六畳の神殿

私の神さまは様々な姿をしています。他者の善意、自分の良心、自然、文化、季節、社会・・それらへの祈りの記。

木漏れ日

2007年05月31日 | 日々のこと
 通勤途中の今朝の木漏れ日が、あまりに綺麗だったので、写メ。

 ・・しかし、朝がこうだったのに、退勤時には土砂降りの雷雨になるとはねぇ。ヘンな天候です。

舞台「薮原検校」

2007年05月31日 | 舞台
 脚本:井上ひさし、演出:蜷川幸雄、主演:古田新太、というので、観に行きました。「薮原検校」。
 しかし、感想は・・

 何というか《脚本:井上ひさし、演出:蜷川幸雄、主演:古田新太》って作品だった・・(←そのまんまやん!)
 だって、正直それ以外に言いようがないんだもん

 異なった才能のぶつかり合いが醸しだす煙というか混沌の匂いというか雑味の腐臭というか、そういう何か下手するとぐちゃぐちゃになりそうだけれど上手く歯車が合うととんでもない高みにまで一挙に登りつめられるみたいな危うさやドキドキ感の面白さを期待していったのだけれど。その点は残念ながら肩透かしだったな。各々が手練のお三人、それを期待する方が間違ってたか・・ 
 それぞれの才能をいかんなく発揮していた、というのは間違いないことですけれど。

 そして私は「やっぱり井上ひさしは苦手だ・・」ってことも再認識しましたです・・。
 何でだろう? 彼の何が苦手なのかなぁ。今までに井上作品で「これはイケル!」と思ったものって無いんだよ。一般的にはこれだけ人気のある作家なのに、どこが良いのかよく分からない。かといって、自分にとってどういう部分が苦手なのかもハッキリしない。だから「別の作品に出会えば、印象が変わるかもしれない」とつい期待して、観たり読んだりしてしまう。これだけ人口に膾炙しているんだから、何か私の見逃している面白さがあるに違いないと思ってしまうわけですよ。
 おススメの井上ひさし作品がありましたらコメント欄で教えて下さ~い

気になるCM

2007年05月25日 | 文化・社会
 どーでもいい話なので、おヒマな方だけおつきあい下さい。

【その1】
 可愛い女性の声で、♪~見たことのないものー、見てみったぁいナ~♪・・と始まるCMがある。
 見たいものは「鯨のダンス」「オーロラ」と続き、最後に「蟻ンこの涙」。で、「いつかきっと見れるよね?」という歌詞で終わる。
 このCMが流れるたび、
「夢を壊して悪いが、無いものは見れん!」
 とツッコミを入れずにはいられない私は、もしかしてこのCMが好きなのかもしれません。(そのわりに、このCM主が何をやっている会社グループなのかは知らない・・)


【その2】
 いろいろなCMが夏向けのバージョンになっています。
 その中のひとつ、シャンプーのCM。メインキャストである女性お笑い芸人や、おネェ言葉の漫画家タレントと一緒に、5,6人の若くてキレイな女の子たちが出てくるアレです。前バージョンはたしか全員が白いバスローブ着てたと思う。
 今は夏向けなので、みんな水着です。
 その姿を見て、思わず口あんぐり。
 出てくる女の子たちがみんな、細いこと細いこと・・! いや、もう細いどころではない、これは《薄い》と表現したいような、心もとない、もっと言えば不健康さを感じさせる体形。
  いくら何でもこれはマズイんじゃないか?
 とてもじゃないが彼女たちに女性的な魅力を感じることができない。見るたび、病人を見てるような気分になってしまう。この中に生理止まってるコとか過食嘔吐してるコとか、いないか?大丈夫か?と心配になる。

