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風になりたい

自作の小説とエッセイをアップしています。テーマは「個人」としてどう生きるか。純文学風の作品が好みです。

晴れた日曜日の朝

2019年03月31日 07時15分15秒 | 詩集

 晴れあがった
 日曜日の朝
 まぶしい春の光
 桜はきれいに咲いて
 そよ風にゆれる

 公園で遊ぶ
 こどもたちの
 はしゃぎ声
 舞い踊るのは
 ぼくのこころ

 トランクにつめた夢
 財布に入れた
 新幹線の片道切符
 つぎの街へ行って
 新しい暮らしを
 始めるんだ

  しあわせになるために
  変わりつづける
  変わりつづけるなかで
  しあわせをつかむ

 落ち着いたら
 きみを呼ぶから
 もうすこしだけ
 待っていて
 そんなに時間は
 かからないよ
 ぼくたちの
 新しい暮らしを
 始めるんだ

 晴れあがった
 日曜日の朝
 さわやかな希望の光
 こころはきれいに咲いて
 そよ風にゆれる


やわらかな光の舞う

2019年03月25日 06時45分45秒 | 詩集

 あなたと過ごす時間
 やわらかな光の舞う
 素敵な時間
 雪解けの
 春の陽射しのような
 ほゝえみを

 あなたと暮らすまで
 知らなかった
 愛のよろこび
 心のぬくもり
 それから
 生きる意味

 孤独に悩んだ
 冷たい風の夜が
 まるで嘘のようで
 こんなにおだやかな
 心持ちになれるだなんて
 思いもしなかった

 あなたと生きるから
 世界が輝く
 時のしずくが
 やさしく光る
 抱きしめて
 あなたの心を
 ただ抱きしめて

 あなたと過ごす時間
 しあわせが草笛を吹く
 軽やかな時間
 川辺に咲く
 花のように
 寄り添っていたい
 いつまでも


惜別

2019年03月18日 06時15分15秒 | 詩集

 集いはいつか終わる
 いつかは別れがくる
 今日がその日
 ありがとう
 ひと声言って
 僕は旅立つよ

 長い付き合いだったね
 初めて話をしたのは
 あの堤防のうえだった
 海風を感じながら
 たわいもない
 おしゃべりをしたっけ

  花束をありがとう
  あざやかなバラだね
  華麗なヒアシンスだね
  かすみ草もかわいいね
  大切にするよ

 語り合った夢は
 はんぶんくらいは
 ものにできたかな
 なにもなかった
 あの頃とくらべれば
 ずいぶんよくなった

 君たちの夢と
 僕の夢が
 交じり合った
 素敵な時間
 苦しかったことも
 今となっては
 いい思い出だね

 名残は惜しいけど
 いつかは別れがくる
 今日がその日
 元気でね
 感謝を胸に抱いて
 僕は旅立つよ


純白があなたの心に

2019年03月11日 06時15分15秒 | 詩集

 静かな気持ちになれましたか
 今宵の歌はどうでしたか
 静かな雪が降り積もるように
 純白が
 おだやかな純白が
 あなたの心に舞い降りたでしょうか

 心はときに
 散らかってしまったり
 しおれてしまったり
 汚れてしまうものだから
 美しい声で
 たおやかな純白で
 拭いてあげなくてはいけないのです

 静かな気持ちになれたなら
 振り返ってみるのもいいでしょう
 やさしい気持ちになれたなら
 いたわってみるのもいいでしょう
 心の傷は
 癒されなくてはなりません

 純白の雪の心
 ひとときの憩い
 泣きたくなったら
 涙を流すのもいいでしょう
 祈りたくなったら
 熱い想いを捧げるのもいいでしょう

 静かな気持ちになれましたか
 子供のようになれましたか
 静かな雪が降り積もるように
 純白が
 あどけない純白が
 あなたの心に届いたでしょうか



砂の家

2019年03月04日 06時45分45秒 | 詩集

 そのかたくなさが
 やさしさを遠ざけ
 そのかたくなさが
 やるせなさを呼んだ

 そのかたくなさが
 言葉を遠ざけ
 そのかたくなさが
 さびしさを募らせた

 そのかたくなさが
 思いやりを遠ざけ
 そのかたくなさが
 こころを傷つけた

 愛の灯らない
 砂の家
 崩れるばかりの
 砂の家

 そのかたくなさが
 むなしさを募らせ
 そのかたくなさが
 悲しみを招いた

 そのかたくなさが
 こころを孤立させ
 そのかたくなさが
 憎しみを呼んだ

 そのかたくなさが
 想いを殺し
 そのかたくなさが
 ぬくもりを十字架にかけた

  恨み合って
  暮らすくらいなら
  出会わなければ
  よかったのに

 愛を裏切る
 砂の家
 狂うばかりの
 砂の家


履歴書を書きながら

2019年02月25日 06時45分45秒 | 詩集

 そろそろ答えが出たのかと訊かれても
 いやいやまだだよと答えるしかない
 いったいいつまで待たせるのだい
 と問われたら
 そんなに急ぐものでもないだろう
 と開き直る

