あるサイトに『入院すると何に一番お金がかかるのか?』という記事があった。4月から社会保障制度の見直しで、初診料や再診料のほかに、入院基本料が2%程度引上げられる。入院するような大病に罹ることはめったにないだろうが、それでも明日のことは分からない。万一の時のために、一応、知っておく必要はあるだろう。
私は入院でお金が掛かっても、医療費には月ごとに自己負担限度額があるのでそれほど心配はしていない。例えば70歳未満の場合、次のようになる。
高所得者(月収53万以上)で 150,000円+(医療費-500,000円)×1%
一般の方は 80,100円+(医療費-267,000円)×1%
住民税非課税の低所得に分類される人は 35,400円
ということは、一般の人では 80,100円+かかった医療費の1%未満となる。例えば1,000万円という高額な医療が行われても、一般の人では 80,100円+(1,000万円-267,000円)×1%=177,430円で、実際の負担額は20万円も掛からないのである。また、昔は退院時に入院費を全額払って、あとで社会保険事務所へ診断書を添えて請求すれば限度額を超えたものが返還されていた。が、現在はあらかじめ申請すれば退院時に限度額を超えた差額分だけを支払えばいいようになっているらしい。
しかし、いくら高額医療費に自己負担限度額があっても、入院すれば治療費以外にこまごまとしたものが必要で、そうした費用もバカにならない。他にも入院中の食費代(3食で大体1,000円程度)と、おむつなどの一般的な消耗品の費用は自己負担である。ただ、一番高額となるのは差額ベッド代や個室代で、無料の大部屋を利用すれば差額ベッド代は不要だが、空きがない場合、有料の部屋に入れられることもある。つまり医療費そのものを心配して保険などに入る必要性はあまりないのだが、医療費以外のこうした差額ベッド代や個室代をねん出するために保険に入るという人も少なくない。
昨今、テレビで「入院給付金」だけの医療保険のCMをよく見かける。私も以前は生命保険の特約で入院給付金を何度かもらってありがたいと思ったが、70歳で満期になって特約も消滅した。その生命保険が満期になる前に、保険会社から「入院給付金」だけの保険に切り替えてはと、再三再四勧誘された。が、1日10,000円の入院給付金で掛け金は年に80,000円ほど、入院するかしないか、分からないのにこんなお金を掛け捨てにするのはバカらしく思えて断わった。契約して1年以内に20日間くらい入院すれば元は取れるが、何年も掛けた後だったら得にはならない。今、入っているのはガン保険だけで、これはガンで入院すれば1日15,000円もらえるが、ガン以外の病気では1円ももらえない。
物は考えようである。1ヶ月3,000円の医療保険に加入すると年に36,000円、それを何年も払い続けて掛け捨てにするよりは、その掛け金を別個に預金して、万一の場合に備えた方が賢いのではないかと思う。10年、20年、いや一生入院しなかったらそれが預金として残る。当てにしなかった預金は得したような気分にならないかな? こんな事を言うと保険会社に叱られるかもしれないけど…。
余命の計算と先行きの健康状態はもうもう神様任せ。
決して、資本主義マーケット市場、優等生の生命保険会社の思惑通りには動かないゾ!
とは云え少々不安も抱えながら能天気に過ごしている老いの日々で~す。
掛け捨ての医療保険、CMがなくならないということは加入者がいるということでしょうね。
1日1万円、といえばすごく得した気分になるけど、長期入院でもしなければ何の意味もないのに…。
アメリカのように国民皆保険制度がない国では、病院に行くと大金が必要になります。だから、医療保険は必要でしょうが、掛け金が払えない人はどうするのでしょうね。