S.Boy blog

いかに生きるか いかに撮るか

戒厳令の夜 五木寛之(新潮文庫)

2008-09-10 | 日々


古い本を再読。高校生以来。

スペインの天才画家が描いた絵をめぐる壮大なスケールの物語。
この戒厳令は1973年チリの軍事クーデターを指しているが、福岡の博多から話しは始まる。

あとがきには1976年・横浜とある。五木氏は1932年生まれだから44歳のときの作品ということになる。氏はこのあとがきで
「予感としてあるのは、今後世界は間違いなく<戒厳令の時代>に属するようになるだろう・・・」と述べている。
残念ながら、それは現代の管理社会と不条理な殺人事件が繰り返されるこの時代を言い当てている。





photo : 大阪・難波 by EOS KISS-DN