ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

アフリカサッカー事情(3)~死角を突く!

2013-06-13 07:30:51 | アフリカサッカー・スポーツ
「絶対負けられない戦いがここにはある。」・・・それはアフリカとて同様である。いや、弱肉強食のアフリカではそれ以上だ。

◆アフリカサッカーの死角
強靭な肉体、想像を超える動きを可能とする身体能力、セオリーから外れた攻撃、ダイナミック・・・。ワールドカップで、我が代表がアフリカチームとあたると、どこか不気味感が漂い、戦いにくさを感じる。

しかし、アフリカサッカーを見ていると、いくつかの死角が浮かび上がってくる。ここが攻め所だ。

第一に、強さを持続的に発揮できるチームが限られている。アフリカの強豪チームを見ていると、だいたい世代交代がうまく行っていない。ベテランが老齢化すると、生え変わりがスムーズでなく、チームが短期間で弱体化することが多い。また結果が出ないと、すぐに協会トップや監督が辞任に追い込まれる。戦略的なチーム形成の機会を自ら断っているようなもんだ。

第二に、国数の割にワールドカップへの切符が限られている。これは経験、モチベーションと練度維持に影響なしとしない。先述の通り、限られた国際舞台へのきっぷ。常勝を許さない。

第三に、意外とメンタルが弱い。チームが負け込んでくると、強豪であっても、コミュニケーションが途絶え、仲間割れ。モチベーションも尽き、大崩れする場面がよく見られる。

その他にも、特定エースへの過度の依存、チームプレイが不得手、ラフプレー、協会マネジメント、ファイトマネーなど、弱点はいろいろ挙げられる。

ここにワールドカップでもわが日本代表が突くべき死角がある。とにかく、いったん調子に乗せてしまったら手がつられない。そうさせないために、エースを消す、パスを分断、ライン高く守りオフサイドを誘う。裏のスペースへの突破を許さず、徐々に仲間割れを誘う。ここが攻略のポイントだと思っている

◆番狂わせ
そういった意味で、番狂わせがよく起きるのもアフリカサッカーの醍醐味だ。2006年ドイツ大会にトーゴが出場したのはまだ記憶に新しいが、これもある種の運と奇跡が重なった結果と言えるだろう。

前回のCAN2013では、ブルキナファソが準優勝、紛争のまっただ中にあるマリは強豪ガーナを破って第三位。この他にも、予選リーグでは人口50万人の小国、カーボベルデが、同じ旧ポルトガルの植民地、大国・アンゴラを破り決勝リーグに進出した。またCAN2012では、人口65万人の赤道ギニアが、開催国の強みを生かし、やはり決勝リーグに進出。昨日述べたが、セネガルはこの大会の予選リーグで赤道ギニアと同組。一勝もできず、予選敗退した。

ちなみに赤道ギニアは、アフリカ唯一のスペイン語圏の国。一人当たりの所得(GNI)がもっとも高い国で、約2万ドルに達する。アフリカ平均が1000ドルちょっと。ランキング最下位のわが愛すべきコンゴが190ドルだから、格差は実に100倍だ。オビアン・ンゲマ大統領の長期政権、バッド・ガバナンスの典型とも評されるが、油に目がくらみ誰も正面から注文を付けない。オイルバブルに浸りきった、赤道ギニアの国家像である。

◆日本代表有名化?!
サッカーの話に戻そう。
ここ数年、アフリカ人と話していて、日本代表への賛辞を耳にする機会が増えてきた。いわく、日本をよく国際マッチで見るようになった、強くなった。ナカタ、カガワ、ナガトモ、スゴイ。数年前は鼻で笑われていたのに、この高評価ぶりは誇らしい。気に障るのは、相変わらずどこか上から目線なところ。「ま、アフリカの、レベルにはまだまだだが」。わが代表がFIFAランキングでも上位組であることを、国際マッチで実力をもって見せつけてやらねばならない。

あ、あたくしはどっちの味方かって?我が日本代表をこよなく愛しつつ、アフリカの各チームにも惚れ込んでいる。アフリカ代表にも、しっかりと日本代表の「死角」について発信しておきたい笑。

話が脱線しすぎた。
いよいよ次回はROAD TO BRASIL、アフリカ地区予選の進行状況と見所についてご紹介していく。

(つづく)

(写真:日本に移籍?!在京コートジボワール大使館では等身大ドログバがお出迎え)



「アフリカサッカー」シリーズ
第一話 ワールドカップ・アフリカ地区予選はこうなっている!
第二話 熱狂のアフリカカップ



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