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MONAのフォト・ギャラリー

写楽・・話楽・・・な日々

雪を割って咲く福寿草は 私たちには特別な存在なの

2017-02-25 23:06:02 | 小さなおはなし


3回にわたる「 クナウとひばり 」のおはなしを聴いて下さり ありがとうございました 

ちょうど 今は 福寿草が咲く季節   

この おはなしをする機会が2回ほどあり 聴いて下さった方から こんな声を頂きました 


北海道出身の方から・・・ 

北海道に住む人たちにとって 福寿草は特別な思いがある花なの 

雪が融けはじめ やっと顔を出した大地に 一番初めに咲く花ですから 

福寿草が咲く → 長い冬が終わり 春が来る  

このおはなしに その ときめく気持ちを思い出しました 


ご主人が北海道出身の方・・・ 

彼は 福寿草のことを「雪割草」というのよね 

雪を割るように咲く花だから 


そんな話を聞くと 私にも 新たなイメージが湧いてきます 

来年 福寿草が咲く季節に また何処かで このおはなしをすると思いますが その時は もっと良いおはなしになりそうです  

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クナウとひばり - 3 -

2017-02-24 21:37:30 | 小さなおはなし


さて みんなは「 ひばりは どうなったの? 」って 思うでしょう? 

大空の神も ひばりのことを忘れてはいませんでした 

ある日のこと 大空の神と ひばりが 空でばったり出逢いました 

大空の神は 言いました 

「 ひばりよ お前は なぜ私の言いつけを守らなかったのだ? 」 

「 神さま アイヌの国はとても美しいのです つい 歌い 遊びながら暮らしているうちに 日が過ぎてしまったのです 」 

「 ならば ひばりよ  お前はアイヌの国の鳥になるがよい 二度と大空の国には戻れないようにしよう 」 

「 それはひどい! それはひどい! 帰りたい! 帰りたい! 」 

ひばりは 大空の神に訴えました 

けれど ひばりの願いは 聞き届けられませんでした 

ひばりは 今でも「 帰りたい!帰りたい! 」と 言いながら 空に向かって飛び立つのですが  行くことは出来ず 舞い戻ってくるのです 

その声が 私たちの耳には「 ピイチク!ピイチク!」と 聴こえるのだそうですよ 


*** おしまい ***
 

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クナウとひばり - 2 -

2017-02-23 22:09:08 | 小さなおはなし


さて 次の日 大空の神が クナウを迎えに 中空の国へ降りてきました 

ところが クナウの姿がありません 

大空の神は たいそう怒って 大空の国へ帰っていきました 

そして ひばりを呼んで こう言いました 

「 ひばりよ アイヌの国に降り クナウを探し出してくるのだ よいか 日が暮れるまでに戻るのだぞ!」 

「かしこまりました」 

ひばりは 小さな羽をせわしなく羽ばたかせながら アイヌの国へ降りて行きました 

それっきり その日も 次の日も 次の次の日も帰って来ませんでした 

大空の神は けもののテンを呼んで 言いました 

「 テンよ アイヌの国に降り クナウを探してくるのだ よいか 日暮れまでに必ず戻るのだぞ!」 

テンは 大きなしっぽを振り振り アイヌの国へ降りて行きました 

そして その素早い動きで アイヌの国中を走り回り とうとう 国の端にある まだ雪の残った岩陰に隠れているクナウを見つけ出したのです 

けれど クナウは テンと一緒に 大空の国へ行こうとはしませんでした 

テンはクナウよ お前は神に背き 親に背いた罰として アイヌの国の草になるがよい 」と言って しっぽでクナウを叩きました 

すると クナウの姿は みるみるうちに 小さな草に変わりました  

そして その先に小さなつぼみがついたかと思うと それはふっくらと膨らみ 美しい黄金色の花がひらきました 

フクジュソウです 

春 まだ雪の残る大地に 誰よりも早く花ひらくフクジュソウは クナウなのです 

一目でも早く アイヌの国が見たいと咲くのです 

そして 人々に 春が来るよと知らせているのです 


*** つづく ***  

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クナウとひばり - 1 -

2017-02-21 23:13:31 | 小さなおはなし


むかしむかし 北の大地に アイヌの国がありました 

アイヌの国の上には 風が流れ 雲がわきおこる「中空(なかぞら)の国」がありました 

中空の国には 雨や 雪や 陽の光を 地上に届ける役目もありました 

中空の国の上には どこまでも高く広がる「大空の国」がありました 

青い青い空の世界です 

