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アフリカカップサッカー2019、カメルーン開催を断念〜ホスト国をめぐるごたごた

2018-12-01 07:10:00 | アフリカサッカー・スポーツ
2年に一度開かれる、アフリアサッカーの祭典、アフリカカップサッカー。仏語名で'Coupe d’Afrique des Nations'、通称'CAN'。欧州のユーロよろしく、アフリカ中がサッカーに燃え上がる。

この大会、アフリカ的にはワールドカップよりもよっぽど盛り上がる。というのもワールドカップのアフリカ大陸枠はわずか5。それに比して、アフリカカップサッカー本戦への出場枠は16、そして次回大会からは24と、約半数の国が参加できることになったのだ。おらが国のチームが活躍する。ワールドカップとは異なる熱狂がある。

アフリカサッカー事情(2)~熱狂のアフリカカップ

本戦に向けた予選は前回大会、ガボン大会のすでに翌月、2017年3月から開始されている。ワールドカップ予選を頭越えして、2年間、予選が続く。そして現在、最終予選の全6節の、第5節が終了し、約半分の13チームが本戦進出を決めた。最終節は2019年3月に行われ、その直後に本戦の組み合わせ抽選会。これまでCANは1−2月に開催されていたが、今回から「夏開催」に移行。本戦は6月15日から7月13日、中部アフリカのカメルーンで開催される。

・・・はずだった。

当地11月30日、アフリカサッカー協会(Confédération Africaine de Football: CAF)は、女子サッカーのアフリカカップが開催されているガーナのアクラで評議員会を開催。「2019年のアフリカカップサッカーについて、カメルーン開催を断念する」ことが決定された。

(フランス国際ラジオ放送(RFI)ウェブサイトへ)


スタジアムやホスト施設の整備、大会開催に向けた準備・・・じつは開催20ヶ月も前から、カメルーンでの開催は危ういのではないか、言われてきた。そして10−11月にCAFによる視察が実施され、最終的にきょうの評議員会で見極めをつけた。

RFIが報じるところでは、評議員会ではカメルーン大会の開催を2年繰り延べる案も提示された。その場合、2021年に開催予定のコートジボワールは2023年に、2023年のギニアは2025年に・・・しかしこの案は最終的に採択されなかった。そして急遽、「ピンチヒッター」となる開催国を緊急募集することとなった。


アフリカカップサッカーの開催地問題は常に大きな問題となってきた。立候補の時は気前がいい。うちの国は設備をすぐに整備する、なーに、心配はいらないさ。信用してくれ・・・。そして本当に信用して、毎回開催が危ぶまれる。アフリカカップサッカーの醍醐味だ笑。

前回2017年はガボン大会。開催が直前でピンチとなり、一時モロッコでの開催が検討された。ガボンはギリギリのところで、帳尻を合わせた。

もともとこの時予定されていた開催地は南アフリカであった。しかし正常を理由に断念。代替で選定されたリビアも治安を理由に断念。さらなる代替開催地選考において、アルジェリアとガーナを破って選定されたピンチヒッターがガボンだった。そのガボンがまたまたピンチ。あやうく「代打の代打の代打」を指名しなければいけないところだった。

しかもこのリビア。本当は2013年開催候補地として選定されていた。しかしこの時にアラブの春、カダフィ体制の崩壊を経て、ご承知のようなお国事情に。その時の代打は南アフリカであった。

2015年大会のホスト予定はモロッコであった。しかし当時、西アフリカではエボラ出血熱が蔓延。モロッコが開催を辞退した。そして代わりに名乗りを上げたのが赤道ギニアであった。

それ以前のアフリカカップサッカーの開催地をたどると、変則で1年間隔となった2012年はガボン・赤道ギニアの共催。2010年アンゴラ、2008年ガーナ、2006年エジプト・・・となっている。なにも問題は物理的な準備にとどまらない。2010年のアンゴラ大会では、飛地領土の「カビンダ」において、陸路移動をしていたトーゴ代表チームが路上襲撃に遭い、ゴールキーパーと役員の2名が死亡、複数名が負傷する事態となった。トーゴはこの事件を受け、選手の出場意欲にかかわらず政府が辞退を決定。アフリカサッカー協会はこれを規約が禁ずる「政府による干渉」だとして、トーゴサッカー協会に制裁を決定。その後2回にわたり、のアフリカ・カップへの出場が停止された。

コンゴとベルギー(続編)~国王のお庭、そしてカビンダ

やれやれ。

さて、今回はどこがピンチヒッターとして開催国ホストできるのだろうか。組織委員会は12月中には代替開催地を決定したいとしている。候補として上げられている本命は南アフリカ、モロッコ、エジプト。なかでも安定はエジプトで、これまですでに4回もホストしている。優勝回数も最多の古豪だ。「受け入れに高い関心がある。選手、サポーターを含め、安全に迎え入れる用意がある。」とエジプトサッカー協会。モロッコ、南アは近年でのキャンセルが影響する可能性がある。


さて2019年、お楽しみのアフリカカップサッカーはいずこで?キックオフのホイッスルは遠く、まだ響かない。

(おわり)


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