先日、朝7時頃に近くのポストに手紙を投函しに行った。その帰り道のことである。時々見かけるから近所の人だろう、犬を連れた高齢の男性に出会った。
黙って通り過ぎるのも何だし、ちょうど犬が近寄ってきたので「おとなしい犬ですね」と言って、頭をなでてやろうと手を出した途端、ガブッ…。「あ、痛っ!」あわてて手を引いたが、親指を噛まれたみたい。
「大丈夫ですか」と飼い主が心配そうにいう。「大丈夫です」といいながら親指を見ると、血は出ていないが歯の跡がついて内出血している。「予防注射はしてますから…」と。そして「この犬は知らない人には人見知りします。知らない人は腰をかがめて犬と同じ目線で話しかけてやれば何もしませんが、そうでないと吠えて噛みつく癖があります」という。
そんなことを言われても、私に分かるはずがない。犬の癖が分かっているなら、私が近づいた時、リードを引っ張って遠ざけるようにして、犬の癖を教えてくれればよかったのに…。ちょっとムカついたが、「すみません。知らなかったので…」と謝っておいた。内出血で済んだからいいようなものの、怪我していたらどうするつもりだったのか? 今まで犬を怖いと思ったことはないが、これからは私も「犬見知り」することにしよう。
余談だが、姪の三男坊が3歳のころか、犬に噛まれて大怪我をしたことがある。近所の家に行ったとき、いつも遊ぶ仲良しの犬なのに、突然牙をむいて三男坊に襲い掛かってきたという。犬でも虫の居所が悪いこともあるのだろう。
後で姪に聞いた話だが、子どもの泣き叫ぶ声に驚いて見たら、犬が耳のあたりに噛みついている。大変だ! 早く犬を引き離さなければ耳を噛み切られてしまう。が、誰かを呼びに行く暇などない。姪はとっさに犬の首を抱え込み、口をこじ開けて子どもを引き離したそうだ。
姪はこうも言った。「あの時は無我夢中で怖いとも何とも思わなかったが、後で考えると、よくあんなことができたもんだと背筋が寒くなった」と…。母親は子どもを守るためなら何だってできるということだ。まさに「母は強し!」である。
後日、謝罪に来た飼い主が「犬を保健所へ連れて行って殺処分する」と言ったそうだ。が、姪は「子どものしたことが犬の気に障ったのかもしれない。幸い耳は大丈夫だったし、かわいそうだから殺処分はやめてほしい」と言ったとか。結局、犬は親せきの家に貰われて行ったそうだ。
親は、これがトラウマになって子どもが異常に犬を怖がるようになったらどうしよう、と心配したらしい。が、犬に噛まれた記憶はあまりよく覚えていないようで、犬を怖がる様子はまったくなかった。それどころか、小学校高学年になると自分から犬を飼いたいと言い出して、真っ黒なトイプードルを譲り受け、今でも可愛がっている。犬を嫌いにならなくて良かったね。
如何に肝っ玉座ったオールドレデイさんと言えどそりゃあ驚きと恐怖に陥りますよね
大きなケガで無くて良かった、良かった
飼い主の不注意とか言えませんね。
言葉の通じる人間同士でも、チョットした行き違いで刃物振り回すご時世
安全確保の注意怠りなくです。
でも姪御さんのご三男さん、トラウマにならず優しい犬好きに
ほっとする良いお話です。
これまで犬で怖い思いをしたことがないので油断してました。もし大きな怪我をしていたらと思うとゾッとします。
人間でも畜生でも油断してはいけない、ということですね。
普通、犬で怖い思いをするとトラウマになって犬を避けるようになると聞きますが、三男坊はまったくそんな気配がありません。音楽を専攻する優しい性格だからかも。それとも能天気なのかも?
犬を連れている人は、犬を褒めてあげると喜びます。お愛想のつもりで頭を撫でてやりますが、これは止めた方がよさそうですね。
私も猫はあまり…、猫の目って怖くて、好きになれません。