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ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

アフリカサッカー事情(4)~ワールドカップ・アフリカ地区予選はこうなっている!第一次予選編

2013-06-17 07:30:07 | アフリカサッカー・スポーツ
◆第一次ラウンドレビュー
15日というか、日本時間16日未明のコンフェデ杯、ブラジル代表×日本代表。評価いろいろだが、世界の壁は未だに厚いことを思い知らされた。失うものはないんだから、ガツンといこうよ、というのがわたしの感想であり、教訓である。

さて、世界各地でワールドカップ予選が進行する中、アフリカも熱い。「アフリカサッカー事情(1)」第一話ではアフリカ予選のしくみについてについて紹介した。今回は第一次予選が、実際どのように進行したのか、レビューしたい。


◆出場は24カ国
第一話でご紹介のとおり、2011年7月現在のFIFAランキングで上位28カ国はそのまま第二次予選にシード権で進出する。残りの下位24か国は、まず、第一次予選を勝ち上がらなければならない。このチームをおさらいしておこう。

(第二次予選シード出場:28)
アルジェリア、アンゴラ、ベナン、ブルキナファソ、ボツワナ、カメルーン、カーボベルデ、コートジボワール、エジプト、エチオピア、ガーナ、ガボン、ガンビア、ギニア、リビア、マラウイ、マリ、モロッコ、ニジェール、ナイジェリア、ウガンダ、南ア、中央アフリカ、セネガル、シエラレオネ、スーダン、チュニジア、ザンビア、ジンバブエ

(第一次予選から参加したチーム:24)
 →ブルンジ、コモロ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、ジブチ、エリトリア、エチオピア、ギニアビサウ、赤道ギニア、ケニア、レソト、リベリア、マダガスカル、モーリシャス、モザンビーク、ナミビア、ルワンダ、サントメ・プリンシペ、セイシェル、ソマリア、スワジランド、タンザニア、チャド、トーゴ、


◆12カ国が第二ラウンドへ
この第一次予選、24チームを12組に分け、ホーム・アンド・アウェー方式で勝者を決する。勝者はそのまま第二次予選へ。

ゲームはもうすでに1年半前、2011年11月に行われた。その結果は次のとおりだ。

(Wikipedia仏語版'Eliminatoires de la coupe du monde de football 2014 : zone Afrique'より引用。)

(第一次予選を通過したチーム:12)
 →コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、エチオピア、赤道ギニア、ケニア、レソト、リベリア(※)、モザンビーク、ナミビア、ルワンダ、タンザニア、トーゴ

(第一次予選敗退組:12)
 →ブルンジ、コモロ、ジブチ、エリトリア、ギニアビサウ、マダガスカル、モーリシャス(※)、サントメ・プリンシペ、セイシェル、ソマリア、スワジランド、チャド

(※)リベリアはモーリシャスに不戦勝。


◆ンボテ注目のカード
ここでンボテ飯村による注目のカードを2つほどご紹介したい。

◇第2組 ギニアビサウ×トーゴ:西アフリカ沿岸の小国対決

トーゴは別の記事でも述べたが、2006年ドイツ大会への出場チーム。ちなみに、トーゴは第一次世界大戦まではドイツの植民地であったのだが、何かの因縁だろうか(→「祝・トーゴ独立記念日」参照)。

この後、2010年のアフリカカップ・アンゴラ大会で、コンゴを挟んだ飛び地、カビンダでの試合のためバスで移動していたところ、襲撃を受け、代表関係者の2名が死亡するという事件に見舞われた。この事件を受け、選手の出場意欲にかかわらず政府が辞退を決定した。アフリカサッカー協会はこれを規約が禁ずる「政府による干渉」だとして、トーゴサッカー協会に制裁を決定。その後2回のアフリカ・カップへの出場が停止となった。そういったことからもFIFAランキングは低迷した。

対するギニアビサウ。典型的な脆弱国家(最近では崩壊国家という言い方もされる)。神経質な政軍関係の中、クーデター政変が繰り返され、また南米と欧州・アジアを結ぶ麻薬の中継地としても長く警戒されてきた。直近では大統領選挙を目前に控えた2012年4月に政変が発生。アフリカ連合や西アフリカ開発機構の参加資格が停止され、現在も国は混乱状態のままである。

残念ながら、今回のビサウには第二話で述べた「危機ジンクス」は味方しなかった。両国の戦いは辛くもトーゴが勝利。ワールドカップ出場経験国のプライドを守った格好だ。


◇第10組 スワジランド×コンゴ(民):わが愛するコンゴの勝ち上がり
なんといってもンボテがサポートするコンゴ。サッカーは国民的スポーツ。そしてこの国の東南部、カタンガ州を本拠とするクラブチーム「TPマゼンベ」(Tout puisant Mazembe、’ Tout puisant’は、めちゃめちゃ強い、の意味)が、2012年のFIFA世界クラブワールドカップ(通称「トヨタカップ」)に出場。決勝まで進出し、ヨーロッパ王者のインター・ミラノに敗退した。欧州、南米以外のチームが決勝に進出したのは初の快挙。すばらしい勝ち上がりであった。ちなみにこのチーム、オーナーはカタンガ州知事のモイズ・カツンビ(来週のカタンガ特集で詳述)、監督のラミン・ンジャイはセネガル人。

さてこのコンゴ、代表チームは、なぜかいつも苦戦する。主力選手は地味ながらヨーロッパでプレーしており、もう少しパフォーマンスできそうなものだが、ここというときに負け込むことが多い。

サブサハラ最大の面積を誇る大国、コンゴに挑むのは、南アに囲まれた小国、スワジランド。民族構成上はスワジ族が絶対多数を占める王国、今でも伝統文化が色濃く残る国。経済、歴史上、当然に南アとのつながりが強く、アパルトヘイトの経済制裁を逃れた白人がこの国に資本を投下したことから、現在もごく少数の白人が経済を握るとされる。

さてそのスワジ、サッカーでは残念ながら見るべき功績がこれまでないようだ。今年の3月にはエジプトに10対0の大敗を喫している。ただ、同じ南アに囲まれたレソトはライバルのようで、これまで二度にわたり3点差をつけて、こてんぱんにして勝っている。今回、この予選では大国の前に、残念ながらここで敗退となった。


では次回は、進行する第二次予選リーグについて見ていきたい。

(つづく)


◆シリーズ「アフリカのサッカー事情」
第一話 ワールドカップ・アフリカ地区予選はこうなっている!
第二話 熱狂のアフリカカップ
第三話 死角を突く!



◆ンボテ★飯村出演情報
JICAホームページ【ひと模様】ンボテ★アフリカ、トポ・ナ・コンゴ!
Japan Times TICAD V Special
ニコ生「藤岡みなみのI don't know Africa~発見アフリカ54の国~」(全編おまとめログ)


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