六畳の神殿

私の神さまは様々な姿をしています。他者の善意、自分の良心、自然、文化、季節、社会・・それらへの祈りの記。

もりさがる

2005年11月30日 | 日々のこと
 「また来週~」と言っておきながら、再来週になってしまいました。ご無沙汰してました。
 何となく盛り上がらない気分が続いて、PCの前を素通りする毎日でしたん。

『もりさがる その1』
 「今年こそは《11月に風邪をひく》ジンクスを破るぞっ!」と宣言し、プールに通ったりいろいろしたにもかかわらず、やっぱり風邪ひきました・・。
 例年よりは軽く済んだのがせめてもの幸い。

『もりさがる その2』
 ここ最近で、何より一番もりさがりましたよ、西村真悟議員・・!!
 彼の考え方には賛同しにくいところもあったけど、基本姿勢とか拉致問題関連の言動から、信頼し注目していた政治家の一人だったのに~。残念の一言に尽きます。

『もりさがる その3』
 金沢工大で開催された野生生物保護学会に参加してきました。

 客観的には盛会だったのだと思いますが、わたし的には結構もりさがりました。学会全体の方向性が、求めているものとは違ってくるかもしれないという予感がして。
 もちろん、役員人事も一新したばかりだし、大勢を判断するのは時期尚早だとは思いますが。昨年2004年のツキノワグマ異常出没パニックと、今年2005年のコウノトリ野生復帰の華々しい成果。この明暗が、無意識のうちに研究者たちの態度や熱意に微妙な影を落としていたと思います。加えて、産学協働とか独立行政法人化とかで、大学という場が、質の違うものになりつつあることも、影響あるんじゃないかな。

 ・・とにかく、ワクワクするような自由で新しい概念とか、刺激的な理念を持つ人との出会いが期待できなくなるなら、今後も学会に参加する意義は見い出せないなぁ。来年の開催地は沖縄だそうだけど(沖縄には行った事がないから行ってみたいけど)・・どうしようかなぁ。

『もりさがる その4』
 そういうわけで、学会の半分をサボって、秋の兼六園を見物しに行く。
 雨上がりの早朝。しっとりと露を含んで落ち着いたたたずまい。さすがは名園、散り敷く紅葉の中、計算し尽くされた美を堪能しつつそぞろ歩く。
 開園直後で、あまり観光客が多くなく静かなのが良かったが、園内をメンテナンスして回る人々の作業姿も園の景色に溶け込んでいたのがちょっと意外だった。別に特別な服装なわけじゃないし、ふつうに箒とか持っているんだけど、それが目障りじゃない。たぶん、あまりに見事な庭園なので、誰かが常に手入れしているのが当たり前というか、むしろ作業しているのが見えて安心、という感じなのかな。

 でも、もりさがるのはやっぱ、団体客とすれちがう時。熱意をこめて魅力を語る添乗員に引率されている人々はまだイイ感じだが、拡声器のハウっている電子音に型どおりのすました声を乗せ、客の方をろくに見もしないガイド嬢にゾロゾロダラダラくっついていく人々は興ざめ。

 さらに、一番の見所の灯篭のそばで、全く場違いな雰囲気をふりまいている団体と行き会ってしまった。うわ、サイアク。何だ、このヒトビトは・・! と怒りを込めて見回したら、目に飛び込んできたのは梅沢富男・・@☆▼※?
 旅番組か何かのロケ隊の人々でした。そりゃ~場違いなハズだ 私の目は、いっぺんに怒りからミーハーに
 周囲の観光客と同様にシャッターを押したが、後日現像してみたら、逆光と曇天の早朝のため、人物を全く特定できない仕上がりに・・。ちょっとがっかり。別に梅沢富男のファンじゃないけど。
 この冬は真剣にデジカメ購入を考えよう・・

『もりさがる その5』
 私は、少女の頃から婦人科系のトラブルをあまり心配したことがなくて、毎月のお客様もとっても律儀。基礎体温をつけると、自分は機械仕掛けなんじゃないかと思うくらい教科書どおりで、文字通り自律神経系支配なんだなぁーと感心したりして。
 だから実は今月、お客様の到着がかなり遅かったので、ちょっと期待した。でも、スカでした。

