つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

浅田次郎氏がエッセーを誇張・・・

2010-01-20 | おもしろいね
 現在、NHKハイビジョンで毎週午後10時より、浅田次郎原作『蒼穹の昴』(全25回)という日中共同制作ドラマが放送されている。舞台は中国・清朝(日本の明治20年頃)、「中国三大悪女」の1人と言われた西大后を中心に、3人の若者が繰り広げる壮大な歴史大河ドラマで、すでに3回まで放送された。
 親政となっても実権を握る西大后、その母と対立してゆく第11代光緒帝。貧しさから脱するため自ら性器を切断して宦官への道を選ぶ春児。官吏登用試験「科挙」に首席合格し高級官僚の道を進み、光緒帝の側近となる梁文秀。詳細はサイトでご覧いただくとして、紫禁城など壮大な中国建築や衣装のきらびやかさなど、美しい背景は韓流ドラマの時代物と比べても遜色はない。
 西大后にはNHKドラマ「おしん」で有名な田中裕子、中国でも大人気だそうである。その他、万朝報新聞記者・岡圭之介役に小澤征悦、元総理大臣・伊藤博文役に平田満などの日本人俳優も出演している。中国語の字幕スーパーで、田中裕子の中国語は口の動きが合っていないし声に違和感がある。これは日本語のせりふで撮影した後に中国語に吹き替えされたためで、田中裕子本人の声ではないので仕方ない。彼女のイメージとはちょっと違うのだが、西太后の貫禄あるところはさすが演技派の女優である。おもしろい見ごたえのあるドラマで、これからが楽しみである。

 ところで、19日の新聞にちょっと驚く記事があった。
 『直木賞作家の浅田次郎氏が、北海道の「函館朝市」の店から電話注文で購入したカニの品質をめぐり、日航の機内誌に連載中のエッセーで「新手の宅配詐欺」などと事実と異なる記述をしていたことが18日、分かった。浅田氏は「誇張して書いた」と認めている。
 エッセーは機内誌「SKYWARD」に連載の「つばさよつばさ」。
 昨年12月号で浅田氏は、函館朝市の「○○水産」から「今年はカニが安くてうまい」と電話を受け、なじみの店と思い込んで注文したが、質の悪いタラバガニと毛ガニが届いたと記述。「宅配詐欺にひっかかった。発送元に電話したが(伝票の)手書きの電話番号は使われていなかった」「何らかの形で個人情報が流出した」などと書いた。
 しかし朝市を運営する函館朝市協同組合連合会によると、水産会社は実在し、昨年6月、浅田氏の注文通りにタラバガニを発送。正しい電話番号を印字した伝票の控えも残っているという。
 浅田氏は「消費者に対する警鐘のつもりだったが、不用意だった。結果的に迷惑を掛け、申し訳ない」と話している。』という内容である。

 直木賞作家の浅田次郎氏ともあろう人が、通販で買ったカニの質が悪かったからといって、事実と異なるエッセーを書くとは信じられない話である。昔から「食い物の恨みは怖い」というが、よほど腹に据えかねたのであろう。しかし、どうせバレはしないだろうと読者を侮ったことは物書きにあるまじきことである。
 私でも、自分が書いたブログの内容には責任を持たなければいけないと思っているのに…。自分の知識があやふやな場合はネットで調べて、根拠をはっきりさせなければ書いてはいけないと思っている。多少は誇張した表現がないとは言えないが、嘘はぜったいいけないと思うし、過去に自分が書いたことと矛盾しないように、常に気を付けているつもりである。

 政治家の中には、過去の自分の発言とは相反した発言をしても割と平気な人がいる。誰とは言わぬが、世間に多大な影響を与えるような人は特に注意すべきで、その場その場の成り行きで発言して、後々つじつまが合わなくなるというのでは困る。自分の発言や書いた文章に責任を持つということは当然のことであろう。
 しかし、浅田次郎氏をしてこういうことがあるのだから、政治家の二枚舌、三枚舌など日常茶飯事、腹を立てる方がおかしいのだと聞き流すべきなのだろうか。
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4 コメント

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Unknown (うらら)
2010-01-20 16:36:20
レディーサンのブログの内容は何時も正確で、よく調べ上げておられますね~
いろんな文献や参考資料をお持ちなのですか?
すべて斜め読みの私にはいい加減なことしか書けないので、何時もパス状態です。

>過去の自分の発言とは相反した発言・・・
ここなのですよね~
私はよくツレから『お前が言った々』
言訳などすると『お前は自分の責任を人に転嫁するのか』とよく叱られます
だから最近になってヤット学習しました
『どうするか?』と聞かれても決して自分の意見は言わなくなり『貴方の思いのままに…』と(笑)
物事を諦め出したのはその頃からです^^
だからって、政治家には通じない事は確かにです。
が、私ってそういう意味で『あなた言ったでしょう』は禁句にしています。
私事で又コメントとしては、ずれてしまいましたお許しを…
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Unknown (オールドレディー)
2010-01-20 17:24:54
♠うららさま
参考資料などはありません。全部ネットに頼っていますので、ネットさまさまです。

「あの時、ああ言ったこう言った」がケンカの元になることはよくありますね。それを根に持っていつまでもおぼえていられるのは困りますが…。
政治家のように厚顔無恥になれば平気でしょうが、自分で言ったことに捉われて自縄自縛に陥るのも困ります。
ということは何も言わないということが一番賢いのかもしれませんね。

加齢と共に記憶力が落ちて、自分が何を言ったかも忘れるようになったらもう口にチャックします。
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Unknown (みそ猫堂)
2010-01-21 10:35:37
浅田次郎ともあろう人が、何でそんな事したんでしょうね?
普通にクレーム付けたけど、納得のいく対応が無かったとかですかね?

私も、ブログの内容には気をつけるようにしてます。
うかつな事を書いて、誰かに不快な思いをさせてはいけませんからね。
似顔絵描きをしている時にするお客さんとの雑談も、実はもの凄く慎重に話題を選んでいます。

人と接する事を仕事としていると、時に予想外に不愉快な事を言われたりもしますが、悪意に悪意で返してもしょうがないので、誠意とユーモアで返せるように努力しています。

匿名なのをいい事に、度を超したクレームをつける人をネットとかで見かけますが、しょせん物陰から隠れて悪口を言うような行為では、そのクレーム内容も信用出来ないですね。
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Unknown (オールドレディー)
2010-01-21 13:03:40
♠みそ猫堂さま
なんだか浅田氏本人の品性を疑いたくなるようなできごとです。
通販で物を買うと、たまには粗末なものに当たることはあります。が、それにクレームをつけることはあっても、公に事実を誇張して書くというのは、何だか度量が狭いという気がしますね。
浅田氏の作品は好評ですが、作家の人間性如何では読む気がしなくなることもあるでしょうね。

コメントなどでも匿名で中傷する人がいますが、自分の意見と合わなかったら無視すればいいことで、ひとそれぞれの考え方を批判するのはどうかと思います。

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