風になりたい

自作の小説とエッセイをアップしています。テーマは「個人」としてどう生きるか。純文学風の作品が好みです。

テレビ版のノリのスタートレックⅤ(スタートレック大好き3)

2012年02月03日 16時00分15秒 | スタートレック大好き
 
 映画だけど、ノリはテレビシリーズのそれだ。
 特撮予算が削減されたとかで劇場用にしては特撮シーンやセットがしょぼかったりするシーンがあるから物足りなさを感じる人がいるかもしれないけど、ファンとしてはテレビシリーズのような雰囲気がとてもよかった。
 テレビシリーズのノリと映画のスペクタクルな雰囲気や盛り上がりを両立させるのは案外むずかしいかもしれない。劇場版としてはじゅうぶんに楽しめたけど、「スタートレック」としてはどうなんだろうと思う作品がなかにはあったりする。トレッキーは熱烈なスタートレックファンだけど、思い入れがたっぷりあるぶん、なにかとうるさいから映画を製作するほうもたいへんかもしれない。欲を言えば、ラストのほうでストーリーにもう一捻りほしかったところではあるけど。

 この作品のいちばんいいところはカーク船長、ミスター・スポック、ドクター・マッコイの友情をしっかり描いているところだ。
 スポックのとぼけたユーモア、マッコイの毒舌がよく効いている。
 スタートレックはSF的なアイデアやスタートレック精神とでもいうべき思想もだいじだけど、なにより主役の三人の人間関係をうまく描けているかどうかがポイントだ。三人の関係がうまく描けているからこそ、ストーリーが活きてくる。逆に言えば、この三人のヒューマンドラマが生きいきとしていなければ、どんなにひねりの効いたストーリーもSF的なアイデアも、スタートレックらしさを失ってしまう。それではつまらない。スタートレックは、SFというよりもヒューマンドラマが本質の作品だと思う。

 それにしても気になるのは、描かれなかったカーク船長のトラウマだ。カーク船長の心を悩ましているものは、いったいなんなのだろう?



赤茶けた宇宙(スタートレック大好き2)

2011年09月11日 16時14分53秒 | スタートレック大好き

 スタートレック・オリジナルシリーズのDVDを観た時、あまりの画質のよさにびっくりしてしまった。スタートレックってこんなにきれいだったんだと、いまさらながら感心してしまった。もっとも、僕が持っているのはデジタルリマスター版だから、遠い昔に製作されたオリジナルよりきれいになっているところがたくさんあるのだろうけど。
 子供の頃に観ていたスタートレックは宇宙が赤茶けた色をしていた。何十回となく再放送したフィルムだから、フィルムそのものが変色して、すりきれていた。いわゆる「雨」もいっぱい降っていた。でも、宇宙がどんな色をしているのかなんて知らないから、そんなものだと思っていた。
 今はきれいな画像が当たり前になってしまったし、赤茶けた宇宙なんて観られた代物ではないかもしれないけど、すりきれたフィルムの画面もそれはそれで味があったような気がする。


スタートレック大好き1 ―― 二つのスタートレック

2011年03月06日 23時03分12秒 | スタートレック大好き
 
 子供の頃、サンテレビ(神戸)で再放送していたスタートレックのオリジナルシリーズをよく観ていた。
 もちろん、吹き替え版だ。
 子供の頃の刷りこみのせいか、今でもスタートレックの登場人物は日本語を喋るものだと心のどこかで思いこんでいる。カーク船長も、ミスター・スポックも、ドクター・マッコイも、日本語で話してくれないとどうもすっきりしない。映画版・スタートレックを初めて観た時、やけに恰幅のよくなったカーク船長が英語を話すものだから、びっくりして腰を抜かしそうになってしまった。それまで、カーク船長が英語を話すものだとは思いもよらなかった。もちろん、論理的に考えれば、スタートレックはアメリカのドラマなのだからカーク船長が英語を話すのはごく当たり前の話だし、英語を話すカーク船長もそれはそれで格好いいのだけど。
 そういうわけで、スタートレック・シリーズのDVDを観る時は、必ず吹き替え版と原音声版を両方観ることにしている。音声が違えば印象もいささか異なったものになるから、両方のバージョンで楽しめる。スタートレック・シリーズの吹き替え版の声優さんたちは役作りに力を入れているようなので、彼らの声の演技も聞きごたえがある。
 なんだか、一粒で二度おいしい。


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