ある日のこと 大空の国の神さまが 足もとの 中空の国を眺めていると キラキラ輝くものが目に留まりました 

「何だろう?」 不思議に思い 大空の神中空の国へ降りて行きますと・・・ 

それは 中空の国の美しい女神「クナウ」だったのです 

一目惚れした 大空の神は クナウのお父さんの「中空の神」に クナをお嫁さんに欲しいと申し込みました  

中空の神は つり合いの良い結婚を喜びました 

そして クナウに 春までに 楡の木から採った糸で 嫁入りの晴れ着を織るようにと命じました  

それからというもの クナウは 楡の木の皮を採るため たびたび アイヌの国へ降りて行くようになりました 

行く度に クナウは アイヌの国の 美しい森や 湖や 野原が大好きになりました 

そして 大空の国へいくのが 死ぬよりも嫌になりました 

いよいよ明日は 嫁入りの日 

クナウは 立派に出来上がった 黄金色の晴れ着を着て 別れを告げる為 アイヌの国へ降りて行きました 

それっきり クナウ中空の国に戻っては来ませんでした 


続く

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空に黒い雲が走り 寒くなる時だけ ゆきむすめは嬉しそうでした 

2017-02-04 23:18:51 | 小さなおはなし


ロシアの昔話 「 ゆきむすめ 」の おはなしです 

おじいさんと おばあさんが おりました 

二人には子どもがなく それを寂しく思っていました 

ある冬の日 窓から 子どもたちが雪で遊ぶのを見て 自分たちも外に出て 雪で女の子をつくろうと思いつきました  

手をつくり 足をつくり 顔をつくりました 

きらきら輝く氷のかけらが 目になりました 

出来上がった「 ゆきむすめ 」は なんと可愛いことでしょう! 

おじいさんと おばあさんは うっとりと眺めました 

すると 突然  ゆきむすめが にっこりと笑いかけ 手を上げ 一歩二歩と 雪の中を歩き始めたのです 

おじいさんと おばあさんは びっくりするやら 喜ぶやら・・・ 

ゆきむすめは ぐんぐん大きくなっていきました 

日ごと 賢く 美しくなりました 

おじいさんと おばあさんは 目に入れても痛くないほど ゆきむすめを可愛がりました 


やがて 冬が去り 春がやって来ました 

雪が融け去り 凍っていた小川は 音を立てて走り始めました 

子どもたちは 外を嬉しそうに走り回りました 

けれど ゆきむすめは 元気なく 家に閉じこもっています 

「どこか具合でも悪いのかい? それとも 心配事でもあるのかい?」と おばあさんが訊いても 黙って首を横に振るばかり 

空に黒い雲が走り 寒くなる時だけ 嬉しそうでした 


やがて 短い春が終わり 夏になりました 

女の子たちが ゆきむすめを誘いに来ました 

「森へ遊びに行きましよう!」 

「暑いわ! お日さまが怖いわ!」 

ゆきむすめは 断りました 

でも おじいさんと おばあさんに勧められ 仕方なく出かけました 


森で 女の子たちは 楽しそうに 花を摘んだり 花輪を作ったり・・  

でも ゆきむすめは 日陰で 冷たい小川の水に足を浸し じっと 陽が沈むのを待っていました 

夜になると 女の子たちは 枯れ枝を集め たき火を始めました 

そして 「たき火越え」という遊びを 思いつきました 

一人が たき火を跳び越えました 

二人 三人 四人目も 跳びました 

「さあ  あなたの番よ

ゆきむすめは 後じさりしました 

「怖いの? 跳べないの?」 

女の子たちは みなで ゆきむすめを笑いました 

ゆきむすめは 思い切って 跳びました 


ゆきむすめ
は いったい 何処へ 行ったのでしょう? 

たき火の上に ただ ひとすじの湯気が ゆらゆらと立ち上り まるで 空の上の雲を追いかけて行くように 上へ 上へと 昇って行きました 


*** 以前撮った写真です ***
 

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「 ゆき 」 絵本

2017-01-26 20:51:33 | 小さなおはなし


1月の「こどものおはなし会」で Tさんが読んで下さった絵本   

「 ゆき 」 

シンシア・ライラント 文  ローレン・ストリンガー 絵  新樹社 



***** 

ふりつもった ゆきは 教えてくれる 

今は ここにいるけれど・・・・・ 

やがて すっかり 消えてしまうということ 

あとに残るのは 思い出だけ 

思い出だけは いつまでも消えない 

***** 


文と絵が ぴったりと重なりあい 

うっとり~

素敵な世界です

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雪の踊り

2017-01-25 21:56:08 | 小さなおはなし


1月の「こどものおはなし会」で歌ったのは 

雪の踊り (チェコの民謡) 

