして、そのための素材を提供できれば、と思いながら作っています。」

「民衆が、自らの権利が侵害される際に、権利を自覚し、権利に基づいて如何に闘うかを学ぶことこそ、真の学問だと思います。・・・ それぞれの内容及び法的な攻め方(司法試験のためでなく権力と闘うための法律論)を各地の取組みに活かしていただければ幸いです。」


参考になる動画 YouTube 
   YouTube:上関原発が建てられない理由 
    https://www.youtube.com/watch?v=yIrgsdMgM_I&t=1s
    10分 2010年4月5日 祝島での講演会
  YouTube:埋立には漁民全員の同意が必要
    https://www.youtube.com/watch?v=oE_-GkU8etU&t=3s  
    1時間5分 。2013年3月30日 
   原発いらん!山口ネットワーク主催の講演会

中電との海上での会話
 【ホームページに以下の記述があります。2019年です。録音とともに動画も紹介されています。】
~~~~
2.11月13日田ノ浦にて中電との話し合い
  13日、祝島漁民の船に乗り、田ノ浦の海で一緒に釣りを楽しみました。昼寝もしました。青空を仰いでの昼寝は実に心地よいものでした。
  中電の船(上関事務所の笹木副所長をはじめ20名ほどが乗船)は、午前と午後の2回、「作業にご協力をお願いします」と言って漁民9艘を訪ねまわりましたが、ことごとく拒否され、全く作業ができないまま帰りました。これで8日~13日に予定されていた「ボーリング調査の準備作業」は全くできずに終わりました。
  予定では、14日からボーリング調査に入るとのことでしたが、準備作業が全くできなかったのですから、ボーリング調査に入れるわけがありません。そのうえ、 明日は波が高いと予測されているため、作業は中止しますとの連絡が夕方に中電から入りました。
  午前の協力依頼に先立ち、「島民の会代表」の清水さん及び私が、中電の船に近づいて中電笹木副所長と話し合いました。その録音を次に掲載します。
  この録音も、11日県交渉録音同様、とても重要かつ興味深いものですよ。ぜひお聞きください。
~~~~~
  

 

   

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アピール 原発事故に国境は、ありません。

2021年06月18日 | お知らせ

【アピール】

      原発事故に国境は、ありません。

               ~韓国・新古里原発の事故について~

                 岡本 正彰  (おかもと まさあき)

 

 韓国紙・中央日報は、5月30日、以下のように報道しました。※1 

  韓国・新古里原発が火災で稼動中断「放射能の漏出なし」蔚山市蔚州郡のセウル原発本部に位置する新古里3・4号機。[写真 韓国水力原子力] 蔚山市蔚州郡(ウルサンシ・ウルジュグン)の新古里(シンゴリ)原子力発電所で火災が発生し発電が中断する状況が発生した。放射能の漏出はなく、原子力安全委員会が事故調査に着手した。原子力安全委員会が29日に明らかにしたところによると、新古里原発4号機で29日午前9時28分ごろ火災が発生した。タービンで発生した火災は1時間ほど過ぎた午前10時29分ごろに鎮火した。

  韓国中央日報は報じていますが、日本のマスコミは無関心です。韓国と台湾の緊張関係や竹島問題のことは報道しますが、新古里原発の火災のニュースは、テレビにおいては全く報じていません。
 韓国で原発事故が起こり被害が出ると、最も大きな被害が予想されるのは、原発事故の当事国である韓国ではなく、日本になると、韓国人の核物理学者で現在、米ワシントンのシンクタンク「天然資源防衛委員会」(NRDC)の上級研究員を務める姜政敏(カン・ジョンミン)博士(51)は述べています。※2

 逆に言えば、日本の原発が再び事故を起こせば、もし上関原発が建てられ事故が起これば、日本だけでなく、韓国にも被害が及びます。日本と韓国は、いま政治的には良い関係にあるとは言えませんし、コロナ禍では行き来もままなりませんが、民間レベルでは友好的な交流を深め、一緒に原発反対の声を上げていきたいです。

 すでに、生命・脱核シルクロードウォークなどで、連帯が進められていますが、その輪をさらに大きくし、一緒に脱原発の声を上げる中で、友好的な関係が深まっていければと思います。

 

  参考:

※  1 ヤフーニュースhttps://news.yahoo.co.jp/articles/e367174848f8bafc804059d9c98f5837370cfa95 

※2 朝日新聞デジタル  2017年3月7日  韓国の原発銀座で惨事なら 「西日本の大半避難」の推定

     https://www.asahi.com/articles/photo/AS20170307004713.html?iref=pc_photo_gallery_prev_arrow 

 

   2021年6月04日 配布された「金曜ウォーク@宇部 資料と意見 №003に発表されたものを再掲載しました。 

  

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【アピール】汚染水の海洋放出に反対する

2021年06月16日 | 放射能

   

 

【アピール】  汚染水の海洋放出に反対する


                         横見 出 (よこみ いずる)


 2021年4月13日、日本政府は東日本大震災で破壊された東京電力福島第一原子力発電所から排出されている放射性物質を含む100万トン以上の処理済みの汚染水を、福島県沖の太平洋に放出する計画を承認した。
 とんでもないことだ!せっかく閉じ込めているものを、それも急速に拡散するだろう太平洋に捨てるなんて認められない!
 いくら薄くても母なる海に核ゴミを捨てるなどありえない!
 が、まずはこの件に関しての世論調査、報道など世間の考えを拾い出してみよう。

