六畳の神殿

私の神さまは様々な姿をしています。他者の善意、自分の良心、自然、文化、季節、社会・・それらへの祈りの記。

音の謎

2010年11月20日 | 音楽
 久しぶりに更新~♪

 昨夜は、王子駅前の《北とぴあ つつじホール》で開催された林英哲のレクチャー&ライブに行ってきました。

 いっしょに行くはずで急用で行けなくなったダーリンが悔しがると思うのでナイショなのですが、すごく良かったです(笑) なんせ席が「C列」!上手の端っこの方なので「A列」が無く、実際は前から2列目でした。つつじホール自体はぱっと見、音響にそんなに配慮したホールじゃなさそうなので、中央や後ろの方の席ならふつうの感動だったかもしれません。でも前から2列目ともなると演奏者自身がつつまれているのとほぼ同じ音を聴けるわけで。演奏者の息遣いも聞こえて、そこんとこが何とも良かったでした。

 しかし、英哲の太鼓というのは・・・何度聴いても不思議なのですが、どうしてあんな音がするんだろう。

 ふつう、太鼓を叩く音を文字にすると「ドン」とか「バン」だよね。それが英哲は「ズドォン」と聴こえる。
 音が深いの。

 せっかく前から2列目なんだから、この音の謎を解けないかと演奏のあいだ中ジィィーーーっっと見つめてたけど、やっぱわかんなかった(あたりまえじゃww)

 使う楽器のせいかと思うでしょ?
 でも太鼓をかえても同じ。太鼓は皮をバチで叩いて音を出す。でも英哲の鳴らす音はどの太鼓でも常に皮の15cmくらい内側で鳴ってるように聴こえるのですよ。皮を叩いてるのではなく、皮を使って空気を鳴らしている。

 私はテニスってのが全然ダメでやらないんですが、むかし硬式テニス体験教室みたいなのを受けた時に。ずっしりと重量感のあるラケットをやっとの思いで振ると硬い球がガッ!ゴッ!と当たってはじき返され、腕は筋肉痛。負けじと力を入れると場外ホームランばかり。
(これを楽しむなんて無理・・・ orz)
 ところがしばらく頑張っていると、ある瞬間、いわゆるラケットの芯?にうまくボールが当たって、夢のように軽い衝撃で、まっすぐな球がコートの目指すところに落ちた。
 おお!これかぁ。これなら楽しくプレーできるだろう♪
 ・・・ま、その「神」な一瞬はその一度きりだったので、その後私がテニス教室に通うことはついになかったわけですが(笑) テニス愛好者はこのラケットの芯に当てるストロークを我がものにするためにひたすら素振りだ壁打ちだと頑張ってワザを磨くわけですな。

 そんなふうに。
 英哲は、空気を鳴らすための太鼓の芯みたいなものを一打一打ちゃんととらえているんだろうと思います。・・・つーか、どんな一打も一音も逃すことなく空気を鳴らしているから、あんな演奏ができるのでしょう。その集中力たるや・・・すごいです。聴衆は、太鼓を聴いているつもりで実は英哲の気迫を聴いているのかもしれません。

 12月6日(月)にはサントリーホールでソロコンサートがあり、それにも行く予定です。まだチケットあるそうですよ。おススメです。