マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

生鮮食品の買い物に市場(いちば)を選択肢に加えてみませんか

2011年02月06日 | マレーシア生活の案内と知識
【都市部にはスーパーがかなりの数あります】

日常必要な生鮮食品はいうまでもなくスーパーマーケットで売っています。Jusco のような大きなスーパーで日常的に生鮮食品の買い物をされていらっしゃる在住者の方は多いことでしょう。日系資本のJusco は半島部西海岸の都市部に店舗を20軒近くも持っています。

他にもTesco,Carrefour,Giant, The Store, UO Superstore など各地で店舗展開しているスーパーマーケットチェーンには国内資本と外国資本の両方があります。店舗数で一番多いのは国内資本のThe Store であり、半島部東海岸の町からクアラルンプールまで細かに出店しています。外国資本スーパーはJuscoの例でもわかるように、地方の大きな町を含めた都市部中心の店舗出店です。なおサバ州とサラワク州では半島部には店舗を持たない州独自のスーパーが店舗網を展開していますね。

【地方の町には地場のスーパーがあります】

地方の町には、たいてい地場のスーパーがあります。加えて食料品から日用品まで幅広く扱う食品雑貨店が必ずあります。都市部にも住宅地や郊外に地場の小規模スーパーがあります。クアラルンプールの場合、この数年中心部にコンビニスタイルのミニスーパーが進出しています(セブンイレブンのようなコンビニチェーンではない)。

このように店舗の数に関してはまあ十分あるのですから、日常の生鮮食品の買い物はそれなりにできるといえます。ただし言うまでもなく、人それぞれ買い物に期待する品揃えと品質に違いがあり、加えて家計状況は相当なる開きがありますから、その品揃えと品質に不十分さを感じる、感じない、満足する、不満であるといった違いは当然でてきますね。

【この点からも十分な現地体験をお勧めします】

ロングステイされる方にとって日々の食品と食材は大切な事柄のはずですから、まず複数の地区や場所に滞在してみて、スーパーやその地の有力生鮮食料品店をできるだけ数多く回ってみるのが、最良で手っ取り早い方法です。食料品に関しては文字情報を読んだだけでは現実として実情が把握できないのではないだろうか、とイントラアジア (Intraasia)は思うからです。

なお自分で全く料理できない、しない、するつもりのないイントラアジア (Intraasia)は、日本食と日本食材の何々というこだわりはずっと昔から完全にゼロであり、この分野のことは知りませんので、ここでは触れません。

いずれにしろ、海外ロングステイに興味をお持ちの方または考慮中の方には、日常の食品買い物情報収集を兼ねた体験滞在を強くお勧めしています。当ブログをお読み方ならすでにご存知のことですね。なお1週間程度の短期ではまことに不十分ですよ、せめて1ヶ月は滞在してちょっと腰をすえて体験してくださいね。

【マレーシア人は市場(いちば)での買い物を好む

ところで生鮮食品については、品揃豊かなスーパーマーケットがいくつもある都市部でさえスーパーで買うよりも市場(このページでは全て”いちば”と読みます)で買う方が好まれています。スーパーのない小さな町や田舎となれば、ほとんどの生鮮食品を市場で買うことになります。

これはマレーシアだけでなく東南アジアに共通する現象であり、民衆の伝統的行動様式といえます。インドネシア、ベトナム、カンボジア、ラオスなどではこの傾向はもっと強まります。マレーシア語とインドネシア語では pasar(パサー)、 タイ語ではタラート、ベトナム語ではチョーと呼ばれる市場は、民衆にきわめて身近な存在です。

都市部の消費者が今なお市場を好む理由には、市場で売られている生鮮食品の方が新鮮(と見なしている)、安価(な場合が多いと考えている)、選択幅が広い、少ない量でも多い量でも売ってくれる、多少の交渉余地がある、といったことがあげられます。さらに市場では売り手側と人間関係ができることも大きな理由にあげられるでしょう。スーパーでは販売員との人間関係で買う人はまずいないでしょうからね。

もちろん、もっぱらスーパーでしか生鮮食品を買わないという消費者もいますが、その割合は居住地にもよりますがかなり低そうです。平日はスーパーで買いものするが週末は市場で買うという消費者も少なからずいますよ。市場のテナントが日曜日に休むことはまずありません。一般に市場では早朝から昼ごろまで商売をしています。

【伝統的市場だからといって、ごみごみして清潔さに欠ける環境ばかりではない】

マレーシアというより東南アジアの伝統的市場は、冷房完備で地面や床を含めて市場内ははかなりきれいであるというようなことにはなりえません。比較的整っているといえる都市部の整備された市場でも、しばしばかなり”汚い”光景を見かけます。ただこれも市場によりけりです。自治体の市場整備計画が施行されて建替えまたは移転した市場は、築10年以下ぐらいの新しくゆったりした建物内部にテナントが区画を割り当てられて商売しており、ゴミ捨て場などがきちんと指定され、それなりに清潔度に注意が払われています。

一方クアラルンプールの最大で最古の市場の1つであるチョーキット市場に代表される古く管理の徹底していない市場は、買い物客が歩く通路と地面からして濡れて汚れている、テナントの割り当て場所が非常に狭く通路も狭い、従って混雑度がひどい、古びていることもありきれい感がほとんどない、という負の面があります。それにも関わらず人気はまったく落ちずいつも買い物客で混んでいるのが、マレーシアのそして東南アジアらしいところです。

