崖っぷちロー

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東京都青少年健全育成条例と表現の自由問題3

2010-12-11 15:19:05 | ニュース系
 連日話題となっている東京都青少年健全育成条例 改正問題であるが、各種報道を見るに、可決される可能性が濃厚になってきた。ここにきて大手出版社が本条例改正案に抗議の意思を示し、東京国際アニメフェアへのボイコットを表明するなど新しい動きも起きており、まだまだ確定したわけではないが、やはり厳しいといわざるを得ないのではないか。

参照:都の性描写漫画規制、可決へ 民主が賛成の方針固める
都議会最大会派の民主党は10日の総会で、対応を執行部に一任することを決めた。執行部は賛成する方針。すでに自民、公明両会派は賛成を決めている。民主党を含めると過半数となり、改正案は開会中の都議会で可決される。

参照:角川書店や講談社、集英社などのコミック10社会が東京国際アニメフェアへの参加拒否を発表
先日、角川書店の井上伸一郎社長が来年の東京アニメフェアへの出展取りやめを明言しましたが、本日、角川書店のほか講談社、小学館、秋田書店ら漫画出版社10社による団体「コミック10社会」は緊急声明を出し、東京国際アニメフェアへの参加拒否を表明しました。



 反対運動の前線では諦めることなく活動が続けられていることと思うが、本条例改正案が可決された場合にはまた異なる議論が必要となってくるだろう(あるいは今回否決されたとしても将来に向けた議論が必要となる)。そのような議論としては、都条例の改廃請求や都側の規制推進運動の公金支出を追及するといった案があるが、どこまで有効な手段といえるのか。また、憲法訴訟を通して本条例の内容や適用の違憲性違法性を争うというのも、現段階では極めて厳しいのではないか。

 ここは迂遠ではあるが、表現の自由のあり方について根本から問い直す国民的議論をすることが必要なのではないか。

***
法政大学准教授(知的財産権法・情報法専攻)の提案

ロージナ茶会ちゃんねる 猥褻規制と憲法との関係をもう一度 前編
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10637547
ロージナ茶会ちゃんねる 猥褻規制と憲法との関係をもう一度 後編
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10645407

 これは英米法の審査基準を軸に議論を進めたものであり、2010年5月の段階の議論ではあるが参考にすべき点も多い(ニコニコ動画ユーザーのコメントは議論の内容とはほとんど無関係なものが多い)。以下、白田准教授の提案のみ掲載するが、そこに至るロジックを動画の方で確認して欲しい。

白田准教授の提案
1.性暴力表現・性犯罪容認表現は、厳格に禁止。
2.実在13歳未満を対象・目的とする性表現は、刑法の性的同意年齢以下なので、違法性暴力表現として禁止。
3.13歳以上を対象・目的とする青少年についての恋愛・性表現そのものについては規制の必要はない。
4.商業的言論、広告に該当する恋愛・性表現は、特定の許可された地域や手法を除いて禁止(ゾーニング規制)。
5.違法行為煽動表現、憎悪表現、挑発表現、危険表現は、18歳未満について、段階的制限(R-12,15,18)。
6.「非実在青少年」なる概念は過度に曖昧で表現規制に用いることはできない。

東京都青少年健全育成条例と表現の自由問題4


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2 コメント

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Unknown (もも)
2010-12-11 16:53:11
ポルノについての根本的な議論など必要ですね。モザイク規制についても含めて。また性犯罪についてどうするかや、実態など。



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Unknown (nikonikoho)
2010-12-12 02:33:44
コメントありがとうございます。
>ポルノについての根本的な議論など必要ですね。モザイク規制についても含めて。
まさにその通りだと思います。
「モザイク」による自主規制も、万国共通の普遍的な規制と言うわけではないのですから…

>また性犯罪についてどうするかや、実態など。
これも表現の問題にとどまらず、広範な議論が必要ではないかと思います。
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