「とん ことり」の音がして

暮らしの中で 絵本と私

馬たちよ、それでも光は無垢で

2011-08-23 15:03:20 | 書籍・絵本


  

  馬たちよ、それでも光は無垢で 古川日出男 新潮社

   私は福島に生まれた。声がする。そこへ行けー。

   あの日以来、私は時間を喪失した。世界はテレビの向こうにあり
   自分こそが彼岸にいた。涙がこぼれる、自問する、どうして私は死なないのか。
   どうしたら苦をともにできるのかー。
   震災から一月、作家は福島浜通りをめざす。
   被災、被爆、馬たちよ!
   目にした現実とかつて描いた東北が共鳴する、小説家が全てを賭けた祈りと再生の物語
                                               ( 書籍紹介文より)

    草をはむ牛と馬の上に、光が静かに降り注ぐラストシーン
    >ここで私のこの文章は終わり、はじまる。と記されている。
    小説とはなんだろうと思った。
    ドキュメンタリーでもなく、なぜ、いま小説なのか?
    この本を読んで、そこに作家が自問し続けたという「意味」を感じた。
    2011年3月11日以降
    日常のもろさを知った。
    被災地から遠く離れて暮らしていても、気持ちはもやもやとして
    だから、この本はストンと心の中に落ちた。
    はじまる。希望・・・

    パン屋さんが作ったおひさまパン
    どうか光が降り注ぐ世界でありますように、と。
    足が地についた暮らしができますように
    これから「ジェノサイト」高野和明 を読みます。
    息子がとても面白かったとお勧めなので・・・

    


なんとなく

2011-08-22 17:14:56 | 書籍・絵本


     

       なんとなく  五味太郎 絵本館

       なんとなく、なんとなく・・・と
       どんどん話がつながっていきます。
       ところが、このなんとなくが
       たいへんなくせもの
       なんとなく、なのに
       なんで?!と
       聞きたくなることばかり

                  ( 紹介文より )

      本屋さんの絵本コーナー
      お母さんに絵本を読んでもらっている子どもが
      『それからどうなるの?』としつこいほど
      その先を知りたがる。

      だから・・・
      いま、読んでもらっているのに。
      いまより、先が気になるか

      あぁ でも子どもの頃は私もそうだったかも知れない。
      大人になった いまでも、もちろん本を読めば
      それから、が気にはなる。
      でも
      日常では「それから」先に臆病になり
      「それから」を期待する熱意があまりなくなって
      「なんとなく」の毎日が続くようになってしまった。
       なんとなく、でも きょうはきょう

      今日は、キレイなトマトがスーパーにあったので
      なんとなく、買ってしまった。

      

        そして、今日は涼しかったので
        なんとなく、たこ焼きも買ってしまった。

       

          『それから、どうなるの』
          で、なんとなく、なんとなく・・・体重を測るのやめた!!


あの太陽がこの世界を照らし続けるように

2011-08-21 15:10:02 | Weblog


   

   

     埼玉アリーナ・コブクロのライブに行く
         >あの太陽がこの世界を照らし続けるように

        『ステイ』 という曲がとても良かった。
        新曲ではないのだけど、いま、この歌詞には励まされる。

      

                   埼玉アリーナに行く途中の渋谷

        急に涼しくなって、ほっとしたら
         がくんと体力が落ちた・・・
         このままではまずい
         気分を変えるとテンションがアップし
         しばらくは 気持ちが持ち直す?
         ライブとか映画とかサッカーとか
         気分転換には最高だね。

         巻誠一郎選手が 東京ヴエルディに加入が決まった。
         昨日は巻選手が読売ランドの練習に出ているというので
         息子クンが会いにいく。
         写真撮影もサインも快く「いいですよ」と言ってくれたそうだ。
         画像は巻サポの私のために息子がくれたもの
         巻!! 緑の背番号41 


   

   

    

 


いねむり先生

2011-08-17 12:25:22 | 書籍・絵本


 

  いねむり先生  伊集院 静  集英社

 女優だった妻の死後、アルコール依存、ギャンブルに溺れ、壊れてしまったボクは
 「いねむり先生」こと色川武大に出会う
 魂と交流と再生を描く自伝的長編小説 
                                                  ( 書籍紹介文より)

