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ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

アスペルガー症候群の子について学校に求めたいこと 2

2008-07-24 07:27:52 | アスペルガー症候群
アスペルガー症候群の子を持つというのは、とても親を追い詰めるものです。

その大きな理由は、
発達障害は先天的なもの、生まれつきのもの…と
はっきりしている現代にあっても、
きちんとそれを理解している人はあまりいないからです。

学校の教師や塾の教師などは、
子どもが問題にぶつかると、それまでの親の育て方に
原因を探ろうとしたり、親に注意を促すことがほとんどです。

また、発達障害児について偏見に満ちた誤った見方をしていたり、
ボーダーラインチャイルドという親の虐待等で問題行動を起す子と
ごちゃごちゃにしている場合もあります。

また最近よく見かける問題として、
乳幼児から始めるお教室で、アスペルガー症候群の子が「天才児」として
もてはやされてしまうことも、良くない傾向です。
これは一見、良いことのようにも見えますが、後から深刻な問題を生むように思えます。

アスペッ子のなかには、オムツをしている時から
世界中の国旗の名前を覚えたり、小学校高学年の漢字までが読めたり
する子がけっこういます。また、計算プリントをさせていくと、幼児のうちに
高校レベルまで進んでしまったりして、周囲を圧倒します。

しかし、「発達障害と子どもたち」の 山崎晃資先生の言葉を借りれば、

アスペルガー症候群の子というのは、知能は平均以上ですが、
高度な思考力や理解力が試されるような問題は苦手です。
計算問題はできるけれど、
応用問題は解けません。
具体的なものは想像できても、
抽象的なものは想像できません。
    
ですから、小学校入試や中学入試を難なく通り抜けることができても、
その後、学習が高度になれば、
努力ではどうにもならない事態にぶつかります。

周囲が、アスペルガー症候群の知識もないまま、
子どもをそうしたレールに乗せてしまうと、
子どもの心は追い詰められて大きな事件につながるかもしれません。

しかしだいたいは、その教育法批判にすりかわってしまって、
「天才児」と祭り上げた教育法をしてきたばかりに、
このように応用問題が解けない子に育った…と解釈されるケースが
多いように思います。

話が横道にそれましたが、
これらはみな多くの大人が、
アスペルガー症候群の子の生まれ持った特徴の
「負の部分」を取り上げて、

直接体験不足や、教育法や、
親の育て方や、ゲームやテレビの害や、環境汚染に原因を求めて、

持論を展開していることにあるような
気がするのです。
そして、学校の教師もまたそうした持論を通して、
アスペルガーの子を眺めています。

次回はもう少し初めの問題にもどります。

 

いつもどうもありがとうございます。