小さい頃、寝台列車は青森行きばかりだった。
結婚してからは、ダンナの実家が九州なので九州行きばかりになった。
余裕があれば必ず片道は寝台にしていた。
九州方面に行く列車は、夕方6時20分過ぎに横浜駅に着く。
普段使っているホームで、通勤帰りの人々の中をお弁当や飲み物をたくさん持って乗り込むのは、とっても嬉しかった。日常からの脱出みたいな感じだ。
乗り込んだとたん鼻に飛び込んでくる車内の匂い!これが大好きなんであります。
寝台車特有のちょっと油っぽい匂い。小さい頃の思い出を一気に運んで来てくれる匂い。
もうワクワク感はマックスです。
そして、九州行きはいつも片側通路の寝台。
これは常に寝台になっているので、座るととても広い。(寝っ転がって腹筋も出来るぜぇ)
更に当時から寝台列車を使う人が減っていて、一つの車両に数組しか乗客がいないのでとても贅沢な感じだった。
このタイプは、寝床が狭いが縦は長いので足元は余裕がある。
荷物も置けるし、お気に入りの灯りや棚もある。そして何より毛布がステキ!
寝台の幅に合わせたほっそい毛布。こんなのもちろん特注だろうし、寝台車にしかないよね。
昔から隅っこや、狭い所に潜り込むのが好きだった私には、この空間というのは子供心に戻れるようなワクワクするものなんでございます。
そして私はほとんど寝ません。元々寝場所が変わると眠れない質ですが、窓からぼ~っと外を眺めています。
真夜中のひっそりとしたホームに降りる乗客や乗り込んでくる乗客…。なんとなく内緒な感じがして好きでした。
寝台車には、浴衣もついています。
夜、消灯する頃には浴衣の人が通路をうろつく事になります。
寝台もカーテンのみで、ドアや鍵があるわけでもない。
日本人は昔から性善説にたって暮らしてたんだなぁって思います。
多少は盗難とかあったかも知れないけれど、基本平和に過ごすもんなぁ。(たまに酒臭いおっさんはいるけど。)
今、帰省する時は飛行機になりました。
日本中、懐かしい寝台列車はほとんど廃止されました。
時間かかるし、時代の流れなんだろうけど、さみしいなぁ。
でも、そういう寝台列車を知らない世代の人に比べたら、楽しい思い出がいっぱいあるのは、とても幸せだと思う。
寝台列車ありがとう!