8日、民主党のバイデン氏が激戦州のペンシルベニア州の選挙人20人を獲得した結果、当選に必要な選挙人の過半数の270人を上回る273人を確保し、大統領選の勝利を確実にしたと報じた。自国の選挙ではないから、どちらが勝利しようが関係ない。が、私は大の「トランプ嫌い」、トランプ氏でなければだれでもよかったのである。
今回の大統領選は、たとえは悪いが競馬のG1レースの馬券を買った時のような気分で見ていた。競馬なら数分で勝負はつくが、追いつ追われつの4日間にわたる大接戦にハラハラ、やきもきしながら、私なりに十分楽しませてもらった。
バイデン氏の当選確実が報じられた7日午前、トランプ氏はゴルフをしている最中だったとか。直後に陣営を通じて、「この選挙はまだ終わりにはほど遠い」と主張。が、トランプ氏は各地で「郵便投票は不正」との訴訟を起こしているが、具体的な証拠は示しておらず、次々と敗訴しているという。
彼が主張する「郵便投票の不正」とはどういうものなのか。問題点の一つ目、引っ越した人や既に死亡した人の住所にも投票用紙が送られてしまうため、その投票用紙が悪用される可能性が高いという。
日本では郵便投票は身体障害者や重度の要介護者といった人たちに限られているから、悪用したとしても、それほど多くの数にはならないだろう。それに、日本では引っ越しをしたとき郵便局の窓口に転居届を出しておくと、1年間は旧住所あての郵便物等を新住所に無料で転送してくれる。とにかく住所変更はきちんとすべきだろう。
二つ目は、共和党が州知事を務める州では、有権者登録名簿を定期的に整理して死者や引っ越した人々の名前を削除しているが、民主党が州知事を務める州ではこのような作業を積極的に行っていない。トランプ氏はこういうことを言いたいのだろうが、不正の具体例を示さない限りどうにもなるまい。
大統領選では相手候補が当選確実となり、敗れた候補が敗北を受け入れる声明を出して決着するのが慣例だそうだが、トランプ氏は敗北を認めようとしない。そのためトランプ氏の周辺は、敗北を宣言しないままホワイトハウスを明け渡す案を検討。また選対幹部は、慣例の就任式出席を見送る可能性もほのめかしている。さらにはバイデン政権後も大統領の座を「不当にかすめ取った」と攻撃し、求心力を維持する狙いだ。と、昨日の新聞で報じていた。
それにしてもアメリカのメディアはやることがすごい。トランプ氏が会見で、郵便投票の不正によって「民主党が選挙を盗もうとしている」との主張を一方的に展開しているとして、会見中にキャスターが「大統領が多くの虚偽発言をしているため、ここで中断しなければならない」と割り込んだり、「トランプ氏が何の証拠もなく不正主張」とのテロップを表示したり・・・。
また。トランプ大統領のツイッターに「選挙をめぐり異議が唱えられていたり、誤解を招く可能性があったりする内容が含まれている」との警告を出し、トランプ氏の投稿内容がすぐには表示されないようにしたとか。日本ではこんなのはあり得ないけどネ。
恥も外聞も捨て、なりふり構わず「不正」をアピールしつづけるトランプ氏は「見苦しい」の一言につきる。誰もが「往生際が悪い」と思うだろう。が、 ある番組で、元衆院議員の金子恵美さんが「往生際が悪い」と言ったら、ジャーナリストの木村太郎氏は「米国の美徳は徹底的に往生際が悪い。最後まで死ぬまで戦うのが米国の美徳なんで、これは日本と米国の文化の違いだと思います。米国人から見ると往生際がいい人って情けない人なんです」と反論したとか。
私は「潔しを美徳とする」日本人だから、木村氏の発言に反論する。「死ぬまで戦うのが米国の美徳」というが、トランプ氏の場合、確固たる信念があって戦っているわけではない。単に駄々をこねて踏ん張っているとしか思えない。潔く敗北宣言をして退けば、「おつかれさまでした」と言ってあげられるのに・・・ネ。
長引けば混乱必死で、コロナ対策遅れから経済、外交(中国の嘲笑)社会秩序まで一体世界の覇者だったはずの米国は何処へと云いたくなりますね。
ほんと根拠の示されない裁判沙汰なんて、良識ある人間がやることではない!
まあこんな人を4年前に大統領に選んだのが運の尽き(清廉潔白な人格者で無くてもリーダーシップのある人なら許せるのが合衆国の伝統とか)
幕引きをじっと見届けましょう
アメリカの選挙制度って複雑ですね。州ごとの選挙人は自分が支持する党が勝利するかどうかは分かりません。直接候補者に投票して得票数の多い方に決めたらいいのに。
良識ある人は「このまま4年も? これはまずいぞ」と思ったのでしょう。が、トランプ氏の得票数の多さにはびっくりしましたね。が、まだこの現実を認めず、法廷闘争でひっくり返せると思っているのでしょうか。世界のリーダーもバイデン政権を歓迎しているのに、悪あがきもこれまで、です。
トランプ夫人は「名誉ある撤退」を説得しているとか、常識ある人ならそう考えるしょう。ここへきて離婚の話もでているとか、大変ですね。
アメリカ国民は4年間もよく辛抱したものです。まさに「平家物語」の“驕れる者久しからず”ですね。