 答えらしきものが
 見えてきたような気もするが
 遠いとおい水平線のうえに小さな帆が
 ぽつんとぼんやり見えるだけで
 確かなことはわからない
 それが見えるようになっただけでも
 進歩だといえばそうだけど

  いい歳をしたおじさんになってから
  若い頃に読んだを本を読み返して思うのは
  いろんなことを見落としていたということ
  わからないことが多すぎたんだな
  つまらないことにとらわれすぎていたんだな

 この十年間ほどやってきたことは
 だいたいやり尽くした
 同じことを繰り返してもしかたないから
 そろそろ次へ進もうと思っている
 この先になにがあるのか
 行ってみないことにはわからないけど
 ともかく新しいことを始めてみたいから

  経歴を書きながら
  これまでやってきたことを確かめる
  たまには過去を振り返ってみるのもいいさ
  志望動機を書きながら
  やってみたいことに想いを馳せる
  これからどうなるのかわくわくする

 うまくいけばそれでよし
 だめだったらまた考え直せばいい
 やり直しはいくらでもきく
 失望なんて捨てればいい
 いきがってみたところで
 どうにもならないことはどうにもならない
 カオスの濁流に飲み込まれたように思えても
 かならず岸辺へはい上がる
 ひとりでは生きられない
 それがこれまでにわかったこと

 まだまだ答えは出せないよ
 まだまだ答えは出さないよ
 人生を語るにはまだ早いのさ


声をとりこむ

2019年02月05日 21時15分15秒 | 詩集

 死にたいだなんて
 簡単に言うんじゃないよ
 外へ出て
 働いてみな

 耳をふさいだままじゃ
 心が腐ってしまうのさ
 できることはある
 なにもできないわけじゃない
 今できることを
 とにかく始めてみることだね

 この世は巨大なジグソーパズル
 君はその1ピースにすぎない
 それなのに
 自分だけで世界が完結しているように
 思ってもしかたないじゃないか
 破滅するだけだよ

 自己の意識は
 自分だけで保てはしない
 他者の意識とつながることで
 なんとか自分を保てるんだ
 自分を創ることができるんだ

 他者の声を
 自分の心へ取り込むんだよ
 素敵な声に出会ったら
 素直に真似をすればいい
 嫌な声に出会ったら
 こんなふうにしてはいけないんだなと
 自分を戒めればいい
 あんなふうにならなくてよかったと
 神さまか仏さまに感謝するのもいいさ

 外へ出て
 もしも悲しみに心が折れそうになったら
 死にたいと思った自分を
 思い出してごらん


風の吹く先へ

2018年12月16日 07時30分30秒 | 詩集

 新しいことを始めるのに
 理屈なんていらないよ
 やりたいからやる
 それでいいじゃない

 風はいつも吹いている
 いつも いつのときも
 生まれ変わってる
 その先にあるものを
 僕は見たいんだ


 やり直そうなんて思わない
 明日を見つめるだけでいい
 人は変わり続ける
 それでいいじゃない

 夢を君と抱きしめる
 君と 君だけと
 想い描いている
 満ち足りたしあわせを
 わかちあいたい


 とにかく始めてみようよ
 どんなことでもいいから
 悩むなんてばかみたい
 それでいいじゃない

 風はいつも吹いている
 いつも いつのときも
 生まれ変わってる
 元気さえあれば
 なんでもできるんだ


うまれてきたわけがある

2018年11月17日 20時05分05秒 | 詩集

 花は見上げる
 夜空の星
 いつかいつの日か
 愛されたい
 うまれてきた
 わけがある

 鳥は眠る
 夜のしじま
 いつかいつの日か
 夢を飛びたい
 ここにいる
 わけがある

 風はそよぐ
 銀色の波間
 いつかいつの日か
 しあわせの歌を
 うまれてきた
 わけがある

 月は眼を閉じる
 雲に抱かれ
 いつかいつの日か
 悲しみを越えて
 ここにいる
 わけがある



取り戻す言葉

2018年11月11日 07時15分15秒 | 詩集

 変わらないでいるために
 新しい道を探してみる
 変わらない言葉を
 取り戻すために
 新しいことを始めてみる

 怒りや憤りを通り越し
 諦めも通り過ぎたら
 なにを言いたかったのか
 なにを想っていたのか
 忘れてしまった
 大切な言葉は
 ずっとそばにいるはずなのに

 すべてを
 忘れてしまってからでは
 遅すぎるから
 もう取り戻せなくなるから
 あたたかいぬくもりを
 失くしたくはないから

  取り戻す心
  取り戻す夢
  取り戻す詩(うた)
  取り戻す言葉

 大切な言葉を
 取り戻すために
 今ここから
 もう一度やり直してみる
 今日と同じ
 明日のためにではなく
 永遠を目指す
 新しい明日のために


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