S.Boy blog

いかに生きるか いかに撮るか

ああ温泉

2008-09-12 | 子育てパパ
その日は疲れていた。入浴剤の入った風呂にゆっくり浸かりたかった。夜も遅くなってきたので子供たちと風呂場へ行く。入浴剤を探してみたが以前買ったものはなくなっていた。あきらめかけたとき、土産でもらった箱根湯本の湯ノ花の箱を見つけた。
子供たちに「温泉の素があるから、これ入れてみようか」と聞くと、ヤッターと大喜び。
「お父さん、たっぷり入れよう!」と小一の娘が言うと、
「俺がかき混ぜる!」と、五年生の息子もハッスルしている。子供たちには温泉の素とは未知なる世界で、そこに新しい世界が広がっているかもしれないと興奮しているのだろう。

風呂の蓋を開けて、湯ノ花をたっぷり入れる。
「わーい、温泉だ!」とはしゃぐ娘。
「よっしゃー」と、勢いよくかき混ぜる息子。
3人でドボーンと湯船に浸かる。

あれれ、様子がおかしい。
温泉の素が溶けない。入浴剤のように水に溶けていかない。水を入れたボールで小麦粉を溶かすとき、水が少なすぎて玉のようになった小麦粉の塊と同じような状況だ。
追い炊きしたら少しは溶けるかな、とやってみたが無駄な抵抗。湯船の水面には湯ノ花の玉が一面に浮かんでいる。顔や髪の毛にも湯ノ花の玉がたくさんついている。
「お父さん、これってこういうもんなの?」と息子が冷静に聞いてきた。
「いや、たぶん使い方を間違ったと思う。スマン。」

風呂には硫黄の匂いが充満していた。臭い、と娘は不満顔。「いやあ、いかにも温泉という感じがしていいなあ」と、ごまかす私。
風呂から上がるとき、3人ともシャワーで丹念に洗い流す。さらにその後風呂掃除。
入浴してさらに疲れは増した。

あとで箱の説明書を見ると
「布袋に入れてご使用ください」と書かれてあった。てっきりそのままお湯に入れるものだと思っていた。
翌日になっても、体は硫黄くさかった。

photo:琵琶湖・マキノ by IXY-L