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アフリアカップサッカーは泥仕合の中〜開催地をめぐるゴタゴタ(2)

2018-12-07 08:10:00 | アフリカサッカー・スポーツ
アフリカカップ開催地をめぐるゴタゴタ。アフリカサッカー連盟(CAF)はガーナで開催された評議員会で11月30日、来年6−7月に予定されていたアフリカカップサッカー (CAN2019)のカメルーンでの開催を断念する決定を下した。このことは先日のアップ記事でおしらせした。

アフリカカップサッカー2019、カメルーン開催を断念〜ホスト国をめぐるごたごた

このゴタゴタ、いよいよ泥仕合の様相になってきた。

(フランス国際ラジオ放送(RFI)ウェブサイト記事より)


第一は、カメルーンがホストできなくなった今、誰がこれを受け入れるのかという問題。アフリカサッカー協会は南アフリカ共和国を本命と見ている様子だ。他方、北アフリカの三ヶ国、エジプト、チュニジア、アルジェリアは、モロッコの開催を押している。CAFは年内にも開催国を決めたいとしている。モロッコはスペインとポルトガルと組んで、2030年のワールドカップ共催を招致したい狙いがある。

・・・とまあ、ここまではいい。問題はその先だ。


次に、開催国だったカメルーン代表の本選進出は認められるのか、という問題。
カメルーンは現在、予選リーグB組に参加しており、第二位。次戦に勝てば本選進出が決まる。相手はコモロ。まあ順当にいけば負ける相手ではない。

しかし、「不屈のライオン」にはもっと大きな壁が待ち受けている。実はアフリカサッカー協会は、2017年1月の規約の改定で、92条にこのような規定を設けたのだ。
「アフリカカップサッカー大会をホストすべき加盟サッカー協会が、本選までの期間が一年を切った時点で、立候補を取り下げ、あるいは開催権を撤回された場合は、罰金50万ドル(約5.5千万円)を処すとともに、次回アフリカカップサッカーにA代表が出場することを認めない。」
これは前回の記事でお話しした、あまりにドタキャン開催国が後をたたないことから設けられたもの。さて、カメルーンの罪状はいかに。


さらに、対岸の火事は、他国に飛び火する勢いだ。2019年の開催がムリと判断されたカメルーン。こんどは2021年の開催を主張。アフリカサッカー協会のマダガスカル人理事長、アーメド氏は3日、カメルーン協会に対し、2021年の開催国となることを提案するレターを送付したのだという

「なんだと?冗談じゃない!!」と黙っていないのは、次回2021年開催国のコートジボワールと、 その次2023年ホストのギニア。なんでカメルーンのとばっちりを食わなきゃならないのか。アーメド総裁の会見は、さらにコートジボワールを激怒させた。「委員会はそのように決定した。コートジボワールも2021年の準備は整っていないことは明らかだ」。コートジボワールは2023年に後回し、と述べた。コートジボワールには一切の打診も根回しもなかったという。

「コートジボワールが2021年開催に選ばれたのは2014年だ。同年の開催に向け、3億ドル(約330億円)の投資を行い、カレンダーに従い粛々と準備を進めてきた。」とコートジボワールのスポーツ省ポラン・ダノ大臣は語気を荒げる。


なぜアフリカサッカー協会は、一見ロジックの通らないカメルーンのスライド開催に傾いているのか。一つにカメルーン協会から訴えられることを恐れていることが挙げられている。もし開催がキャンセルとなれば、現在建設中のスタジアムはどうなるのか。建設中止となる場合の違約金、損害はだれが負うのか。

このような形相を処理、仲裁する機関にスポーツ仲裁裁判所(ribunal arbitral du sport: TAS)がある。もしカメルーンサイドが訴えた場合、アフリカサッカー協会側の判断が妥当であったか、問われることになる。過失割合に応じた違約金を求められるかもしれない。5日、カメルーン大会組織委員会は、このような事態に至った原因究明と、アフリカサッカー協会に対する訴訟の可能性などを議論した。現在のところ、そのような具体的な動きは見せていない。


大陸を2年に一度熱くさせるアフリカカップサッカー。かくしてキックオフの前に、場外乱闘の泥仕合が続く。

(つづく)


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