風になりたい

自作の小説とエッセイをアップしています。テーマは「個人」としてどう生きるか。純文学風の作品が好みです。

No one understands how you feel

2016年06月04日 06時45分45秒 | 詩集

No one understands how you feel
泣いたっていいけど
泣いても始まらない

No one understands how I feel
それが当たり前のこと
じたばたしてもしかたない

No one understands how you feel
悲しむことなんてないさ
すべてはそこから始まる

No one understands how I feel
自分の気持ちを大切にしまって
心の奥でじっくり練り上げて


 他人と違うと確かめて
 ひとりぼっちなんだと気づいて
 そこから自分を創ることができるんだ
 誰にも譲れない心をね
 君だけの心をさ


No one understands how you feel
きっと誰もが通る道
勇気を出して歩くしかない

No one understands how I feel
さびしさを抱えて眠れない夜は
誰にだってあることだから

No one understands how you feel
I know how you feel, my friend

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

つかまらないタクシーin上海(連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』第325話)

2016年06月01日 21時50分15秒 | 連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』

 上海はタクシーをつかまえにくい。
 最近は、みんなスマホのタクシー予約アプリでタクシーを呼ぶので、空車が来たと手を挙げても、すでに予約済みで素通りされることが多い。ちなみに、アプリで予約が入ったタクシーはフロントガラスのところに「空車」と表示しておいて、屋根の看板のところに「停輸(輸送停止)」と表示してあるから紛らわしい。フロントガラスのところに「予約」と表示してくれればわかりやすいのに。ようやくタクシーを捕まえても、「方向が違うから」と乗車拒否されたり、「もう帰る時間だから」と断られたりする。
 勤め先の近所で飲んだ時は、ホテルのタクシー乗り場へ行くようにしている。客をホテルまで送ってきたタクシーがくるから、道端で手を挙げるよりもよほど確実だ。
 ただし、どうしようもなくタクシーがつかまらない時がある。金曜日の雨の夜は最悪だ。夜の十時過ぎに勤め先の近所の居酒屋を出た。僕の家は遠いから終電は終わっている。道端にはタクシー待ちの人がそこかしこにいる。タクシー予約アプリを使っている人が多すぎて、アプリでもタクシーを呼ぶことができない。ホテルの前へ行くとここも人でごった返している。それもタクシー乗り場の行列しているのではなく、てんでばらばらにたむろしながらタクシーを待ち構えている。タクシーの奪い合いになるのは目に見えているのでむずかしそうだ。
 ホテルでタクシーをつかまえるのはあきらめて、時々後ろをふりむきながら夜道を歩いた。やはりあちこちにタクシー待ちの人がいる。タクシーはたくさん流れているけど、客を乗せた車ばかりだ。たまに遠くに空車を見かけても、すぐに誰かにつかまえられてしまう。
 結局、歩けば結構な距離だけど必ずタクシーがつかまる秘密のスポットへ行ってタクシーをつかまえることにした。そこは、高架道路の出口になっていて、誰もそこでタクシーをつかまえようとはしないし、十分ほど立っていればかならず高架道路から降りてきた空車が通る。
 道すがら、深夜営業のマッサージやサウナの看板をいくつも見かけた。雨も降っていることだし、なかへ入ってゆっくり疲れを取りたいなあ、なんて思ったのだけど、そんなところへ入ったら奥さんに大目玉を喰うので、あきらめて道を歩き続けた。
 午前零時、秘密のスポットへ着いた僕はすぐにタクシーを拾うことができた。居酒屋を出てタクシーをつかまえるために二時間も歩き続けたから、酔いなんてとっくに醒めた。家へ帰ることができてよかったのだけど、翌朝目覚めたら、なんだか足がだるかった。




(2015年5月31日発表)
 この原稿は「小説家なろう」サイトで連載中のエッセイ『ゆっくりゆうやけ』において第325話として投稿しました。
 『ゆっくりゆうやけ』のアドレスは以下の通りです。もしよければ、ほかの話もご覧ください。
http://ncode.syosetu.com/n8686m/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ツイッター