 赤ちゃんって、もっと簡単に出来るものだと思っていた。

 雅子妃の苦悩は、他人事ではありません。
 年が明けたら、不妊外来行きかな・・とほほ~。おススメのクリニック等があったら、コメントお願いします・・。

大丈夫よ

2005年11月15日 | 文化・社会
 しっかりと胸に抱いて、何度も「大丈夫よ」と繰り返す・・

 嫁ぐ娘に母が贈る言葉で、これ以上のものがあるでしょうか。

 私は別に皇室に思い入れがあるわけでもないし、ミーハー的好奇心しかない一市民ではありますが、こういう美しい母娘の情愛を目の当たりにすると、素直に感動するし、そういうご一家が私たち国民の象徴として在ることを、嬉しく誇らしく感じます。

 どうぞ末永くお幸せに。おめでとうございます。

 でも、春までの仮住まいとはいえ、賃貸マンション1LDK50㎡は、ちょっと狭すぎるんじゃないかしらん・・なーんて、余計なお世話デスネ(笑)

何も悪いことをしていないのに

2005年11月15日 | 心や命のこと
 町田市で、母娘二人暮らしだった可愛らしい女子高生が殺害されました。最近のいろいろな胸ふさがる事件の中でも、とりわけ心が痛みます。殺されなければならなかった理不尽さへの無念、残された母親の胸中は、想像を絶します。ご冥福をお祈り致します。

 さらに、犯人になった同じ高校の少年の供述にも胸が痛みます。もちろん罪は罪で、憎むべき事であり、肯定などできようはずはありません。ただ、彼を凶行に駆り立てた背景の、絶望的な孤独と怒りが供述の言葉に垣間見えて、本当に痛ましいと思います。

 「僕は何も悪いことをしていないのに、無視されていると思い、怒りを覚えて殺した。」

 勝手な言い分だ、ありがちな《おとなしい男の子の恋愛がらみの劣等感裏返しの攻撃性》による凶行だと片付けてしまってもいいけれど、たぶん彼が本当に怒りを覚え殺したかったのは《母親》だったんじゃないかな。
 もちろん、彼の母がどういう人物かはわかりませんし、実在の母親は何も問題の無い女性かもしれません。そうではなくて、概念としての母・・自分を受け入れ受容してくれるはずの外界、《周囲から与えられるべき母性》の欠如に対して、彼は怒りを抱いたのだと思う。その思いを、好意をもった少女に投影した。だから、普通なら殺意を抱くことは困難な、ろくに言葉も交わさない相手を惨殺するという行為ができたのだと思います。(そういう意味で、被害者の少女には一分一厘の落ち度もなかった。本当に可哀想です。)

 周囲の人々は、犯人の少年が、父親を亡くした頃から変わったと言っています。多感な年頃に、外界への指針となるべき《父性》を見失い、おそらくは夫を亡くして受容の余裕をなくした母からも充分な《母性》を感じ取ることが出来なかった彼の孤独は、想像に難くない。

 ボクは何も悪いことをしていないのに、どうしてよりによって自分の家族に死が訪れ、生きることはこんなにたいへんで、想いは人に伝わらないのか。そういう《外界すべて》に対する怒り。
 それは、若い誰もが、さまざまなバリエーションで、等しく体験する困難。
 その肩を「君だけじゃないよ」と抱きかかえ支えてくれる大人や友人や物語が、彼の周囲には無かった・・あるいは、あっても、彼自身が様々な理由(病気とか含む)で心を閉ざしていたんでしょう。
 残念なことです。

「いただきます」の心

2005年11月08日 | 文化・社会
 先日、食の冒険家・東京農大の小泉武夫氏のお話を伺う機会があった。

 すごく面白く、時間も延長したほど熱気にみちた講演。その中ですごく印象的だったエピソードがあるので、ご紹介します

 ***   ***   ***   ***

 日本人は食事の前に「いただきます」を言う。
 これはあたりまえのように思うけれど、よく考えれば世界中で「いただきます」を言うのは、日本だけ。他の国では、たとえば食べ物を与えてくれた人や作った人に対し「ありがとう」と言ったり、神や自然の恵みに「感謝します」と言うことはあっても、「いただきます」は無い。

 「いただきます」とは、何だろう?

