【時事(爺)放論】岳道茶房

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6/20中日春秋

2010年06月20日 | コラム
6/20中日春秋

 <専夢取締役シェフパティシエ>。信州・伊那で父親と一緒に「菓匠Shimizu」を営む清水慎一さん(35)の名刺にある肩書だ。子どもたちの描いた夢をケーキにして、無料でプレゼントする「夢ケーキの日」のイベントは今年で五年目になる。

 本格的に始めるきっかけは隣町で男の子が父親をなたで襲った事件だ。「この親子は店のケーキを食べたことがあるに違いない」。そう感じると、傍観できなくなった。

 ケーキには、人を幸せにする力がある。家族で夢を語り合う時間をつくってほしいと、夢ケーキの募集を始めた。九人、五十四人、五百人と応募は増えて、昨年はなんと八百五十人に。

 子どもが描いた絵をもとに、一個ずつ丁寧につくるので相当な手間がかかる。昨年は十数人の職人を総動員、助っ人五人にも応援にきてもらった。寝る時間もなくなるが、子どもたちが跳びはねて喜ぶ笑顔に疲れは吹き飛ぶ。

 「人を喜ばすために生きなさい。自分のために頑張ってはいけない」。母と祖母からそう言われて育った。なぜ、自分のためじゃだめなんだと釈然としなかったが、その意味が分かってきた。喜んでもらって成長できるのは、自分自身なんだと。

 数字の8を横にした∞は無限大を意味する。清水さんの夢は、八月八日を夢ケーキの日として世界に広めることだ。賛同する仲間たちの輪も広がっている。


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