崖っぷちロー

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大野病院医療事故2

2008-08-20 19:06:38 | 法律関係問題
福島県立大野病院事件の福島地裁判決理由要旨

判決は無罪。
判決理由要旨は出ましたが、全文はまだでない。

言い渡し直後にネットにアップされる場合とされない場合の違いはなんなんでしょう?
被告人側弁護士がアップしたかどうか??

要旨としては、
1)行為義務の基準となる医学的準則は、臨床に携わる医師がその場面に直面した場合、
 ほとんどの者がその基準に従った医療措置を講じているといえる程度の一般性、
 通有性がなければならない。
  ↓
 癒着胎盤と認識した以上、直ちに胎盤剥離を中止して子宮摘出手術などに移行する
 ことが医学的準則であり、被告には剥離を中止する義務であるとは言えない。

2)また、具体的な危険性などを根拠に、胎盤剥離を中止すべき義務があったと認めることもできない。

3)したがって、被告が従うべき注意義務の証明がない。

という感じでしょうか?多分
結局、検察側が主張する注意義務はないということで、
判断枠組みとしては、従来の議論を踏まえた、まぁ普通なかんじなのかなと。

ただ、3)の部分については少し疑問があるというか…

>医療行為を中止する義務があるとするためには、検察官が、
>当該行為が危険があるということだけでなく、
>当該行為を中止しない場合の危険性を具体的に明らかにしたうえで、
>より適切な方法が他にあることを立証しなければならず、
>このような立証を具体的に行うためには少なくとも相当数の根拠となる
>臨床症例の提示が必要不可欠だといえる。

と述べているのですが、
より適切な他の方法が存在するか否かの立証に、少なくとも相当数の臨床症例の提示が必要
とするのはどうなんでしょうか?

「相当数」というのはどのくらいを指すのか分かりませんが、
それに満たない症例でも、理論的な正当性によって立証できる場合はありうるのではないかと…

むしろ、相当数の臨床症例がないということを、そのような代替方法を採ることを期待しえない
という方向でもっていったほうが良いのではないかと。
(机上の空論感がありますがw)



まぁ、とりあえずは全文の公開を期待しています。


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