きょうは「ンボテ★スポーツ」のノリで、ちょっとゴシップネタを。
ドイツが誇る栄光のテニスプレイヤー、ボリス・ベッカー(51)。グランド・スラム征覇6回の「テニスの王子様」は、同世代のシュテフィ・グラフとともにドイツの黄金世代を築いた。
なぜ彼がこのブログにって?・・・そのベッカーが2018年4月、中央アフリカ共和国の「対欧州連合(EU)文化・スポーツ・人道特任大統領特使(attaché)」に任命された、と本人サイドが主張しているからだ。
中央アフリカ共和国とはどんな国?
え?本当に??中央アフリカ共和国政府が任命?なぜ??
実はこの話、長くマユツバものだった。それにはベッカーの身の上の話が関係する。
国際トーナメント49回優勝のベッカー、引退後はビジネスの失敗、不動産トラブル、脱税、不倫など、ゴシップ紙のお騒がせを続けてきたという。そしてヨーロッパあちらこちらでの借金問題を抱え、2017年、自己破産宣告を受けるに至った。同氏は法廷の人となり、残余財産の差し押さえを受け、そしてその競売を待っているところ。差し押さえ物件の中には、王子様の過去の栄冠、グランドスラムのトロフィーなど、かけがえのないアイテムが少なからず含まれているという。
このような状況の中、ベッカーは2018年4月、自らが中央アフリカ共和国の公職に任命されたことを発表。自らのツイッターの中で、トゥアデラ大統領と握手する写真とともに、公職任命を発表した。
(dailymailウェブサイトより)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/d6/ca062bffc32c298ab7d771dcb468dbf8.png)
弁護団はこれを根拠に、ロンドンの高等法務院に対し、「外交関係に関するウィーン条約」に基づく、特権免除の享受を申し立ててきた。つまり、彼は外交特権を使って、この競売から逃れようとしていたというのだ。
法廷の中で、中央アフリカ共和国政府当局の証言者は、「ベッカーが提示する中央アフリカ国籍のパスポートは、2014年に亡失した白紙旅券のロット番号に一致する。明らかに偽造品。」とした。また「パスポートの官職は財務担当となっており、スポーツとは無関係」、さらに「政府文書では同人の在職記録は確認できない。」と証言していた。
当地、本日12月3日、英国当局は司法判断を下した。そして裁判長は「外交特権は成立しない」との判断を下し、「申し立ては取り下げるほかはない」と断じた。法廷には裁判費用が負担できないとして、本人、弁護士ともにその姿はなかったという。
ひとたび競売となれば、ベッカーのトロフィーは22万ユーロ(3,000万円)で落札されるものと想定されている。彼の膨大な借金に比べれば、焼け石に水である。しかし彼が失うものは、その金額価値にとどまらない。
本件、中央アフリカ共和国が紛争コンテクスト以外で取り上げられる非常に珍しいケースではあったことから、トピックとして取り上げて見た。しかしどこまでも騒がせなお話、中央アフリカ共和国サイドからも失笑の一件だった。
(おわり)
ドイツが誇る栄光のテニスプレイヤー、ボリス・ベッカー(51)。グランド・スラム征覇6回の「テニスの王子様」は、同世代のシュテフィ・グラフとともにドイツの黄金世代を築いた。
なぜ彼がこのブログにって?・・・そのベッカーが2018年4月、中央アフリカ共和国の「対欧州連合(EU)文化・スポーツ・人道特任大統領特使(attaché)」に任命された、と本人サイドが主張しているからだ。
中央アフリカ共和国とはどんな国?
え?本当に??中央アフリカ共和国政府が任命?なぜ??
実はこの話、長くマユツバものだった。それにはベッカーの身の上の話が関係する。
国際トーナメント49回優勝のベッカー、引退後はビジネスの失敗、不動産トラブル、脱税、不倫など、ゴシップ紙のお騒がせを続けてきたという。そしてヨーロッパあちらこちらでの借金問題を抱え、2017年、自己破産宣告を受けるに至った。同氏は法廷の人となり、残余財産の差し押さえを受け、そしてその競売を待っているところ。差し押さえ物件の中には、王子様の過去の栄冠、グランドスラムのトロフィーなど、かけがえのないアイテムが少なからず含まれているという。
このような状況の中、ベッカーは2018年4月、自らが中央アフリカ共和国の公職に任命されたことを発表。自らのツイッターの中で、トゥアデラ大統領と握手する写真とともに、公職任命を発表した。
(dailymailウェブサイトより)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/d6/ca062bffc32c298ab7d771dcb468dbf8.png)
弁護団はこれを根拠に、ロンドンの高等法務院に対し、「外交関係に関するウィーン条約」に基づく、特権免除の享受を申し立ててきた。つまり、彼は外交特権を使って、この競売から逃れようとしていたというのだ。
法廷の中で、中央アフリカ共和国政府当局の証言者は、「ベッカーが提示する中央アフリカ国籍のパスポートは、2014年に亡失した白紙旅券のロット番号に一致する。明らかに偽造品。」とした。また「パスポートの官職は財務担当となっており、スポーツとは無関係」、さらに「政府文書では同人の在職記録は確認できない。」と証言していた。
当地、本日12月3日、英国当局は司法判断を下した。そして裁判長は「外交特権は成立しない」との判断を下し、「申し立ては取り下げるほかはない」と断じた。法廷には裁判費用が負担できないとして、本人、弁護士ともにその姿はなかったという。
ひとたび競売となれば、ベッカーのトロフィーは22万ユーロ(3,000万円)で落札されるものと想定されている。彼の膨大な借金に比べれば、焼け石に水である。しかし彼が失うものは、その金額価値にとどまらない。
本件、中央アフリカ共和国が紛争コンテクスト以外で取り上げられる非常に珍しいケースではあったことから、トピックとして取り上げて見た。しかしどこまでも騒がせなお話、中央アフリカ共和国サイドからも失笑の一件だった。
(おわり)