 先生とサブローくんの出会い
 人は人によって再生され生きていけるのだと思った。
 他人のざわめく感情に対してものすごく鋭敏な男たち
 その波動が伝わってきそうな本だった。
 著者は自分の経験を隠すことなく書いている。
 弟さんの死、妻の死
 そして大きく混乱していた日々
 それでも 清冽で美しく感じられた。
 著者の文章に
 しばらくぶりに大人の小説を読んだ気がした。

 

  暑い夏ほど、よく咲くというサルスベリの花
  ハッとするほど 色鮮やかで見入ってしまう。
  今年の夏はすべてが 特別な思いとなる。
  祈り、ただ、それだけ


真夜中のパン屋さん

2011-08-16 17:16:46 | 書籍・絵本


   

  真夜中のぱん屋さん  大沼紀子  ポプラ社

  都会の片隅に真夜中だけに開く不思議なパン屋さんがあった。
  オーナーの暮林、パン職人の弘基、居候女子高生の希実は
  可愛いお客様による焼きたてパンの万引事件に端を発した
  失踪事件へと巻き込まれていく・・・
                           ( 裏表紙文より)

  夜の町を徘徊する小さな男の子
  ひきこもりの脚本家
  ホームレスのニューハーフ
  育児放棄の母親
  それぞれが抱えている傷や孤独
  真夜中のパン屋に集まり、ほんやかと温かい時間が流れる。

  表紙のイメージから 本を手に取るのが”ちょっと”、だったのだが
  面白かった。
  現実にはないなあ~と 思いながらも読後は胸が熱くなってしまった。

 
   

   わんこをトリミングサロンに連れて行った。
    濡れている状態の方が犬らしい・・・
    トリマーさんが仕上がりの写真を撮ってくれたけど ヘンだよね。
    散歩道にはオミナエシが咲きていた。
    オミナエシ、可愛い名前なのに漢字では女郎花と書く
    なぜなのだろう・・・

       


困ってるひと

2011-08-15 16:44:28 | 書籍・絵本


  

  困ってるひと  大野更紗 ポプラ社

  脱帽した!
  闘病記としてでなく 読み物として面白かった。
  突然、襲った原因不明の難病
  事態の深刻さ、過酷な入院生活
  それをなんとも軽やかな文章で綴っている。
  でも、そこには多くの問題提起がされている。

  24時間とぎれることのない熱と倦怠感
  車椅子生活になり、障害者手帳が交付され
  何度も死のうと思った。
  そんな中で自身の病状と距離感を持って
  社会において「困ってるひと」の問題を問いかける。
  あぁ、こうやって「生きるとはなにか」を考えることも
  できるんだ。と教えられた感じ・・・

  著者の「難」を共有できる気がして何度も涙がこぼれた。
  もとい、著者はそんな涙を少しも求めていないだろう。

  『なにがあっても 悲観も、楽観もしない。 ただ、絶望は、しない』

   「ただ」、「絶望」は、しない。
   その言葉を何度も反芻する。
   何らかの「難」のクジを引いたとき、どう抜け出すか
   「難」を乗り越える鍵はどこにあるのだろう?
   わからないので日常を大切にするしかない・・・
   ぐるぐると空回りしながら空を見上げる。
   お日様がてかてか 今日も暑いなあ

  

   私はずっと冷麺が嫌いなのだと思い込んでいた。
   10年以上前に初めて焼肉屋で食べたものが不味かったので・・・
   娘が盛岡冷麺が食べたいと言うので仕方なく買いに行った。
   うん?
   美味しいじゃん、これ!
   10年も食べないでいてソンした。
 


COPPELION

2011-08-12 15:55:21 | 書籍・絵本


  

   COPPELION  井上智徳 講談社

   時は西暦2036年
   東京は原発事故による放射能汚染で封鎖されていた。
   そんな死都・東京に3人の女子高校生が送りこまれた。
   彼女たちの名は「COPPELION-コッぺリオン」
   遺伝子操作によって生まれつき放射能の抗体を持つ
   陸上自衛隊・第三師団所属の特殊部隊である。
                              ( 1巻の裏表紙より)

  2008年に刊行されて連載中
  TVアニメ化が決定されていたが3月に起きた東日本大震災の
  震災によって誘発された福島第一発電所事故により
  中止となっている。
  リアルなシチュエーションもあって
  なにもいえない漫画となってしまった。
  最新巻(10巻)は失速している感じだし・・・


 

