六畳の神殿

私の神さまは様々な姿をしています。他者の善意、自分の良心、自然、文化、季節、社会・・それらへの祈りの記。

ハチ公の命日

2005年03月08日 | 心や命のこと
 本日はハチ公の命日だそうです。

 むかし渋谷のハチ公ショップで売っていたCD「もう待たなくていいんだよ」は、何度聞いても泣ける(今はもう売ってないのかな?)。
 犬好きの人なら、これ聴いたら絶対泣くと思うなぁ。それから、大切なひとを亡くした人も。

 大切な人がある日、目の前からいなくなる。いつもの時間に帰ってこない。
 待ってる。
 帰ってくるのを待ってる。
 でも帰ってこない。
 どうして?
 理由がわからない。どうして帰ってこないの?
 「死んだ」って何?
 待ってる。
 好きだよ。待ってる。
 帰ってくるのをずっと待ってる。

 雑味を排した、それは最もピュアな愛のかたち。

 死も絶望も、まっすぐな瞳の輝きの中に影を落とさない。
 だってわからないんだもの。「死」や「いなくなる」ことがどういうことか知らないんだもの。

 待ってる。大切なひとのやさしい笑顔を想像しながら、ずっと。

 「その人のいない日常に慣れること」は「愛が色あせること」と同じではない。
 だから愛は、軽々と時をこえる。肉体は時間に織られた物質だから、いつしか衰え消えてしまうけれど。

 間違えてはいけない。
 「死」は愛を奪わない。愛を奪うのは、死ではない。

 間違いやすいけど、そうなんだ。

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2 コメント

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懐かしの・・・。 (kleene)
2005-06-23 22:27:17
はじめまして。今、ドイツに住んでいるのですが、久々に一時帰国して、実家に帰って来たところ、廊下に例の「もう待たなくていいんだよ」のポスターが飾ってあったので、懐かしくなってyahooで検索してみてたどり着きました。10年くらい前ですねえ。おはずかしながら、ワタクシの作詞なのでございます…。そっか、そうやって人の心に残ってたりするのねえ、と、なんだか嬉しくなりました。ありがとうございます:-)
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ようこそ (風野)
2005-06-23 23:11:06
kleene様、いらっしゃいませ。

きゃぁぁ作詞者ご本人さまからのコメントとはっ嬉しいです!



この神殿に現出した奇跡じゃぁぁ(笑)



「喪った存在を想う歌」は多いけれど、「想われる側の思い」を言葉にした歌は、意外に少ない(ほとんど無い?)と思います。

《そこには本当に愛があったと信じられる相手》――今は亡き彼らを想いつつこの歌を口ずさむと、まるで彼らからのメッセージに思えてきて、温かい涙が滲んできます。



素敵な詞を書いて下さってありがとうございました。
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