『 たくさんのふしぎ 』 1988年10月号
木のぼり入門 児玉芳郎 ・福音館書店
散歩道 メタセコイアの木がまっすぐ空に伸びていて、見上げる。
まだ息子が幼いころ
彼は木のぼりが好きな子どもでした。
木にのぼりたくて 毎日うずうずしていました。
特にメタセコイアに木がお気に入りでした。
杉のような木肌の少しけばだった手触り
太い枝にまたがって木をゆすった時の振動
簡単にぽろぽろと取れてしまう葉っぱ
その間から見える風景
息子が木から落ちてしまわないかとハラハラしながら
それでも、一緒に木に抱きついていたことを
もう20年近くたった今でもリアルに思いだします。
もう大人になってしまった息子は木にのぼりません。
大人になると、木にのぼるには理由がいります。
下手にのぼったら、怪しい人って通報されそうだし・・・
大人って不自由なんですね。