 さぁ喰うぞ~、という合図? わざわざそんなことを言うなんて、がっついている感じ? ・・そうではないですよね。この言葉の真意は、別のところにある。

 小泉さんは、著書「冒険する舌」を出版した頃、編集者から聞かれたそうです。
「先生は本当にいろいろな物を食べてますねぇ。でも『これだけは食べられない!』ってモノ、無いんですか?」
 「いい質問です」と答えたそうです。「私は何でも食べられる。でも、たったひとつだけ、食べられないものがある。何だと思います? ・・それは《生きていないもの》です。」

 肉や魚はもちろん生きて動いていた。米だって稲として生きていた命だし、野菜だって全てそう。ミルクも元は血液だから、命の一部分。食べ物となって自分の生命を支えてくれているのは、《自分以外の他の命》なのです。

 食べるという行為は、自分のために他の命をもらう、犠牲にする、ということ。

 日本人はそのことに対して畏れの気持ちを抱く民族だった。そして、他の命をいただくこと、その犠牲への畏敬を込めて「いただきます」を言ったのです。
 この言葉は《いのちを奪うことを畏れかしこまる心》を、親から子へ世代を超えて伝えた、日本の文化なのです。

 「食べ物は、単なる物ではなく《いのち》。そう思ったら、少しも無駄にはできないでしょう。残したり捨てたりはできないはずです。」と小泉さんは熱っぽく語った。
 「でも今、日本は世界でも珍しいくらい、何万食もの食べ物を無駄に廃棄し、その9割を、燃料を加えてゴミとして燃やしてしまっている。これは島国だからという事情や構造的な問題がある、要するに大人が悪いんです。嘆かわしいことです、文化の危機です。次世代に日本の文化を伝えるために、まずは大人から再教育しなければなりません。それが《食育》です。子供に、食育だと言って家庭菜園でイモ掘りをさせれば済む問題じゃない・・」

 食はいのち、だから飽食は罪、というのは、少食と断食で自然治癒力を活性化させる医療に長年取り組んでこられた甲田光雄医師も、全く同じ話をしていたなぁ。命をいただいていることへの畏れを忘れ、食べ物をただの物質と見るから、無駄にしても平気でいられる。欲望のままに飽食美食を追い求め、生活習慣病になる。その罪深さを思いなさい、と。

 「いただきます」の心。私も、この言葉を次世代に伝えていけるような人間になりたいと思いました。

 蛇足:食事の前に《手を合わせてハッキリ声に出して「いただきます」を言う》習慣をつけると、聴覚からの反射で胃液の分泌が良くなり、消化にも良いそうです。自ら「パブロフの犬」になるわけですね(笑)

☆1クリック☆いただきまぁす(^^)

笑うところじゃない

2005年11月05日 | 文化・社会
 昨夜のテレビ朝日「情報ステーション」は、ひさびさに《いい仕事》をしてくれました。北川さんという女性の独占インタビュー。
 [スティーブ・マックィーンのアスベスト死]が見たくてチャンネルを合わせたんだけど、その前にこのインタビューがあり、目が釘付けになってしまった。

 何か理由があって北朝鮮へ「亡命」し、やっぱ帰りたくなったと言って帰ってきた女性。あまりのタイミングの良さに、北の意図はミエミエだし、こういう単純なやりかたで大衆の心は動くもんだと、北の指導者たちは本当に思ってるんだろうかと首をかしげるし、その《駒》に自ら望んで?なったらしいこの女性の内面にも興味が湧くが、まぁそれはともかく。

 まるで人形のように固定した視線と表情。少ないまばたきと、逆にちらちら落ち着きなく動揺し続ける瞳 (頭の中で文章が飛び交っているカンジ・・かなり訓練した想定問答を想起している?)。録音を再生するみたいな、文脈から微妙に外れた応答と、違う質問に対する同フレーズ。

