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アビジャンに本部が移転する話~アフリカ開発銀行?いえいえ、カカオの話

2015-10-02 07:30:37 | アフリカ情勢
9月30日付のAFP通信で目を惹く記事が。

'Le siège d'une organisation internationale va être délocalisé à Abidjan'
「国際的機関の本部がアビジャンに移転」



え?アフリカ開発銀行(Banque Africaine de Développement: BAD)?その話はもう済んだはずじゃ?

長きにわたりアビジャンを本拠としつつも、内戦と政治的混乱のため、一時的にチュニスに「疎開」していたBAD。2014年までに本部機能のアビジャン復帰を果たした。


しかしきょうのお題ははこれとは違う。本部を移転することが明らかにされたのは「国際カカオ機関」(Organisation internationale pour le cacao: ICCO) である。現在は本部をロンドンに置く。

カカオといえば、世界一の生産量を誇るのがコートジボワール。しかしこの国でチョコレートが食べられない悲哀を先日このブログでも紹介した。

コートジボワール・チョコレート工場のにがい?お話
前編~チョコレートが食べられない?!
後編~オトナの工場見学


一次産品生産国がその生産の恩恵をどれだけ得られているのが、という疑問は、何度となく議論されてきた。そのひとつがICCOのように生産物ごとに設置されている国際機関の本部の立地だ。歴史的には、旧宗主国をはじめとした先進国に置かれてきたことが多い。

ICCOのメンバーとなっている主要カカオ生産国はブラジル、カメルーン、コートジボワール、ドミニカ共和国、ガボン、ガーナ、マレーシア、ナイジェリア、サントメ・プリンシペなど。ICCOは半世紀以上にわたって、ロンドンに本拠を構えてきたが、その歴史は塗り替えられることとなった。

「ICCOの本部はいにしえにはロンドンに置かれることで決定され、ここまでやってきた。しかし、天然ゴム機関はシンガポールへ。パーム油機関はクアラルンプールへ。生産量世界一のコートジボワールがICCOの本部となることは自然な成り行き。」ルイス・ビロン商業大臣、このブログではおにぎり君と称しているが、彼はこのように発言した。

(おにぎり君。Abidjan.netウェブサイトから)


「生産者に近く、相場形成に大きな影響力を持ち、研究開発の現場に近い」場所に位置することは、それ自体意義があるのだ、と主張する。

移転この10月1日に開始。1年半後の2017年3月までには終了するカレンダーとなっている。コートジボワールの復興に勢いをつける「Bonne nouvelle」。アビジャンの国際都市化がさらに進もうとしている。

(おわり)

10/3(土)UNHCR難民映画祭で映画'HOPE'の解説をします!

10/4(日)グローバルフェスタでトークステージ「まるごと★アフリカトーク」を開催します!

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