なおマレーシアでは都市部でも地方でも、自治体が市場の管理権のかなりの部分を有しており、そのことから古く狭い市場の改造や移転に取り組んでいます。ですから国内の市場を見たとき、雨が漏るような屋根の下で内部が明るくない市場もあれば、現代的なしっかりした2階建ての自然換気の良い市場もあります。数箇所程度を見ただけで、マレーシアの市場は全てこうだと判断はできません。

【市場によく馴染むのは東南アジア人と南アジア人】


こういう伝統的市場で買い物する顔ぶれを眺めていると、マレーシア国民が主体であるのは当然として、東南アジアと南アジア各国の人たちが一定割合を占めています。それぞれの自国で伝統市場に馴染んでいる彼らは、マレーシアでも気軽に市場へ買い物に行けるわけです。欧米人はその在住者数に比して圧倒的に少ないですね、所詮欧米人は東南アジアの市場に馴染めないことがよくわかります。

それでは中国人や韓国人はどうでしょうか。 韓国人のことはよく知りませんが、市場外で勝手に、つまり非法に商いをしている中国人がいるぐらいですから、市場に馴染める国民性だと思われます。年間100万人前後マレーシアを訪れている中国人の中には、非法活動に手を出す割合が決してごく低いとは言い切れないと、長年彼らを眺めてきたイントラアジアは思っています(「今週のマレーシア」にはこの題材を取り扱ったコラムがあります)。

注:マレーシア華人を中国人と呼ぶのは間違いです。マレーシア華語界において中国人という呼称は中国大陸の人たちを指します。

【日本人在留者はどれくらい市場を利用しているのだろうか】

滞在日本人はどの程度市場を利用されているのでしょうか? やはりスーパー派が多数だろうと推測していますが、でも市場を利用する日本人在住者も少なくないはずです。生鮮食品のほとんを市場で買う日本人はごくごく少ないでしょうが、たまにとか補完的に市場で買い物される人はそれなりにいらっしゃるのではないだろうか。

料理できない、しないイントラアジア (Intraasia)は、果物だけを買いに市場へ定期的に行きます。そのついでに野菜や肉類や魚類の売り場を眺めることもあります。さらにいろんな旅先でその地にある市場の内部をざっと見ながら歩きまわります、これはイントラアジアが長年続ける東南アジア観察の一環だからです。

マレーシアの市場の特徴をあげますと、ムスリム国であることを反映して、豚肉を代表とする非Halal食材の売場が厳然と区分されていることです。つまり鶏肉売り場の隣に豚肉売り場があるというようなことは、絶対におきえません。ムスリムが食べることを宗教的に許されない食品、それを ”非Halal品”と呼ぶ、を売る場所は市場内のまったく別の一画に集められています。

【ロングステイの皆さん、市場で買い物も選択に加えてください

ロングステイされる方には、東南アジアらしさの一つである市場の利用をお勧めしたいところです。大きなスーパーで欲しいものは大体そろうし、スーパーの方が便利でいいという意見に同意しつつも、せっかくのマレーシア滞在ではありませんか、時にはまたはスーパーの補完として市場で生鮮食品の買い物をしてみませんか。

一つにはロングステイ者にマレーシアらしさを身近に体験して欲しいという願いがあります。市場で買い物する時には、言葉を発する必要もでてきますし、民衆の行動様式を理解する一助にもなります。汚いから、ごみごみしているから、言葉がわからないから、と市場を敬遠ばかりしているより、手軽な買い物という手段から入っていける市場を利用していただきたいと思います。料理上手な方なら東南アジアらしい食材を買ってお試しください。市場にはスーパーよりも不ぞろいな野菜や果物が並んでいるし、スーパーにはない生きた鶏をその場で殺して売る鶏肉売り場がありますよ(笑)。

【市場では外国人売り子が目立つ】

なお都市部、とりわけクアラルンプールの市場では売り手側に外国人の比率が相当高くなっています。店主はマレーシア人でも売り子は違法、合法に雇われた外国人(インドネシア人、ネパール人、ミャンマー人など)という場合が半数以上にもなっています。さらに市場のすぐ外側で、非法に商いをしている外国人がいる市場もあります。こういったことはもはや現代マレーシア風景の一つなのです。

【車がなくてもバスに乗って市場へ買い物】

市場は大体が交通便利な場所にあります。なぜなら車やバイクを自分で運転しないおばさんたちがたくさん利用することから、バス便が近くを通っているのが一般的です。もっとも交通渋滞がひどい場所、自家用車を止める所に苦労するという場所が多いのも事実です。マラッカやジョーホールバルでは中長距離バスターミナルに隣接して市場があり、バスターミナルを発着する市内バス便が頻繁にあります。

ですから自家用車を保有されないロングステイ者であっても、市場の利用はできるのです。もちろん歩ける範囲には市場があれば、それに越したことはないです。イントラアジア (Intraasia)の住む地区には市場があるので便利だと感じていますよ。


ここでざっと説明しましたように、東南アジアらしさの典型でもあるマレーシアの市場で生鮮食品の買い物を是非選択肢に入れてみませんか、とお誘いの言葉を書いて、今回の結びとします。



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