   夏に咲く花は赤や黄色や紫が多い
   植物の専門家の話によると
   花びらが悪い紫外線にやられないように、アントシアニンやカロチン
   という色素を作って、自分自身を守るのだそうだ。
   また、これらの色素は活性酸素の害からも守っているとか
   活性酸素は癌をはじめ、すべての病気の原因だとも

   夏野菜を食べると体温を下げてくれるからよいといわれるが
   トマトのリコピン、ナスやしそのアントシアン、南瓜のカロチン
   夏野菜は、夏の暑さから体を守ってくれているのか!
   感謝して食べるよ。

   窓の外には入道雲
   油蝉が猛暑の町に鳴く
   ボボ~と「光化学スモッグ発令」注意報が聞こえてきた。
   公共施設では発令と同時にのぼり旗を出し住民に注意を促す
   最近のゲリラ豪雨に 今日も福島では地震
   ・・・
   ねえ~、地球よ 
   いま 何が言いたい?
   地球の声を聞く耳を私は持たない・・・


それからはスープのことばかり考えて暮らした

2011-08-11 13:58:39 | 書籍・絵本


  

   それからはスープのことばかり
      考えて暮らした       
吉田篤弘 中公文庫


  書名に魅かれて本を手に取った。
 
  しごとをやめてしまって、ふらりとある町に引っ越してきたひとりの青年
  その町に越してきたばかりのころ、すれ違う人が「3」の紙袋を抱えているのが
  なんとも不思議に思えた。
  >「ああ、あれはね。」
  >「サンドイッチ屋の袋なの」
  そして彼は一軒のサンドイッチ店「トロワ」に出会う。
  いつしか店主とその息子と仲良くなり、「トロワ」で働くことに。
  こうして彼の、サンドイッチにあうスープ作りの日々が始まる。

 何かに行き詰ったり、弱り果てたときは
 とにかく温かいもので腹を充たすべし
 そんなメッセージ

 

  花屋の店先でみつけた「風鈴」

 

 雷がゴロゴロとなっている。
  もうすぐ雨が降りだすのだろうか?
  昨夜のサッカー 「日本vs 韓国」
  とても良い試合だった。
  9月からのW杯アジア3次予選が楽しみ!

  選手の腕には松田直樹さんを悼む喪章
  じわ~ん悲しみが胸にこみあげてくる・・・
 


冷蔵庫のなかのケーキ

2011-08-05 12:04:39 | Weblog


 

  昨夜は息子の誕生日だった。
  仕事帰りに寄ったケーキ屋さんには、このケーキしかなかった。
  もういい歳になる息子に このくまさんケーキを買うか。(笑)
  で、結局 彼は仕事で帰宅せず
  冷蔵庫のなかには ぽつん、とケーキが残されている。

  子どもが大きくなってみれば、過去は夢のように
  育児に、親の義務として手がかかることは当たり前なのだが
  その当時は、手がかかることの中に試行錯誤しながら生きていた。
  もちろん、希望や願いはあったが、子どもが年齢を数えるうちに
  その願いや希望も、子ども自身の願いや希望に変化していくものだ。
  子どもに押しつけできるものはなにもない。
  子どもに向き合いながら、自分に向き合うことで
  瞬間、瞬間を、ただ生きていたことになる。

 

   無常を見つめる
   無常を含めて生きているという事実
   サッカーの松田直樹選手の訃報
   とても悲しいです。
   雨が降ったり止んだりしています・・・
   また、空を見上げる。

  


8月に・・・

2011-08-02 21:03:49 | Weblog


  なんとまぁ、8月に
  長くブログ更新をしていなかった。
  震災後の無力感? 節電のため?
  暑くなったので疲れた?
  まあ、いろいろ
  そして、これが一番しょうもない理由なのだけど
  書かないでいることが、楽だった。
  いや、書けないほど重い何かがあったわけではなく
  書かないで放置していると とても気楽
  書きたいと思ったことがなかったわけではない。
  たとえば、梅雨の頃 紫陽花の花に見惚れたこと
  サッカーだって観戦に行った。
  読書した本の感想
  病院での話、病気に向き合うこと
  家族のこと、映画のこと
  仕事のこと、友人のこと
  書かなくても日々は過ぎていく
  書かない日常に慣れてしまった。
  
  いつしか夏の雲になっていて
  相変わらず、散歩して猫を探している。

  今日の散歩道