間違いだらけの「家庭の医学」・・・

　私たちが信じている医学的な常識は間違いだらけだという記事にびっくり。これを知らないで、間違った知識のままで対処していたら、体に悪影響を及ぼす恐れもありそうだ。たくさんあるので気になる点の概略のみを抜粋・引用したが、詳しくはサイトの『間違いだらけの「家庭の医学」２０１２年版』を読んで、自分が信じている常識と比べてみていただきたい。

 　　

まずは、風邪について。「うがい薬は意味がない」という池谷医院の池谷敏郎院長。うがいにはたしかに風邪予防の効果があり、うがいをすると風邪の発症率は４０％低下する。ただし、うがい薬を使っても、水でも、効果は変わらない。

そして「風邪薬は風邪には効かない」と米山医院院長の米山公啓医師。そもそも風邪はウイルス感染によって起きる病気で、インフルエンザなどと違って、風邪を治すための抗ウイルス薬は、ほとんど開発されていないという。事実、市販の風邪薬はパッケージに『風邪の諸症状の緩和』と書いて逃げているが、あくまでも咳や熱などの症状を一時的に軽くするだけで、風邪を治すわけではない。

私も、のどの異常を訴えたとき「うがい薬」をもらったことが何度かあるが、効果があると思ったことは一度もなく、処方されても使わないで捨てることが多い。

 

次に、血圧について。

(1)血圧は上の値が高くても下の値が低ければ安心だ。　

(2)低血圧の人は、歳をとっても高血圧にならない。　

(3)塩分を控えれば血圧は下がる。

この３つの情報はすべて誤りだという。(1)について、血圧の上と下の値の差を脈圧というが、この脈圧は動脈硬化が進むと大きくなる。つまり、血圧の上と下の差が大きいほど、心筋梗塞などの発症リスクが高くなる。(2)について、高血圧は遺伝をはじめ、加齢、飲酒、喫煙、ストレスなど、さまざまな要因がからんで発症するので、安心できない。(3)の血圧と食塩の関係では、昨年、【食塩摂取量は控えすぎても心疾患のリスクが高まる】という新たな研究がカナダの研究者らによって発表された。いくら塩分を減らしても血圧の下がらない人の体質を『食塩感受性が低い』というが、このタイプは高血圧患者のおよそ７割を占めている。つまり、食塩を控えても控えなくても、血圧の値に影響がないということになる。が、食塩は、血圧の上昇とは無関係に心臓や血管に悪影響を及ぼすことがわかってきているし、血圧を下げる薬には、塩分によって効果が低減するものがあるので、健康のためには食塩を抑えるに越したことはない。

　

以下は、食べ物にまつわる新常識であるが、ここにも大きな落とし穴があるという。１つずつ解説してあるが、長くなるので省略（サイトの記事をどうぞ）
(1)痛風の人はビールを飲んではいけない。　(2)コラーゲンを飲むとお肌がプルプルになる。　(3)二日酔いにウコンが効く。　(4)ブルーベリーを食べると目がよくなる。　
(5)玄米は白米より体にいい。　(6)牛乳を飲むと骨が丈夫になる。　
(7)貧血にはレバーやほうれん草を食べたほうがいい。　　

　おもしろいのは(2)のコラーゲンについてで、コラーゲンはいくら口から摂取したところで、皮膚のコラーゲン量が増えることはないということで、肌にいいという触れ込みのヒアルロン酸や、関節などにいいと思われているグルコサミンなど飲んで治すタイプのものも同様に意味がないという。また、最近は体温を上げる効果があるとして生姜を使ったサプリメントや料理がブームになっているが、「体温を上げれば健康になる」という考え方自体にも疑問があるとか。通販でサプリメントを買って飲んでいる人にはショックかも？

 

　さらに、次のような常識も誤りだという。
◎脳梗塞は冬に起きやすい
→ウソ。脱水症状によって血液の粘性が高まる夏に多い。

◎脳卒中で倒れた人は決して動かしてはいけない

→ウソ。すぐに救急車で病院へ運ぶこと。

◎暗い場所で本を読むと目が悪くなる

→ウソ。明るさは関係なし。ただ、目が疲れやすくなるので注意。

◎傷ができたらまず消毒をして絆創膏を貼る
→ウソ。傷口から自然治癒に必要な成分を含む浸出液が出てくるので、消毒はNG。異物を洗い流したら傷口にラップを貼り乾燥しないようにすると治りが早い。

◎酒が弱くても、飲んでいると鍛えられて強くなる
→ウソ。人が持っているアルコール分解酵素の量は変わらない。無理して飲み続けると肝障害のリスクが高まるので要注意。

　これらはよく言われることで、私も信じていた。しかし、こういう常識は昔からの言い伝えをそのまま鵜呑みにしていることが多いように思う。よく「昔の人のいうことは間違いない」と言われるが、それにしても、信じている常識のほとんどが非常識であったということにびっくりしている。