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つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

WBC優勝に?・・・

2006-03-26 | Weblog
 昨日はお天気もよく、パ・リーグ開幕は、WBC日本優勝のおかげで一段と盛り上がったようだ。なかでも、王監督率いるソフトバンクと去年の覇者千葉ロッテとの試合は、ことのほか観客を集めたことだろう。また、この試合の始球式に、あの金メダルの荒川選手を起用し、バッターは今年移籍して注目される清原選手ときては話題性十分である。荒川選手の投げた球は清原選手の後ろを抜け、キャッチャーのミットにおさまったのもご愛嬌で、それもまたファンを喜ばせていた。

 いまだWBC日本優勝の夢覚めやらぬ今日、愛読する地方紙にちょっと辛口の記事があった。詩人である清水哲男氏の「WBC優勝と興奮の爆発」と題する囲み記事であるが、長すぎるので前半を少し割愛したが、(中略) 以降は原文のままである。

 『勝った。やった。日本野球のレベル向上が、今回の大会で証明されたことは素直に喜んでいる。(中略)……。だが一方では、優勝に興奮して「世界一だ、日本人でよかった」と叫んだ多くの人々と同じように喜んではいない。というか、つい最近の冬季五輪でもそうだったが、このところの国際大会における日本人の過剰なナショナリズム意識発揚にはついていけないものがある。見ていると、それはある日突然に目を覚まし爆発するのが特徴のようだ。
 今度のWBCでのその傾向は、とくに顕著だった。はっきり言って一次リーグには目もくれなかった人々が、急になにやら活気づいたのが三度目の韓国戦からだ。それもメキシコがアメリカを破ったおかげだったのだが、このときメキシコ大使館あてに日本人の感謝メールが500通も届けられた現実には、何をか言わんや。これはもう野球とは関係がない。明らかに何がどうあれ、日本さえ勝てばよいというナショナリズム意識の表れだ。
 むろん私とても日本人だから、素朴に日本に勝ってほしいと願う心はある。しかし、勝ちさえすればよいという立場にはくみしない。まずは試合の中身が問題であり、良いゲームを展開して負けたのであれば、それはそれで納得がいく。その意味でイチローの「屈辱」発言には良い感じは持てなかったし、日をおって日の丸至上主義を色濃くしていったマスコミ報道にも賛成しがたかった。
 ぶっちゃけた話が、王ジャパンは優勝したけれど、少しでも野球を知る者に「世界一」の実感はないのが当たり前の感覚だろう。大会運営のルール上、幸運にも一位になれたのであり、これで韓国やアメリカの野球を押さえつけたなどと思う人がいるとしたら、その人は単に野球に無知なだけである。すなわち私たちは、今回の幸運にこそ感謝すべきなのであって、それ以上の過剰な思いいれは無用とすべきだろう。
 それにしても、昨今の日本に突然出現してくるナショナリズム意識は不気味だ。根底には、おそらくこの国の政治や社会状況が横たわっているのであろうが、かつてのベルリン五輪を持ち出すまでもなく、スポーツによる安易な国威発揚の行き先はロクなことは待っていない。次なる国際大会はサッカーのW杯だが、勝利至上の寒けを覚えるようなナショナリズムの乱発だけはごめんこうむりたい』。

 まさに、そう言われればそうである。本当に野球を愛している人の正直な論評に異論はない。しかし、にわかファンには耳が痛い意見だが、そう難しく考えず、たまには娯楽として楽しみ熱く燃えることもいいのではないだろうか。 
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