5月22日に開業される「東京スカイツリー」、1か月半程度は混雑が予想されるため、日時指定の「完全予約制」を実施し、当日券は販売しないという。
東京スカイツリー展望台の団体入場券(25人以上)の予約は昨年の11月22日から開始されているそうだが、1日の予約11件受付枠に毎日10倍ほどの申し込みが殺到しており、12月20日現在で2万2840件(11万8500人)に達しているという。また、個人入場券の予約開始は3月22日開始予定だが、インターネットだけの受け付けとなる見通しとか。
それにしても入場料金の高いこと。行く機会があれば一度くらいは上ってみたいとは思うが、3000円はちょっと高い。また、第一展望台にはレストラン、カフェ、ショップなどがあるそうだが、きっと何もかも高いのだろうなあ。
東京スカイツリーの高さは634メートル。その第1展望台(345メートル)には、津山郷土博物館所蔵の「江戸一目図屏風」の実物大複製が設置されるそうだ。津山藩のお抱え絵師・鍬形恵斎が今から200年前の文化年間に描いたもので、横353センチ、縦176センチ。
隅田川や浅草、それに日本橋などの江戸名所と富士山が描かれた江戸の街の鳥瞰図の傑作といわれている。これが展望台からの眺めとほぼ同じだそうで、この不思議な絵と本物のパノラマを見比べることができるというのは興味深い。
余談だが、この津山郷土博物館は私の故郷・岡山県津山市にあり、一昨年の5月まで私が通っていたスイミングプールの道路向かいにある。私も一度だけ行ったことがあるが、この屏風のことはよく覚えていない。作品の保存のため「江戸一目図屏風」はほとんど公開していないそうだから実物は無理でも、こうなると知っていたらレプリカでもよく見ておけばよかった。
どうでもいいことだが、今から42年前の昔話を一つ。1969年5月、東名全線開通によって東京―阪神間が高速自動車国道で直結した。その年の8月、友人が車を調達し、4人で東京までドライブとしゃれた。今のように道路状況がよくない時代で、当時は中国縦貫道はなく神戸まで行こうとすると3時間以上も掛かったように思う。
夜8時ごろに美作市を出発、養老インターあたりで食事を取ったことを覚えている。その後は「走れ!走れ!」とドライバーをけしかけて、翌早朝に無事東京に到着。あちこち都内見物をしたが記憶も薄れ、東京タワーに上ったことだけはよく覚えている。
東京タワーは、1958(昭和33)年12月に完成。私はその前年の5月頃に修学旅行で東京へ行ったがまだ工事中で、完成した東京タワーを見るのは初めてだった。高さ333メートル、第1展望台は150メートル、第2展望台は250メートルのところにある。
コーヒーを飲もうということになり、どっちの展望台だったか覚えていないがレストラン・カフェ(現在のカフェは2002年のリニューアル時にオープン)に入った。私の記憶が間違っていなければ、床はフカフカの絨毯、インテリアもしゃれていて、ちょっと場違いなところに入ったかなという感じだった。私たちの服装といえば、車での旅は軽装に限ると、ジーンズにTシャツ、サンダル履きというラフな格好で、蝶ネクタイのウェイターが胡散臭い目をして席に案内してくれたのを思い出す。
そして、ウェイター持ってきたメニューを見て目が点に…。コーヒー1杯が何と500円! いかに花のお江戸の東京といえどもこれにはびっくり。まあ、それだけの格調と雰囲気を備えた店であったと思うが、この500円のコーヒーのことは今でも忘れない。
当時、わが家は田舎町で喫茶店をやっていたが、たしかその頃コーヒーは50円だったと思うから本当に驚いた。ちなみに、今から42年前の1970年頃の物価はというと、大学卒の初任給が32,400円。ラーメン60円、たばこのハイライトが80円、封書15円 はがき7円という時代のことである。
あれから42年、東京スカイツリーの展望台のカフェでコーヒーを飲んだら1杯いくらだろうか。東京タワーの2倍近い高さだから何もかにもが高いのだろうが、コーヒー1杯がいくらなのかは知りたいなあ。
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