六畳の神殿

私の神さまは様々な姿をしています。他者の善意、自分の良心、自然、文化、季節、社会・・それらへの祈りの記。

虹色のシャボン玉 空までとばそう

2012年01月21日 | 日々のこと
 今日はこれから町田へ音楽座ミュージカル「シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ」を観にいきます。

 とても楽しみです。

 はじめて音楽座と出逢ったのがこの作品でした。
 ミュージカルといえば、学校の体育館などを巡業している劇団かオペラ系のこんにゃく座、さもなくば宝塚か劇団四季しか選択肢が無いと思っていた私は、こんなプロ劇団があるんだ!!という発見に心をゆさぶられました。
 「もう何年か早く出会っていたら人生の選択が変わったのに」と思いました。

 高校生の頃「10年に1度の逸材」と音楽大学に進学することを勧められ、迷ったあげく、歌の道はあきらめた私。しかし進路を決める高3の春までにもし音楽座に出会っていたら、絶対に音楽大学に進学していたと思う。
 そのくらい好き・・というより、その時の自分にピッタリくる作品だった。
 
 夢を追うのは今からでも遅くないのではないか、と思った20代半ばの私は、音楽座の入団オーディションを受けた。地元でいっしょにミュージカルを作っていた仲間4、5人といっしょに。
 けれど、私は決めていた。もう20代も半ば。それまでに歌や踊りにさんざんレッスン費をつぎこんできている。もしこのオーディションで、劇団員として、つまり「プロとして」合格できれば、思いきって舞台の世界にとびこもう。でも研究生(レッスンを受けてプロを目指す)としての合格であれば、プロになることはきっぱりあきらめよう。年齢からしても、自分自身に今後レッスン費などの投資をしても、将来性という意味で「プロとしての先」はない。

 結果は、仲間のなかで私ひとりが研究生として合格した。

 決めていたので、入団はあきらめた。仲間は「何で?」といぶかしがった。自分たちは得ることができなかった「あこがれの音楽座に入れる切符」を、私がなぜむざむざ捨てるのか、と。
 でも私は、音楽座のオーディションをうけたことで自分の心と向き合い、世の中をみつめ、大事なことを勉強させてもらった。満足し、とても感謝している。

 翌年以降、仲間たちはそれぞれ、再オーディションをうけて晴れて音楽座の研究生になったり、他の劇団に入団したり、地元に残って自らの夢のために頑張ったりした。私は、大好きな舞台に心をはげまされつつ勉強をつづけ、大学院へゆく道を進んで、今日ただいま、ここにいる。

 人生の転機のそばに、音楽座があった。その入り口が、この作品だった。

 あの時のときめき、「その日の自分」に、今日は会いにいきます。ダーリンといっしょに。