時々、日帰り旅をご一緒する友人は、長年介護ヘルパーの仕事をしている。大方の訪問介護事業所は土日祝日は休みだが、彼女が所属している事業所は年中無休だそうだ。だから休日は週1日だけで、お盆もお正月もない。およそ10日ごとにローテーションが組まれるが、平均して1日に7~8軒の家庭を訪問するそうである。
彼女が毎日駆けずり回るエリアは東西南北にわたるので、地元の地理にはとても詳しい。裏道や近道の迂回路などすべて頭にインプットされているらしく、先日鳥取から帰りに兵庫県境にある日帰り温泉に立ち寄った時も、日暮れて街頭もない暗い曲がりくねった山道でもスイスイ走るのには驚いた。
事業所の車では直帰できないし色々気を使うので、彼女は自分の車で業務をこなしている。ガソリン代は遠近に関わらず一軒につき130円支給されるが、それ以外の車の維持費は自分持ちである。どこの事業所でも業務用の車はあるが、ほとんどの人が自分の車を使うそうで、自分の車を持っていない人は介護の仕事にもつけないということになる。
仕事は決められた時間内で手際よく、手早くやらなければならない。お年寄りも色々で、そばに付きっ切りであれこれ口出しする人もいれば、まかせっきりの人、おしゃべりが好きな人、全くしゃべらない人など、それこそ十人十色で、気に入らないことがあるとすぐにほかのヘルパーに替えてくれという。それぞれに合わせてうまく対応できる人ってそうそういるもんじゃないと思うのだが、きっと介護ヘルパーはみんな相当のストレスを抱えているだろうと思う。
「お盆やお正月は家族がいるからヘルパーは休めるのでしょう?」と尋ねたら、「いやいや、とんでもない。そういうときこそ引っ張りだこだよ。」という。ふすま一つ隔てた隣の部屋で、帰省した子ども達や家族が集まってにぎやかにしていてもお年寄りの世話はヘルパー任せ。自分たちの休日は自分たちのための時間で、そのために介護制度があるのだと考えているのであろうか。お年寄りは自宅で家族と暮らしていても決して幸せとはいえないようである。
介護ヘルパーはお茶一杯の接待もダメ、トイレを借りるのもダメ、物をもらうことなどもっての他である。訪問する前にコンビニで用を足してゆくそうだが、コンビニがないへんぴな所へ行くときにはトイレに行かぬよう水分を控えるのだという。
お年寄りはみんな寂しいのだろう。ヘルパーが来るのを心待ちにしている人が多く、話し相手になってほしくてお茶やお菓子を勧める。だが、うっかりこれを受けると大変だ。お年寄りは話し相手になってくれたことがうれしくて、だれかれかまわずそのことをしゃべるので、ついつい事業所の耳に入りお叱りを受けることになるそうだ。
規則、規則といろいろな制約を受けて、報酬はというと一般の職種に比べて安い。来年3月から65歳以上の介護保険料が引き上げられ、介護報酬を3%上げるというが、事業所の経営状態により判断されるので、果たして介護ヘルパーの報酬アップとなるかどうかはわからない。
昔、看護婦と呼ばれていた頃、その仕事は3K(汚い・きつい・危険)といわれていた。いまでも3Kは変わらないが、介護ヘルパーも同じように生半可な気持ちではできない仕事である。欲得ではなく、こういう仕事を選んだ人たちには頭が下がる。こういう人たちによって介護制度が成り立っていることを国のお偉方はもっと知るべきである。本当に介護ヘルパーの報酬がアップされるなら、介護保険料アップも納得できるというものだ。
彼女は60歳をいくつか過ぎているが、来年早々の介護福祉士試験にそなえ勉強の真っ最中である。仕事を終えたあとでの勉強はなかなかしんどいというが、それでもなお資格をとって仕事を続けようという意欲には本当に頭が下がる。
彼女が毎日駆けずり回るエリアは東西南北にわたるので、地元の地理にはとても詳しい。裏道や近道の迂回路などすべて頭にインプットされているらしく、先日鳥取から帰りに兵庫県境にある日帰り温泉に立ち寄った時も、日暮れて街頭もない暗い曲がりくねった山道でもスイスイ走るのには驚いた。
事業所の車では直帰できないし色々気を使うので、彼女は自分の車で業務をこなしている。ガソリン代は遠近に関わらず一軒につき130円支給されるが、それ以外の車の維持費は自分持ちである。どこの事業所でも業務用の車はあるが、ほとんどの人が自分の車を使うそうで、自分の車を持っていない人は介護の仕事にもつけないということになる。
仕事は決められた時間内で手際よく、手早くやらなければならない。お年寄りも色々で、そばに付きっ切りであれこれ口出しする人もいれば、まかせっきりの人、おしゃべりが好きな人、全くしゃべらない人など、それこそ十人十色で、気に入らないことがあるとすぐにほかのヘルパーに替えてくれという。それぞれに合わせてうまく対応できる人ってそうそういるもんじゃないと思うのだが、きっと介護ヘルパーはみんな相当のストレスを抱えているだろうと思う。
「お盆やお正月は家族がいるからヘルパーは休めるのでしょう?」と尋ねたら、「いやいや、とんでもない。そういうときこそ引っ張りだこだよ。」という。ふすま一つ隔てた隣の部屋で、帰省した子ども達や家族が集まってにぎやかにしていてもお年寄りの世話はヘルパー任せ。自分たちの休日は自分たちのための時間で、そのために介護制度があるのだと考えているのであろうか。お年寄りは自宅で家族と暮らしていても決して幸せとはいえないようである。
介護ヘルパーはお茶一杯の接待もダメ、トイレを借りるのもダメ、物をもらうことなどもっての他である。訪問する前にコンビニで用を足してゆくそうだが、コンビニがないへんぴな所へ行くときにはトイレに行かぬよう水分を控えるのだという。
お年寄りはみんな寂しいのだろう。ヘルパーが来るのを心待ちにしている人が多く、話し相手になってほしくてお茶やお菓子を勧める。だが、うっかりこれを受けると大変だ。お年寄りは話し相手になってくれたことがうれしくて、だれかれかまわずそのことをしゃべるので、ついつい事業所の耳に入りお叱りを受けることになるそうだ。
規則、規則といろいろな制約を受けて、報酬はというと一般の職種に比べて安い。来年3月から65歳以上の介護保険料が引き上げられ、介護報酬を3%上げるというが、事業所の経営状態により判断されるので、果たして介護ヘルパーの報酬アップとなるかどうかはわからない。
昔、看護婦と呼ばれていた頃、その仕事は3K(汚い・きつい・危険)といわれていた。いまでも3Kは変わらないが、介護ヘルパーも同じように生半可な気持ちではできない仕事である。欲得ではなく、こういう仕事を選んだ人たちには頭が下がる。こういう人たちによって介護制度が成り立っていることを国のお偉方はもっと知るべきである。本当に介護ヘルパーの報酬がアップされるなら、介護保険料アップも納得できるというものだ。
彼女は60歳をいくつか過ぎているが、来年早々の介護福祉士試験にそなえ勉強の真っ最中である。仕事を終えたあとでの勉強はなかなかしんどいというが、それでもなお資格をとって仕事を続けようという意欲には本当に頭が下がる。
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