 こういう女性たちを水着審査とかしてキャスティングした制作者にモンダイがあると思うなぁ。
 パリコレでもたしか、モデルの死をきっかけに、標準以下の体重のモデルを採用しないことで、行き過ぎたスリム志向に警鐘を鳴らす取り組みを始めたはず。
 《美》を追求する会社なら、そのくらいの社会的な意識をもってCMを作って欲しいと思う。

映画「眉山」

2007年05月22日 | 映画
 映画館で映画を一定回数を観ると、貯まったポイントで1本無料で観ることができる。
 どれを観ようか迷ったけれど、これにした。さだまさし原作の映画「眉山」

 この映画、原作がまっさんなだけで、作品中にさだまさしカラーは感じられません。挿入歌とかも無いしね。
 そのことは、別に良いとも悪いとも思わなかった。

 でも、泣き系の映画と期待して行ったわりには、いっぺんもジーンときませんでした、ゴメン!
 クライマックスのシーンで泣いてた女性陣はけっこう居たんだけど。彼女たちは、宮本信子演じる母に感情移入してたのか、松嶋奈々子演じる娘に感情移入してウルウルしてたのか、どっちなんじゃろー??と、そっちの方が気になった(笑)

 まっさんの作品なのにこの淡白な感覚はナンじゃろーと自分でも不思議になったので、後日、本屋で原作を手にとってみた。すると、登場人物(主に娘)に感情移入できるじゃございませんか。

 ・・とすると、監督か脚本がモンダイなのだね。

 でも犬堂一心って、「黄泉がえり」とか「いぬのえいが」を撮った監督だよね~・・
 あれらは、良かったけどなぁ。
 じゃあ、悪いのは脚本か?
 でも、それら含めて、監督の責任だからね~・・。うぅーむ・・。

 宮本信子演じる母、カッコイイ。こういうオンナになりたいと思わせられます。しかもその生き方や姿勢を周囲から十二分に理解され、受容されて幸せそう。
 なので、その母に一人反発する松嶋奈々子演じる娘が、ただ単に幼いだけに見えてしまう。娘の孤独や辛さを充分に描ききれてないために、観る側は「娘~、早くオトナになりなよー。相手は先が短いんだし。アンタ素質はあるんだから、母を見習ってカッコイイ女になって和解しなよ~」って気になっちゃう。

 そう思って表情を凝視するためか、この映画ではやたら松嶋奈々子の顔の造作が気になった。彼女の美しさとか全体の雰囲気を引き立てるとかじゃなく、顔のパーツがいちいち気になるだよ・・犬堂監督は松嶋奈々子の大ファン(マニア)か、それとも逆に松嶋奈々子がキライなのか?と思うくらい、気になる構図のアップが多くて・・それも、感情移入しづらかった原因のひとつ。

 そして、阿波踊りを観に行ったことのある人なら、あの踊り込みだの総踊りだのの場面で、あの展開は・・ああいう再会の仕方はハッキリ言って無理!絶対ありえね~!と思いません?
 阿波踊りをナメてる。同行者だってはぐれてもってかれちゃうような混雑と騒音と熱気の中で、あれは無いだろーと思う。阿波踊りってもっともっと圧倒的なのに、その魅力まで削いでしまった。

 むしろ、父にはどっかの連で踊って出てきて欲しかったなー。その方が感動的だったろうに。
 ・・でももし父が連に入って踊るような性格の人物だったなら、そもそもああいう生き方とか、母娘をこういう事態に置き去りにしたりはしないやね。

 この映画から表向き伝えられるメッセージは「仕事は女の舞台」「女は愛を胸に抱いていれば、ひとりでも凛々しく生きられる」
 ・・でもその割には、たとえば病床の母を嫌な顔ひとつせずかいがいしく看護する専業主婦らしい叔母(円城寺あや)が素晴らしいし、ラストは、母の病のおかげで出会えた結婚相手(大沢たかお)と幸せそうに去っていく二人・・

 ・・?? どっちも女の幸せ、女の生き様には違いないが・・何かダブルメッセージっぽくて、この映画ではどっちを言いたかったんさ? とツッコミたくなりました。
 どの生き方を選んでも、結局女は愛にあふれててみ~んな幸せ、めでたしめでたし・・って映画だったのでしょーか??