 国内世論調査は次の通り。
 朝日新聞(2021/1/3)対象:全国 方法:郵送 有効回答2216人 賛成32% 反対55%
 Yahoo!(2021/4/23)対象:全国 方法:オンライン 投票225,706人 賛成56% 反対40.7%
 FoE(2020/5/19)対象:6都県漁協 方法:郵送 有効回答42漁協 賛成1漁協 反対38漁協
 毎日新聞(2021/4/18)対象:全国 方法:電話 有効回答1085人 仕方がない54% 
  他の方法を考えるべき36%
 産経新聞(2021/4/18)対象:全国 方法:電話 有効回答1180人 評価する46.7% 評価しな
  い(反対)45.3%

 これらの数字を見る限り、悲しいことに国内賛否は拮抗している。

 海外の様子は次の通り。
 BBCのニュースによると、グリーンピース、中国、韓国が反対、アメリカ合衆国が容認、IAEAは当然のことというスタンス。
 英国系メディアの論調は反対、米国系メディアの論調は容認と見える。
 以上のように利害、関心を含めて意見は割れている。中英米とも核保有国であるからわかりやすい傾向があるとも言えない。


 環境庁の「人の健康の保護に関する環境基準」において、シアン(青酸)、アルキル水銀、PCBは「検出されないこと」とある。これらについては希釈してもだめと解釈できるが、カドミウムや六価クロムなど悪名高い有害化学物質でも一定量以下の濃度を許容する仕組みになっている。おそらく町工場がカドミウムや六価クロムを水で薄めて排出しても大問題になるだろう。


 本来、法律の基準というものは出さないために作られているもので、出すための方便など目的から大きく逸脱しているだけで、違法な行為という点から逃れられないはずだ。ところが昨今、政治資金問題に代表される「バレたら返せば許される」という行為に異を唱えることがなくなった。薄めてしまえば、基準値さえ満たせば捨てても良いという解釈も同類だ。環境を守るための基準という法の目的を大きく逸脱する違法行為だ。
 なお、残念ながら環境基準に放射性物質に関しての記述はない。

 

  高度経済成長期に著しく環境が汚染された記憶のある人にとって、放射性物質に汚染された大量の水を太平洋に投棄するなど、許しがたい行為だ。特に放射性物質は原子レベルでの汚染であり、原子自体が変化するため健康被害、中でも長期影響を証明する手立てがほとんど無い。被害自体が当の本人に見えないのだ。

 私は大気圏内核実験の影響で戦後の日本の「がん」の増加があったと考えている。最初は「胃がん」、その後多様な「がん」が増加してきた。子供の体力は戦後どんどん低下した。日本人が世界のスポーツで活躍することなど殆どなかった。

 ところが、1990年代生まれあたりから変化が出てきた。子供の体力低下が収まり、世界に通用するスポーツ選手が次々と現れたのだ。核実験が禁止されて30年、直接の環境被曝(雨や塵などを経由する)世代から数えて孫の世代になったとき、食物中の放射性物質が0.1bq/kgレベルまで落ちたとき、それが1990年代。大陸性の国民より日本人の体力回復が遅れた理由は海産物を多く摂取する国民性だからと思われる。福島第一原子力発電所の核惨事後、保険金支払いの対象が「がん」から「脳梗塞」、「心筋梗塞」、「くも膜下出血」、「肺炎」に変化した、と保険屋さんに聞いた。やっぱりな、と思う。

 放射性汚染水の海洋投棄はいずれ新たな疾病の増加をもたらすだろう。米国の井戸水のトリチウム汚染では脳疾患が増えたとの報告がある。同じことが起こると思う。感情のコントロールができなくなる可能性もあり、社会が荒むこともありうる。しかし、それらが広範囲にあらわれると因果関係を証明することは限りなく不可能である。

 放射能汚染水の海洋投棄に対する意見が世界でも国内でも割れる中で、如何にして最善の方法(汚染水の海洋投棄を止める)を選択するかは難題である。資金力のある原子力勢力が自前で都合よく構築した論理に科学のレーベルを付けているからだ。相手の都合のよい土俵に上がり、真に正しい科学のレーベルで反対の論戦をすすめることは容易ではない。世界の核汚染地域で多くの人が戦っているが論争は何十年にも及ぼされて今に至っている。

 科学というもの、実は賛同者の多い意見を「正」として構築されてきた。それがまさしく「正」である条件は、科学者の「正義」への忠誠に依存している。ところが「核」に関してはその根幹が間違っている。「核」が「正」なのだ。

 だから科学のアプローチだけでは長い時間を要し、解決への道は見えない。科学を尊敬しつつも自ら考え意見する市民活動が必須だと思う。

 折につけ思うことがある。EU統合の賛否に関する国民投票でアイルランドのおばあさんがこういった。

 (EU統合に関する膨大な書類を読もうとした後)「わからん。わからんものには賛成できん。だから反対に投票する」 

                                     (終)

 

  金曜ウォーク@宇部配布討議資料

  上関原発はいらない!原発ゼロへ!

  2021年5月21日(№1)、5月28日(№2)に掲載されて配布されました。

 

 

 

 

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