 このインタビューを見れば、いかに北がカルト国家かが如実に伝わる。

 北の問題にあまり関心がなくて、「よく知らないけど、やっぱ日本も過去の清算とやらをしなきゃいけないんじゃないのー?」と漠然と思っている人にも、このインタビューに漂う違和感や不気味さから、何かを感じてもらえたんじゃないかと。そういう意味で、《いい仕事》だと思ったです(それはテレ朝の意図とは違うかもしれませんが・・^^;)

 私が一番寒気を感じたのは、彼女がインタビュー中で唯一、表情をコントロールできなかった場面。
 北に滞在中、何か行動抑制はなかったか、みたいな質問をされて彼女は「服装に気をつけろと言われた。肌を見せないようにと。ノースリーブのワンピース等、あなたはまるで裸のようだとホテルの従業員からも言われた」というようなことを言って、抑えきれないように笑い顔を見せた。
 ・・この笑いは、何・・?
 含羞ゆえじゃない。もっとフクザツな思いが綯い交ぜになって、彼女のナマの表情が噴き出した。
 若くて美しい彼女。そのことも、何かの手段となり、力となったにちがいない。あるいは、弱点や攻撃対象かもしれないが、とにかく、彼女自身、自分の女性としての魅力が何かの意味をもった場面を経験し、自覚している。だから、あんな表情をしたのだと思う。
 たとえば「まるで裸のようだと非難されて辛かった」のなら、その不快な思い出の例として、ここは笑うところじゃない。でも、彼女はこらえきれずに笑った・・何故?

 ・・これ以上の想像は愉快じゃないし、人それぞれの感じ方考え方もあるので、おしまい。私はそういう、性的魅力の意味づけに寒気を感じる、というだけの話。

第三次小泉内閣の顔ぶれ

2005年11月01日 | 文化・社会
 感想を、とりとめなく。

 ダーリンが帰宅したので、開口一番、私が報告。「安倍ちゃん、幹事長だよ!」
 その時のダーリンの曖昧模糊とした表情を見て、すぐに私は、自分が言い間違ったことを悟った・・(笑) 安倍ちゃんは、官房長官です。「よしっ!」 一瞬にしろ、気分を削いでしまってゴメンナサイ。
 人物紹介で「拉致被害者家族からの信頼も厚い安倍氏」とのコメントあり。社会的認知が遅れる中で頑張ってこられた被害者家族の方たちの、これまでの日々を想像すると、あらためて涙が出そうになる。

 閣僚決定直前の昼のワイドショーで、誰かが「・・●※▼の場合は、外相が福田さんで・・」と言い出したので、思わず仕事の手を止めて「いくら何でもそれはねぇべ!」とブラウン管にツッコんでしまった。案の定、それは無かった。
 抱負を語るとき麻生さんの口から「国益」という単語が出たので、ひとまずは安心かな、と思った。麻生さんのイメージする「国益」がどんな姿なのかはこれから徐々に明らかになってくると思うけど。
 わたし的には、小池さん留任でハッピー 
 できるなら、普天間飛行場代替施設建設計画、もう少し何とかなりませんかね。
 応接室に全閣僚が顔をそろえたシーンで、小池さんが着ていた白黒の服、センス良い~。

 米国産牛肉の輸入再開か?というこの時期の農水相は、手腕が問われるというか注目されるというか。そこに中川さんなのが、ちょっと楽しみなような気がします。他の国からの農水産物についても、しっかりヨロシク。フードマイレージについても取り組むことをキボー。

 法務相の杉浦さんが、着任早々「個人的哲学?に基づいて、死刑執行書類にサインはしない」と言ったとか。私は、死刑制度についてはまだ発言するほど考えがまとまりません。そういう意味でも、ちょっと注目しようかなと思っています。趨勢に影響は無いのかもしれませんが。

 文部科学相は、語った抱負を聞いて、ちょっと好みじゃないなぁ、大丈夫かなぁと思いました。まぁ、きっと大丈夫なんでしょうけど(笑)