風になりたい

自作の小説とエッセイをアップしています。テーマは「個人」としてどう生きるか。純文学風の作品が好みです。

ふたりの星座

2019年10月30日 06時15分15秒 | 詩集

 ふたりで見つけた
 しあわせの形
 君のそばに僕がいて
 僕のそばに君がいる
 ただそれだけ

 水平線に沈む
 流れ星を眺めていようよ
 きれいな星の夜だね
 澄んだ風だね
 君の髪が
 ふわりと揺れる

 星と星が寄り添うように
 肩をならべていようよ
 ぬくもりを感じるだけで
 気持ちが通うから
 静かだね
 波の音だけだね

  君が口笛を吹く
  愛のメロディー
  僕たちのこころを
  ふわっとくるむ
  やさしい調べ

 ふたりで見つけた
 ほんとうのしあわせ
 君のそばに僕がいて
 僕のそばに君がいる
 ただそれだけ
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トロピカルフルーツ色のさよなら

2019年10月24日 06時15分15秒 | 詩集

 夏の夕暮れは
 熟れたトロピカルフルーツの色
 甘酸っぱく揺れる想い
 冷めかけた熱気が
 ビルの谷間に吹く

 クラクション鳴り響く
 賑やかなラッシュアワー
 ガジュマルの樹のしたで
 いつものように遅刻する
 君を待ち続けた

  ようやく現われた君は
  淡い愁いを眉根に浮かべ
  ひっそりと笑顔をつくろう
  あゝ 心のノートに
  さよならを書きつけてきたんだね

 夢を語るときも
 君はどこか冷たい横顔
 あこがれた女(ひと)なのに
 ひと夏の恋で終わりそうな
 予感がさびしかった

 素敵な思い出をありがとうって
 僕に言わせるつもりなの
 それでもいいいけど
 とろけるようなkissを
 お別れの前にもう一度

  君が欲しいものを
  僕はあげられない
  君がなにを望んでいるのか
  僕にはわからない
  あゝ 出会った初めから
  すれ違っていたんだね
  さ・よ・な・ら

 せめて君が
 華やいだ街角を曲がるまで
 その背中を見送らさせて
 ちぎれた恋
 風にさらわれる
 夏の夕暮れは
 熟れたトロピカルフルーツの色
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