***** 

こんこん こんこん 

ふれふれ 雪 

ずんずん ずんずん 

積もれよ 雪 

声なき リズムにのり 

ゆかいに おどりながら 

ふれふれ いつまでも 

ふれふれ 屋根までも 

(2番につづく) 

***** 

歌詞を知らなくても リズムにのりやすいので 

手首や足首につける こんな鈴を作りました(写真) 

一緒に踊ると 鈴がシャンシャンと鳴るので 

小さな子は 大喜びです  


今日も 冷凍庫の中のような寒さでしたね  

明日は やっと 寒さが緩むそうですよ 

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ブログ11年目に入っていました!(*^^)v

2016-12-14 21:50:23 | 小さなおはなし


ブログを開けたら ブログを始めてから3652日目とありました!   

もう10年になるのですね 

びっくりです   

そう言えば 昨夜は 嵐のように激しい風雨    

窓を叩く雨音と風の唸りを聴きながら 厳しく長い冬の訪れを思いました  

このブログを始めるきっかけになったのも そんな嵐の夜のことでした 

偶然に出逢い そして 別れた人々・・・   

それから 私自身がこんなに長くブログを続けることになろうとは 

その時には 夢にも思いませんでした 


これからも無理なく続けますので よろしくお願いいたします 

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横浜の人は親切だ!

2016-12-07 23:19:40 | 小さなおはなし


数日前の夕方 駅近くの道を 車で走っていました  

店屋の立ち並ぶ道は 日が落ちてすっかり暗くなり 

夕方の買い物をする人や 仕事を終えて駅へ急ぐ人 その間を縫うようにしていく車や自転車で ごった返していました 

細く入り組んだ道を抜けて大きな道路に出たいのですが ノロノロとしか進めません 

ここを右折すれば 家に帰る道路に出れると ウィンカーを出した途端 

運転席側の窓の外にいたおばさんが 私に向かって大きく手を振りました 

「 ええっ~ 知ってる人だっけ!? 」と マジマジと見ても 逢ったことのない人 

おばさんは 窓に近寄り なおも手を振り続けています 

すると・・ 今度は 別のおじさんが助手席側の窓に飛んで来て 手を左右に振ってダメダメをするのです  

私はポカンとしたまま まるで異星人・・・

でも 何か大きな危機が迫っているのを感じました 

何だかわからないけれど この方たちの導きに委ねましょう 

ウィンカーを元に戻し ゆっくりと直進しました 

曲がろうとした道を通り過ぎた瞬間 チラッと見ると 警察が曲がってきた車をみな捕まえているのが見えたのです 

ああ 助かった~  


家に帰って 夫に話すと この道は時間によって右折禁止になるのだとか・・・ 

標識は目立たなく それに冬は暗くなるのが早いので 目に留まらないのですね 

それを知ってる警察の 交通違反検挙の漁場なんだ~  

待ってれば 次から次へと 獲物がやってくるのですもの 

こんな楽なことはないわ! 


それにしても なんと親切な人たちでしょう 

横浜に住んでいてよかった!

本当に 心から感謝しました 

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「夫婦の日」に こんなお話 

2016-11-23 22:55:08 | 小さなおはなし


昨日 11月22日は 「 いい夫婦の日 」 

それにちなんで「夫婦」をテーマにおはなし会がありました 

私は 「 段々畑を上がっていった家にお嫁にいった 」というエッセイを語りました 

( 佐野洋子著 『私はそうは思わない』より)

********

伯母は生まれた家から五分 段々畑を上がっていった家にお嫁にいった 

お嫁にいった家から 生まれた家の屋根もカキの木も見えていた 

口うるさく耳の遠いしゅうとの世話をし 十人の子を生み育てた 

畑仕事の嫌いな亭主が 村役場につとめていた 

畑仕事は 伯母が黙々とやっていた 

・・・・・ と続いていきます 


佐野洋子さんは 絵本作家として有名ですが 

そのエッセイは 「子どもの心と大人の目」で書かれ  

切れ味よく 大好きです

私は ひとの書いた文章を語るのは とても苦手! 

でも これは語りたいと思ったのです 

頭の中で 何度もあらすじをなぞり 理解したうえで 

文を区切りながら口にのせて 自分のものにし 

やっと人前で語るという手順なのですが 

情けない自分の性格上 いつもギリギリになってから追い込む事になります 

なんとか語り終えて ホッ 

帰り際に 私よりもずっと若い人が「聴いていて 涙が出てきました」と言って ハイタッチ! 

「ホント!?」と思ったけれど 

私自身も 短い言葉で綴られた夫婦のあり方に胸が迫り 幾度も涙をぬぐいました  

それが聴いている人に伝わったのは とても嬉しいことなのです 

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