「 どのような眠りが お好みでしょう? 」
黒服の男が 物音ひとつ立てず 傍らに立ちます
優雅な身のこなし 吸い込まれそうな眼差しの ネムリエです
「 お薦めは? 」
「 こちらは 如何でしょう ?」
グラスに注がれたのは 濃い黄金色の液体
口に 含めば・・・
身体が重くなり 深い眠りの底へと 落ちていく
浮かび上がろうという意識と 沈んでいく身体の 落差
小舟に乗って トロピカルな大気の海に漂いながら
そよそよと 微かに吹く 秋風に 帆を操る
そんな感じ ?
「 夏の終わりに相応しい 眠りかと 」
ネムリエの 囁き・・・
「 最上質の眠りとは どんなものなの? 」
「 それは・・・ 」
ネムリエの顔に 微笑みが広がりました
「 お客さまの心を開放してあげること
そして
心の奥底にある夢や願いを 眠りの中で叶えて差しあげる事でございますね 」
*** 以前撮った 写真です ***