映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」

2007年05月18日 | 映画
 先日は、石原都知事制作総指揮の映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」
(・・このタイトル、長くて言いにくいよ )を観てきました。

 ネタバレあり注意。(5月19日加筆あり)。

 では感想。
 この映画はアレだね、教科書的存在の映画だね。
 どういう意味かというと。
 その人の持ってる思想は右でも左でも良い、とにかく日本人なら全員、ひととおりコレには目を通しなさい、みたいな。自分の父祖の代にこういう事実があったということはおさえておきなさいってゆー、その目的で観るのに適した作品ではないかと。
 これを観たうえで、先の戦争や日本や自分の立ち位置をどう考えるか・・右にいくか左にいくか真ん中をいくか、それを各人で、是非真剣に、いっぺんくらいは考えて欲しいなと思いました。

 もっとも、「そんなことマジメに考えるのは嫌~」という人には特におススメはしません、なにせ「教科書映画」ですから(笑)。この作品をスペクタクルとかエンターテインメントとは呼びにくい。

 この映画を称して「戦争賛美だ」と言う人がいるらしいけど、首をかしげる。ほんとにコレ観て・・こんな哀しい映画を観て、戦争を肯定し気分高揚するかや??
 また、作品中で将校が言った台詞をとりあげて「過去の日本はやっぱ正しかったのだ、あれは聖戦だったのだと主張するためのプロパガンダ映画」みたいな評価をする人もいるらしいけど、それもどーかな。だって当時は事実みんなが迷いつつ疑いつつそういう空気のもとに生きていたわけで。その背景を描かずしてどうやって特攻につながる過程や心理状態を理解できるのかと逆に問いたい。プロパガンダ映画っつーのは、現代の立ち位置からの色眼鏡を通しすぎな評価だと思う。

 わたし的に観てて辛かったのは、たびたび出てくる血書のシーン。演出か知らんけど、そんなに大量の血は流さないでくれぇ~ とついつい目をつぶっちゃいました。

 でも、これがこの映画のテーマかもね。

 日本人皆が、血を流していた。一億火の玉で、先の戦争を戦った。それが正しかったか間違っていたかの評価とは別に、その事実は、みんなが受け止めなければならないと思う。一部の指導者・・自己保身と功名だけを目的とした無能な指導者に無辜の大衆は騙されていたのだ、だからそいつら悪い指導者だけを糾弾すれば良い・・という文脈では、本当の意味で先の戦争を理解したことにはならない。
 私は最近、仕事で接する人の中に、昭和19年頃から20年の春にかけて生まれた人に、名前に「勝」の文字が入っている人が異様に多いことを実感している。「勝男」さんとか「勝子」さんとか「勝治」さんとか・・。統計をとったら絶対に、この年代の人だけ明らかに有意な差が出ると思う。生まれた我が子に「勝」の字を授ける・・この1点だけでも、一般の人々がどういう心理状態の中にあり、何を希望と信じ、どういう立ち位置にいたかを推し量ることができるのではないか。
 今と未来の平和は、その時間の流れの上にある。当時、何が誤りで、何が問題だったのか、それを冷静に分析し受け止めないことには、未来の平和を考えることにもつながらないと改めて思った。

 観ていて私が強くくり返し感じたのは「責任」の二文字。
 この国に生を受け、こうして平和と繁栄を享受している以上、過去にこのように散っていった人たちから知らずに手渡されていた愛に応えるために、この国をもっと良くする責任があるのではないか。選挙権をもつ成人として。
 そう身の引き締まる思いがしたですよ。

 具体的エピソードでは、「・・我六才より育て下されし母・・」の手紙・・!あれダメなんだよ~(号泣)さだまさしのアルバム「さよならニッポン」の「兵士の手紙ときよしこの夜」って曲にもあるけどさ~。
 ・・今回の映画内で使われた朗読は「そうじゃないだろ!」って言いたくなる読み方ではあったが(苦笑)まぁそれは役者や演出家それぞれの解釈の好みでね。どんな読み方されても、この手紙は必泣~

 同じ意味で、寺田農演じる老いたお父さんが、息子の窪塚に「お願いします」とくり返し頭を下げる場面・・特攻に志願した息子をどんな思いで見送ったのか、それを想像すると胸がつぶれそうな気持ちになる。

 石橋蓮司も良かったです。去り行く飛行機に気づいてハッと道端に土下座するシーン。思わずウルウルきてしまいました。

 それにしても今回の窪塚は、よかったねぇぇ~! ・・正直言って、窪塚洋介にはあんまり良いイメージもってなかった(チャラチャラでプッツンな若者ってイメージでした、ゴメンね)ですが、今回は見る目が変わりました。きちんとコントロールされた演技の中に、裡に秘めた熱とか怒りとかを凄く表現できていた。これは見込みがある。これから良い役者になっていく人かもしれません。期待しちゃう。

 あと、今回の映画の一番の功労者は、冒頭にちらっとしか出ない、的場浩司だと思います。彼の、特攻に同意する時の鬼気迫る表情と声が大きな駆動力となって、作品全体を牽引していったと思いました。この人も良い役者なのね。見直したパート2。

 注目株は中村友也。自分は19歳で死ぬから残りの寿命はトメにあげるって言う彼です。彼の、トメに迷いを吐露する井戸端のシーンの表情は必見。なんて哀しくも美しい決意・・彼なら本当に蛍になって戻ってくると思える。

 筒井道隆は・・この人はあいかわらずね・・でもこれが彼の個性っちゅーか存在感っちゅーか・・こういうなさけな~い味うす~い感じを表現する役者さんも稀有かもしれない
 あと、徳重聡。主人公なのに、この存在感の薄さは・・ いや多分、私の中でピントの合わないタイプの人なんだと思う、この人。ルックス良いのに、何故か顔が覚えられないんですよ。整いすぎて、クセがなさすぎて、記憶に残らないの。これで何か(例えば演技がすごい下手とか)印象に残ることがあれば別なんだろうけど。・・たとえばこの役をぐっさんとかがやったら、あたしラストシーンで号泣すると思うな~。(いや、ぐっさん好きなんで ^^;)

 岸惠子は、上手に歳をとってる女優さんですよね~。若い頃の印象が強いと、老いが隠せなくなった時、残念だなーと思う美人女優さんが多い中(いや、誰とは言いませんが・・)無理して若さを写そうとするのでなく、老けたら老けたなりの美しさを見せてくれる。この路線で、生涯現役で銀幕を輝かせて欲しいでーす。

マイケル

2007年05月14日 | 日々のこと
 このコがマイケルです。
 だいぶ馴れてきたのか、意外に簡単に撮らせてくれました。

 この画像を見て「あら・・?このコ、うちのコだわ!」と思われた方がいましたら・・

 ・・・

 ・・・

 す、すみません、煮干の味を教えたのは私です・・っ!

弘前の桜

2007年05月08日 | 日々のこと
 皆さま、楽しい黄金週間をお過ごしでしたか?

 私は、実家に帰省ついでに「日帰りバスツアー」に参加。GWで人出ナンバー1と言われる、弘前城の桜を見物して参りました。

 少し盛りを過ぎて、華やかに風に舞い踊る花びらの吹雪が、それはそれは見事でした。お堀の水面に降りしきった花びらは濃淡を描いてたゆたい、細い水路から流れ去ってゆきます。でも、あとからあとからふりつもるので、こんな美しい色を観ることができました。

 桜、好きだな~・・